管を巻く
2017-11-06 | 季節
先日、前の現役時代の同僚から、来月中頃に6~7名で忘年会を開催したいとの連絡がありました。
このメンバーとは毎年忘年会を開いているのですが、気心の知れた、人のいいおじさん、おばさんたちで、遠慮も要りません。
毎年、たわいない話に座が盛り上がります。
でも、酒が入ると、くどくど管を巻く人が一人います。
言い出したら引きません。時には言い争うこともあります。
そんな人ですが、酒が覚めると「そんな事を言ったか?」と、けろっとしています。憎めない人です。
参加する殆どの人は70歳以上のご老体ですが、みんな元気です。
元気な秘訣は、くどくど喋ることかも知れません。
ところで、酒を飲んで同じ事をくどくど言うことをなぜ「管を巻く」と言うのでしょうか?
「くだを巻く」とは、既に説明したように、酒に酔って取り留めのないことをくどくど言うことですが、この慣用句は江戸初期にはすでに同じ意味で使われていたそうです。
そして、その語源には諸説あるようです。
その一つは、機織(はたおり)で使う道具、糸車の"管"が元になっていると言う説です。
「くだ(管)」とは機織りで糸を紡ぐときに用いる軸のことで、それを「糸繰車」に差して糸を巻くと「ぶうんぶうん」と単調な音がでます。
管巻きの音や糸を巻く動作が延々と続くことが、酒に酔って同じことを繰り返し、くどくど言う人の姿に似ていることから、「管を巻く」と形容されるようになったと言う説です。
他には、くどくて煩わしいことをいう『くだくだしい』が由来ではないかとする説もあります。
いずれにしても、酒の席で管を巻くのはほどほどにして、楽しい忘年会であって欲しいですね。