ことしの「学生の匠リフォームコンクール」の選考は
先日の既報のように決定しました。
写真は、選考会に先立って応募作品に見入っている施主さんの様子です。
わたしどもの事務所にも歩いて数分という近さもあって
応募締め切りから、選考日までの3日間、ほぼ毎日こうして
熱心に、丹念に応募作品を検討しているお姿がありました。
建築を見慣れた私たちでも、一度に30点を超すような数を見比べるというのは
たいへん骨が折れる作業。
ましてや、はじめてこういう比較検討する素人の方には
難しい面もあっただろうと思います。
しかし、リフォームの場合は今の建物の寸法感覚が
身についていることから、リアリティがあって、
見れば見るほど、その面白さもおわかりいただけたようです。
建築は、空間を扱うデザインですから、
その意味では、その空間への感覚を持っていれば
すぐに共通言語が感じられるものなのでしょうね。
なにより、応募した学生さんの「思いや熱意」が感じられて
目が離せなくなる、という高い理解力を示していただきました。
それにしても、午後の時間、ご夫婦で
こうして3日間、丹念に学生さんたちのプランを
じっくりと目を通していただくなんて、すごいことだと思いました。
そして、こういう思いを出来るというのも、素晴らしいな、と思います。
自分の家をどうしようか、という切実な思いが
その根気を支えていたのでしょうね。
施主さんはご自分でも絵を描く方なので、
こういうものづくりを通しての作り手との会話が成立するのでしょうね。
単純に商品化したり、規格化できないのが住宅の面白いところ。
こういうプロセスの存在が、実際に工事などを通して
どのように実現していくかも、もっと深くわかるようになります。
ひいては、自分の家への愛着を感じていくものでもあります。
是非、多くのみなさんも、自分の家について納得できるまで
理解するというか、考えるプロセスを大切にしていただきたいと思う次第です。