印籠
水戸黄門の格さんが、「控え!控え!控え!この紋所が目に入らぬか!こちらにおわすお方をどなたと心得る。恐れ多くも先の副将軍、水戸光圀公であらせられるぞ!」と、印籠を正面に差し出して言うと、
続いて助さんが、
「御老公の御前である。頭が高い!ひかえおろう!」と言うお決まりの文句。
マンネリの代名詞とまで言われた、ご存知「水戸黄門」の一場面です。
・ドラマで使用された水戸黄門様の印籠です。
今日は水戸黄門のドラマには欠かせない印籠について調べてみました。
「印籠の用途」
印籠の構造は3~5段の小型容器に紐を通して連結させているもので、重箱を小さくしたようなものです。
印籠が登場するのは1437年(永享9年)で、当時の印籠は花瓶などと同じように床の間に置かれる置物だったそうです。
それが16世紀に入ると印籠の中に薬が入れられ、薬箱として用いられるようになりました。
そして、戦国時代になると武士たちは携帯用の薬入れとして腰にぶら下げるようになります。
江戸時代に入ると漆や蒔絵螺鈿(らでん)などで装飾された美しい印籠が登場し、美しさを競うようになったそうです。
・水戸黄門様の印籠は3段になっているそうです。
「ドラマで印籠をかざす人」
水戸黄門のドラマでは、悪者をひれ伏せさせるために印籠を使用していますが、当初は黄門様とその一行の身分を明かすために使われていたそうです。
それが第23回になって初めて悪者の前に印籠をかざすようになりましたが、この時は黄門様が自ら印籠を出したそうです。
その後、助さんが黄門様の腰から取り出して「先の中納言、水戸光圀さまにあらせられるぞ!」となり、その7回後のドラマでは格さんが出し、更に弥七の奥方おしんが女性初の印籠を出したこともありました。
黄門様一行が奉行に捕まって牢に入った時には、牢の天上から弥七が印籠を投げ入れると言うシーンもありました。
面白い出し方では、うっかり八兵衛が「お控えなすって!」と言いながら出したシーンもあったようです。
ドラマにおける黄門様の印籠は助さん格さんだけでなく、いろいろな出演者が「この印籠が・・・・」と、かざしていたようですね。
こんなに威力のある印籠ならば、一度使ってみたいものですね。