赤い糸
命くれない
♪ 生まれる前から 結ばれていた
そんな気がする 紅の糸
だから死ぬまで 二人は一緒
「あなた」「おまえ」 夫婦みち
命くれない 命くれない 二人づれ
これは瀬川瑛子の「命くれない」と言う歌です。
この歌詞にも出てくる「紅の糸」ですが、何故、運命の糸が赤いのでしょうか?
今日はその由来を調べました。
「赤い糸」は、中国や日本の伝説から生まれたようです。
「中国説」
中国説では、「月下老人」という故事が由来となっています。
中国・唐の時代、韋固(いこ)という青年が旅の途中、月光の下で本を読む老人に出会った。
老人は、大袋に寄り掛かり、傍らには赤い縄が見えました。
青年が「赤い縄は何に使うのか」尋ねると、老人は「夫婦となる男女の足を繋ぐもの。私が一度繋げば夫婦の縁は変わらない」と答えました。
そこで独身だった韋固(いこ)は、自分の相手について聞いてみました。
すると、老人は「そなたの妻は、野菜売りの貧しい老婆に育てられている、まだ3歳の娘だ」と答えました。
韋固は「この私の妻となるものが、貧しい娘の筈がない。そやつを探し出して殺せ!」と下男に命じました。
韋固(いこ)に命じられた下男は、娘を殺そうとしましたが、眉間に傷をつけただけに終わり、娘は助かりました。
それから14年後、官吏となった韋固(いこ)は知事の娘と結婚しました。ところが妻の額には傷がありました。
なんと、妻は韋固(いこ)が殺そうとした娘だったのです。
娘は老婆が亡くなった時、知事の養女になっていたのでした。
それを知った韋固(いこ)は全てを妻に打ち明け、それからは仲睦まじく暮らしたと言うことです。
この伝説から月下老人は縁結びの神、仲人として使われるようになったと言うことです。
「日本説」
日本にも「赤い糸」の故事があります。
中国の伝説は、赤い縄を足に繋ぎますが、日本では、赤い糸は小指に結ばれます。
あるところに大層美しい娘がいて、夜毎に通う身なりの立派な男がいました。
そのうち、娘は身ごもり、両親が尋ねるても、相手の素性を知らないといいます。
そこで、部屋に赤土をまき、男の着物の裾に糸を通した針を刺し、翌日、糸を辿ると、遠く神の社まで続いていました。
ここから、男が神の化身であることが分かりましたが、この時、赤く染まった糸が繋がっていたので「赤い糸で結ばれる」と言われるようになったそうです。
少子化白書によると、現在、20歳前後の若い世代が50歳になるころの生涯未婚率は、男35.4%、女27%前後になると予想されています。
瀬川瑛子の歌ではないですが、「赤い糸」を縦横無隅に張り巡らして、白書の数値を低下させて欲しいものです。