警察官などを名乗って、高齢者からキャッシュカードを騙し取る「カード受け取り型」の詐欺被害が東京や大阪などの都市部を中心に急増しているそうです。
警察庁では、「警察や銀行がキャッシュカードを受け取りに行くことはないので、絶対に渡さないように」と注意を呼び掛けています。
カード受け取り型詐欺の手口は、警察官や銀行員、個人情報センター職員を名乗って、次のように電話をかけて恐怖心をあおるのが代表的な手口です。
・「逮捕された詐欺グループの証拠品からあなたの口座番号が出てきた」
・「あなたの口座が不正に使われている。」
・「あなたの個人情報が流出した」 などです。
そして、相手を信用させた後、「セキュリティを高めるためカードを変えた方がいい。人を行かせるのでカードを渡して下さい」などと持ちかけ、「受け子」と呼ばれる人物が自宅を訪問します。
カードを受け取る際に「手続きに必要」との理由で暗証番号を聞き出し、「出し子」と呼ばれる別のメンバーが預金を引き出すのです。
この手口は、被害者に預金を引き出させる従来型の詐欺と違い、金融機関の職員らによる「声掛け」が効果を発揮しない事も被害が拡大している一因だということです。
「事例
新潟市内の70歳代の女性の新聞報道です。
昨年12月、個人情報センター職員を名乗る男から「あなたの個人情報が流出した」との電話を受け、自宅を訪れた男にキャッシュカード12枚を渡し、暗証番号を教えました。
その後、4月末までに預金計2億2140万円が引き出されたそうです。
警察庁の集計では、1~8月の被害額は昨年同期の約2.8倍の32億997万円に上り、被害者の多くは高齢者で首都圏や大阪などの都市部に集中していると言うことです。
大阪府内では、1~8月の特殊詐欺被害1184件のうち、キャッシュカードを騙し取る手口は15件で、昨年同期の45件より減少していますが、9月に入って急増し、9月だけで30件の被害が報告されたということです。
「国民生活センターからの助言」
1.警察官をかたり、電話で暗証番号を聞きだし、銀行協会職員や銀行員などになりすました共犯者がキャッシュカードを受け取りに来て、預貯金を引き出される被害が増えています。
電話中や電話の直後にキャッシュカードを取りに来るので、考えたり相談したりする時間もないうちに被害に遭っています。
2.警察官や金融機関職員などがキャッシュカードを預かったり、暗証番号を聞いたりすることは絶対にありません。
それ以外でも、他人に暗証番号を教えてはいけません。
3.この手口の被害者のほとんどが、個人名の電話帳(ハローページ)に掲載していました。
一人暮らしの高齢者は、「116」に電話して電話帳への掲載をやめてもらいましょう。
4.このような電話がかかってきたら、すみやかに電話を切り、最寄りの警察に通報してください。