三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

【クリモグラフ気候図がわかりやすい】

2019年07月04日 08時14分51秒 | Weblog
不勉強なもので「クリモグラフ」というコトバをはじめて聞いた。
このブログでも数回取り上げた、前橋工科大学・石川恒夫先生の講演。
グラフ表示としては縦軸に各月平均気温が表示され、
横軸には各月の平均湿度が表示されるものだそうで、
そういうポイントを結び合わせることで、
その地域の独特の「温湿度環境」がわかりやすく図示されることになる。
上に挙げた図表を見ていると、面白い比較資料として、
日本とベトナムの都市の温湿度の月平均を表現したデータが示されていた。
日本は東京・大阪・那覇に混じってわが旭川が入っていて
まぁ当然ではありますが、
それぞれのダントツ(笑)の違いをあらためて思い知らされた。

東京と大阪はほぼ同じような図形を示している。
また、ベトナムの3都市もほぼ同様の形状を示している。
特異な形状は那覇と、わが旭川であります。
ベトナムの形状がほぼ右上の位置で回遊しているのに対して、
積雪寒冷でなお盆地気候という旭川が、いかに特異な
気候特性を持っているかということが一目瞭然。
月ごとの平均の「温度差」が30度前後ある。
同様に月ごとの平均の「温度差」を比較すると
東京では23度ほどで、大阪でも23度ほど。
一方のハノイでは13度ほどしかない。
那覇はベトナムほど高温ではないが、13度とスパンは小さい。
平均的ニッポンでは四季変化が、比較的明瞭で
旭川では極度に明瞭である、ということが言えるのでしょう。
さらにいえば、特異的な最高点である最高気温と最低気温で言えば、
旭川では上で35-6度から下は−30度超と65度超にもなる。
こういった過酷な環境の中では、人間を守る建築外皮が
決定的に重要になることは自明だとあらためて気付かされる。
気候風土対応というものは一様ではないけれど、
どちらにせよ「対応の知恵と工夫」は、寒冷にせよ蒸暑であるにせよ、
こういった極端な地域から生まれ出てくることは間違いがない。
そんな思いをあらためて強く感じさせられた次第です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする