三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

オージー企業のニセコ高級リゾート作戦

2007年06月14日 06時47分14秒 | 住宅取材&ウラ話

ここ数年、ニセコ地域へのオーストラリア観光客の流入、
その結果としての土地価格の上昇がいわれています。
今回、そのブームの担い手といえるオージー企業の事業展開をみてきました。
例によって、アース21という建築会社のネットワークの視察。

建築プロデューサーの側面というよりも、
徹底的にマーケッターである、というのが実態。
世界の高級スキーリゾートという、かれらが選択した事業領域の中で、
この北海道ニセコの地域の価値を高めることで、
かれらの利益を追求していく、というのが明確。
コンドミニアムタイプのものから、別荘的な小さな戸建て物件まで、
「投資物件」としての目的に沿って、建築が作られています。
戸建て物件は、地元の優秀なビルダーが建築を受け持っているだけありますが、
大きな物件については、大変、ラフだなぁ、というのが率直な印象。
ただ、どういうようなリゾート地域にしたいと考えているか、
という質問に対して、「現代日本的な」ものにしたいので、
よくある欧米のスキーリゾートのようにログハウスだらけ、
というようにはしたくない、という答えが印象的。
さらに、彼らが主要な事業展開地域としている
現状のヒラフ地区の街並みの様子について、
こちら側のメンバーが、不統一で混乱した街並みになっているのではないか、
と指摘したのに対して、
「いや、バラエティに富んでいていい、と思う」との答えでした。
アフタースキーの楽しみの中で、すしや純日本的な料理店から、
現代日本的な、無秩序な「なんでもあり」という文化(?)が、
むしろ、キッチュで、楽しいというような感覚を持っているのか、と思った次第。

一方で、戸建て的な別荘建築では、
決まり切ったログハウスではない、
現代日本的な、ハイテク的なイメージとかも含んだような
新しい「日本らしい」クオリティと、デザインの建築を志向しているようです。
かれらの、建築への一番の関心ポイントは
「資産価値として高い耐久性」という側面が強い、クオリティというもの。
このあたり、このオージー企業自体にはそういうビルダーとしての能力は
不明ではありますが、よきパートナーシップが得られれば、
面白い、インターナショナルっぽい北海道的なあたらしいものが
生まれ出てくる可能性はあるのではないかと感じた次第。
かれらは、かれらなりの投資的な世界の中での競争の論理で行動していますが、
そのなかで、われわれ北海道の企業側でも、
大いに、活かして利用していくべきなのではないかと思いました。
あした、戸建てタイプのものを取り上げたいと思います。
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