三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

涼を呼ぶ水車小屋

2008年08月05日 07時26分49秒 | Weblog



きのうは札幌でもすごく暑くて夏真っ盛り、ってとこですが、
すこしは涼しくなるようなテーマ(笑)で・・・。

わたしの家は、大正の中期に広島県から北海道に移住してきた家系です。
小樽の港に着いた移民船から、汽車を乗り継いで
栗沢という空知平野のまんなかくらいの岩見沢市に近い地域に入植しました。
当時の移住は、先に入植していた故郷の縁者を頼って行くという形で、
農家として地盤を築いているひとから農地を借りて
「小作」という経済的な立場で入植して行くことになります。
なのですが、わたしの祖父は入植するとすぐに
水車小屋を造作したのだそうです。
当時、周辺に水車小屋がなかったことに目を付けたものかどうか、
まぁ、いまとなっては確認はできませんが、
だいたいはそんなところだったのではないかと推測します。
水車小屋は、自然エネルギーを活用する動力ビジネス。
流水を回転エネルギーに代えて、
製粉などの用途に利用するのが一般的な使われ方。
使用契約を何軒かの農家と契約する、というのが仕事だったでしょう。
装置型のビジネスなので初期投資がかかりますが、さてどのくらいの需要があったか?

っていうようなことを想起させる光景。
たぶん、農村地帯の集落にはこういう需要を満たす水車小屋が1軒はあったのでしょう。
自然エネルギー活用なので、水不足など自然の状況で需要に対応できないときがある、
というのが仕事として考えるときには、ネックでしょうね。
それと常時水にさらされるので、定期的なメンテナンスが不可欠。
当然、回転装置の不具合なども頻発することでしょう。
お金儲けとして考えると、メリットは大きいものかどうか不明です。
でも、日本的な伝統的農村集落に欠かせない建造物として、
地域の景観にとけ込む重要なファクターですね。

みなさん、暑中お見舞い申し上げます。


NPO住宅クレーム110番|イザというときに役立つ 住まいのQ&A
北海道・東北の住宅雑誌[Replan(リプラン)]|家づくり・住まいの相談・会社選び

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする