三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

フラガールのゆかり

2012年08月05日 05時35分50秒 | Weblog





やはり行って、聞いてみないと分からないことが多い。
昨日の続きで、「地域安全学会」のセミナーに参加。
前日は多くのセクションが同時並列的に行われるという散文的な会合で
どれを聞いていいのか、よくわからないまま、資料をあとで読んでみて
「あぁ、そういうことだったのか」というのが実態でした。
少ない時間で数多くの発表をこなすためのギリギリの作戦だったのでしょうか。
一方、きのうは型どおりの「基調講演」が2本行われて、
そのあと、パネルディスカッションが行われ、パネラーの各自の発表後、
ディスカッション、というわかりやすい進行でした。
で、そのなかに、スパリゾートハワイアンズの発表もありました。
え、なにそれ、でありましたけれど、
お話を聞いて、なるほどと了解できた次第。
というのは、このスパリゾートハワイアンズというのは、
常磐炭坑の会社が、その企業延命策として取り組んできた
後継事業だったのだということ。
炭坑があいついで閉山していかなければならなかった時代を迎えて
5万人の人口を支えてきていた企業として、
その「地域を守る」ために地域密着の姿勢を強化して
そして生き残ってきた企業なんだそうです。
なんでも、炭鉱を掘っていたら、副次的に温泉も湧出してきて
それが川に流れていたので、その川にみんなが入っていたのだと言うこと。
であれば、ということから、後継事業として温泉観光にかけたのだという。
「東北にハワイを作る」という当時の社長さんの取締役会での発言に
当時の取締役会は度肝を抜かれ、ひと言も発言なく承認されたのだということ。
そしてそれは、徹底した地域貢献の結果、成功していったのだそうです。
仕入業者さんの選択に当たっても、徹底的に地場企業に発注して
そういうことから、馘首せざるをえなかった炭坑離職者に職を与えたかったらしい。
そんな企業姿勢は地域のみなさんに自ずと伝わって、
地域の人たちが大いなる「営業マン」に変化して、
地域を挙げての「地域興し」的なランドマーク企業、
常磐ハワイランドが誕生したのだそうです。
そしてそれから半世紀を経てふたたび、
東日本大震災からの立ち直りのために、
フラガールのみなさんを先頭にして、地域復活のためにたたかっているのだそうです。
地域の元気を発信するために、彼女たちが出来る
フラダンスを全国に披露しながら、震災復興に立ち向かっていった・・・。

まったく知りませんでした。
名前を聞いてはいたけれど、そういった企業の出自を持ち、
そのようなポリシーで運営されてきた企業であるということも知らなかった。
まことに地域と一体化した企業理念に深く撃たれる思いです。
右肩上がりではない時代にあって、
企業という存在が、どのように生き続けていくべきなのか、
そのひとつの考え方を明確に指し示していると思いました。
すばらしい。
これからは、フラダンス、あだやおろそかには見ていてはなりませんね。

<写真はいわきの並木を飾っている椰子の木。なんですが、
この木はすこしいじめてやらないと大きくならないんだそうです>
コメント
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