現役の方もリタイアした方も、冠婚葬祭や同僚などとの付き合いで、お酒を飲む機会が度々あると思います。
そこで今日は乾杯の仕方について調べました。
「正式な乾杯のしかた」
乾杯については、結婚式などの正式な席では全員が起立しますが、会食の席では座ったままで構いません。
そして、乾杯の唱和とともに、グラスを目の高さに上げて、
・周囲の人と目礼を交わす
・一口飲む
・唱和した人に目礼する
・周囲の人に目礼する
・静かにグラスを置いて拍手する
これが一連の流れとなっています。
「マナー」
1.乾杯でのグラスの位置は必ず相手の位置より下げてください。極端に下げるのではなく、ほんの気持ちで構いません。
同じ高さで乾杯すると『貴方と私は対等な立場』ということになり、かなり失礼になります。
また、相手より高い位置で乾杯すると相手より立場が上ということになり、目上の人には絶対にしてはいけない乾杯の仕方です。
2.更に、グラスを触れ合わせたり、ぶつけたりするのは、あくまでカジュアルな集まりの時だけです。
グラスを合わせない理由は、繊細なグラスを傷つけないための配慮で、高級な酒器を使うお店やおもてなしの席にも当てはまります。
3.アルコールが苦手の人も、乾杯のときは形だけでも注がれたお酒を持つのがマナーです。
最初のひと口だけ頂いた後は、ノンアルコールの飲み物でもOKです。
「乾杯の起源」
「乾杯」には、「杯を飲み干すこと」と、宴席を始める「掛け声」の二つの意味があります。
元々、漢語で、中国では、古くから「乾杯(カンベイ・ペイ)」と言い、酒を注ぎ合い、飲み干すという意味で使われていたそうで、日本でも、平安時代には、この意味だけで使われていたようです。
現在のように「乾杯」が、お酒を飲み始める際の合図・掛け声になったのは、幕末から明治維新以降とされます。
一説には、1854年「日英和親条約」を結ぶ際、イギリスからエルギン伯使節団が派遣されましたが、その晩餐会でイギリスのエルギン伯が、「我が国では、国王に敬意を表すため、"honors(オナーズ:光栄)"などと言い、杯を交わします。やりましょう。」と提案しました。
幕府の要人・井上清直らは、当然そんな習慣は日本にないのでとまどいますが、ともあれ失礼の無いようにやることにしました。
そして、会話が途切れ静まりかえった時、井上清直が突然立ち上がり、「乾杯!」と大きな声で叫び、静かに着席したそうです。
これが、日本における乾杯の先駆けとされています。
その頃、欧米の人達が杯を掲げたり、声を発してから飲み始める様子を見る機会が増えたことから、日本でも次第に真似ていったそうです。