三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

第1回東北住宅大賞審査

2006年10月02日 05時47分59秒 | Weblog

昨日、仙台メディアテークにて、第1回の東北住宅大賞審査が行われました。
審査委員長・早稲田大学教授の古谷誠章さん、
東北大学助教授の五十嵐太郎さんと並んで
わたしも審査員の列に加わらせれて、冷や汗ものながら、勤めさせていただきました。
けっこう取材で見させていただいている住宅の応募も多かった、
そういう意味で、東北各地の住宅への実体験を持っている、
ということから、お鉢が回ってきたものと思われます。

こういう審査員というお仕事は、はじめてやらせていただいたのですが、
なかなか大変なことだと実感いたしました。
パネルという表現手段であらわされたものを頼りに
現場の住宅を想像し、作り手のさまざまな設計意図や思いを
追体験しながら、それに対して評価を下していくという作業は、
しかし、並大抵な仕事だとは思えません。
内心、安易に引き受けてしまった自分を反省しながら、
でも、精一杯、いままでの住宅取材体験を思い起こしながら、
イマジネーションを掻き立て、できるだけ臨場体験に迫りたいと
やらせていただいた次第です。
おかげさまで、ご両人に助けられながら、なんとか役を終えることが出来ました。
応募作品は全部で53点。
敷地の条件も、その背景となる土地柄も違えば、
建て主さんの希望条件もそれぞれに違う住宅を比較するわけです。
気候条件も大きく違っています。
評価軸をいろいろに絞り込みながら、しかし、今回は
どうやら、落ち着くところに落ち着いたという感じももてました。
審査の様子もすべて公開しながらでしたが、
会場にお集まりいただいたみなさんに、選考プロセスもオープンに行いました。
そのうえで、会場全体からもある程度の共通理解が生まれつつ
結論が導き出された気がいたします。
審査委員長の古谷先生のリードが素晴らしかったなと、実感いたしました。

さて、今回は東北の住宅賞ということで、
この第1次審査で絞り込んだ住宅、全6件を、
もっとも寒さの厳しい1月ころに、実際に訪問して
最終的な受賞作を決めようという段取りになっています。
住み心地なども、大きな選考ポイントにしよう、というコンセプト。
いかにも寒冷地住宅らしいユニークな選考方法ですね。
まぁ、6件のうち、3件はわたしは見ている住宅なのですが、
いろいろ拝見して、ポイントを整理していきたいと考えています。
選考討論で、やはりいちばんポイントと思われるのは
「東北らしい」ということだと思います。
最終的にどういう処に定まっていくのか、興味も尽きないものがあります。
それと、こうした地域住宅賞というこころみ、
大変素晴らしいものだと考えます。
この第1回を何とか成功させて、根付かせることができれば
全国にも誇ることが出来るものになっていくと思います。

でも、短時間にすべてのパネル表現すべてを見るだけでも、
けっこう疲れました。前日の葬儀疲れもあって、
やや疲労困憊、っていうのが正直なところ。
ふー、やれやれ、というのが実感です。
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