らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

大阪弁「なおす」

2015-11-18 | 地元紹介

大阪弁に「なおす」と言う言葉があります。
標準語の、壊れたものや間違い等を本来の正常な状態に戻す時に使用する「なおす」ではありません。
多分、大阪以外の方には通じない言葉だと思います。

私はこの「なおす」という言葉について、若い頃の失敗談があります。
東京から大阪へ転勤になった初日、上司から「机の上のその書類なおしてくれるか!」と言われ、私は書類が乱雑に積み上げられていたので、綺麗に積み上げる事と思い、「はい、なおしました」と報告しました。
上司はそれを見て、「なおしてないやないか、早よなおしといて!」と、また言われました。
私は整理整頓の意味と思っていたので、今度は机の上を整理し、右側に積み上げられていた書類を左側に置き換えて、「なおしました」と、また報告したのです。
すると上司の方が、東京からの転勤者なので知らないのだと思ったのでしょう、説明してくれました。
「なおすというのは片づけることなのだ」と。
私は素直に謝まり、この言葉を覚えたのでした。
今では笑い話になる、若い頃の失敗談です。

そこで、「なおす」を広辞苑で調べました。
辞書には
①曲がったこと・乱れ・間違い等を本来の正常な状態に戻す。②地位・身分などを元に戻す。復帰させる。
の他、16項目に渡って説明していますが、その16番目に(近畿・中国・九州などで)しまう。収める。片づける。と説明しています。
大阪で使われている「なおす」は、この16番目の意味の言葉だったのです。

「なおす」の用法としては、例えば、何か道具を使っていて用が済んだとき、そばにいる人に向かって、「これ、なおしとって」といった具合に使うのが最もポピュラーな例です。
これを標準語で言うと、「この道具を、もとあったところに片づけてください」といった意味となります。
この言葉、大阪以外の人には理解できないですよね。