三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

親子旅、目的達成

2007年08月11日 04時50分41秒 | 歴史探訪




さてさて、寄り道ばっかりの夏休み親子旅、
「奈良の大仏を見に行く」という単純な目的をついに達成です。(笑)
高校の修学旅行以来ですから、もう40年ぶりの再訪と言うことですが、
でかい、のひとことですね。
この仏像は全国の国分寺の親元として国家安寧を祈願して作られたモノ。
日本を「鎮護国家」とする目的を持って作られたモノですから、全くの初期に属するもの。
それなのに、いきなり超巨大化させるという発想に至ったのですね。
なぜなんでしょうね。
そうした思惑とは別に、この建立には多大な国費の浪費が必要であり、
潤い、栄えたのは貴族と寺院勢力という状況をもたらしたのです。
発願者、聖武天皇の死去後、乱を起こした橘奈良麻呂の反乱理由が
「東大寺などを造営し人民が辛苦している。政治が無道だから反乱を企てた」
と自白したと言うこと。
昔から、公共事業というのは、始める理念目的はいいけれど、
途中からは、それ自体が利権そのものになっただろうことは
どうも容易に想像できます。
また、写真では大仏の後光に金箔が施されていますが、
この金は当時盛んに産出が開始された奥州のものだったものと推定できます。
この時期と、期を同じくして奥州北部地方への日本国家による侵略戦争が
活発化していくのですが、
いわばそういう利権争奪、というような事情も想像ができます。

というような雑念が沸き起こってくるワケですが、
まぁ、単純に、なんとまぁ巨大であることか。
このあとの日本歴史は、戦国期まで建築の巨大化方向には行かない、
ということになります。
よっぽど、反省すべきようなことが多く発生したのではないかと思いますね。


きのうのブログに、「ひこぼー」さんから
いろいろコメントをいただきました。
「けもの落とし」というのは初耳の表現。竹虎落=たけもがり、ではないか、
というような投稿だったのですが、
竹垣の一種のデザイン手法ではあるのでしょうが、
あまり他の地方では見られないのではないかと思います。
目的も、壁下部の汚れ防止ではないか、とのご意見。
わたしも調べておりまして、まだ明確にはなっていません。
引き続き、調査活動を続けたいと思います。
こういうの、楽しいものですね。(笑)


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先斗町早朝散歩

2007年08月10日 07時19分43秒 | 住宅性能・設備


さて、京都紀行。
坊主との日中の観光もいいのだけれど、
やはり建築的な興味もあるので、早朝散歩がたいへん楽しみ。
市内中心部のホテルでしたので、朝、先斗町を散策。
って、そんな人はいないだろうと思っていたら、
前夜から徹夜で飲んでいるような人が多くて、
けっこう人が多い。
ただ、先斗町は食事をメインとしたお店が多いので、
そういうみなさんのおじゃまにはならなかったようです。
先斗町って、変な名前だなぁと、前から思っていたのですが、
ポルトガル語に起源を持つ名前と言うことだそうですね。
信長の時代に、南蛮寺もこの近辺にあったそうです。

そんな街並みで、目に付いたのが、「けもの落とし」と呼ばれる外部装置。
「あれ、なんて言うの?」とタクシーの運転手さんに聞いたら
「けもの落とし」と教えていただいたのですが、
面白そうなので、Wikipediaで調べてみたのですが、そういう項目はない。
なので、この運転手さんの説明だけが情報源なのです。
写真でご覧いただくように、
竹製で楕円形状に上部がすぼんでいるわけですが、
機能は、ネズミやタヌキなど、食べ物を狙ってお店に入り込もうとする「けもの」を
入られないようにするものなんだとか。
コメなどの食料をネズミの被害から守るのに、
高床式建物で「ネズミ返し」という装置がありますが、
そういう機能を果たすものなのだそうです。

先斗町では、この装置が連続していましたが、
ほかの町家でも同様なのかどうか、確認は出来ておりません。
しかし、竹の素材がみごとに古びたお店から、まだ真新しいお店、
さらに鉄製の素材で造作しているお店など、
いろいろあるんですね。
なかなかに奥ゆかしさを感じさせる外部装置。
このあたり、一種の格式も表現する装置であるように思われます。
今度じっくりと、調べてみたいなぁと思った次第です。


●追伸
建築士資格を持っている知人にも聞いたのですが、ほぼ誰も知らないということでした。
で、彰国社「建築大辞典」で調べましたところ、やはりこの名前では登録がなく、「竹矢来」の表記がこのものを表しているとは思われます。竹垣の一種のデザイン表現のよう。
ただ、そこでは「竹虎落~たけもがり」という別名が記載されています。そう、運転手さんの言っていた言葉の意味にやや似た言い方になるのですね。
現在のところ、以上のような調査になっていることをご報告いたします(笑)。

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世界遺産はシカか?

2007年08月09日 06時49分49秒 | 出張&旅先にて



さて、わかりやすい坊主の夏休み歴史の旅。
どっちかというと、脚の向くまま、気の向くままの
親子旅なんですが、やはり基本目的は「大仏を見に行く」
ということなので、初めて京都から地下鉄~近鉄線と乗り継いで
近鉄奈良駅に降り立ちました。
京都のタクシードライバーさんに聞いていたのですが、
誰もJRは利用しませんよ、ということの意味がわかりました。
近鉄奈良駅だと、奈良公園の目の前に着くけれど、
JR奈良だと、2kmも離れているんだとか。
運輸省の伝統的政策として、民間優先という原則があり、
その名残がこういうかたちになっているそうです。
関東の場合は、JRと私鉄線の共存がほどよくなっているかなぁと感じますが、
関西では私鉄が優勢で、JRは基幹的な長距離や環状線などの分野に絞られる感じ。

でまぁ、世界遺産の大仏さんへの参詣行脚を開始したのですが、
「どんだけ~」というくらいのシカたちが、
さっそく坊主を攻撃。っていうか、不慣れなので、
シカの餌を買ってモタモタしているうちに、シカさん、集中してきたのですね。
かわいそうなんですが、おかしいのもおかしくて、
大笑いしておりました。
どうも、手もかじられたようで、笑いながらも
世界遺産の手強さを実感させられていました(笑)。
って、世界遺産は大仏で、シカは名物という位置づけにはなるのですが、
奈良公園では、かれらのほうが主人であって、
わたしたち人間は、かれらにことわって、大仏さんを拝ませてもらっている、
そういう印象がありますね(笑)。
まことに、自然に帰依することを教えられているような「名物」です。
帰り道では、坊主も自然との調和を身につけて、
シカさんたちともすっかり仲良くなりまして、
餌に頼ることなく、かれらを手なづけ、というよりも
どちらかというと、仲良く手なづけられておりました(笑)。


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マンガの都・京都

2007年08月08日 05時33分45秒 | 出張&旅先にて



最近、京都は手塚治虫さんの縁が深い、ということもあってか、
マンガ文化に着目した街づくりを進めているように感じます。
烏丸御池の交差点に、古い小学校の校舎をリニューアルした建物で、
京都国際マンガミュージアムがオープンしています。
開設から半年以上が経過しているのですが、
たいへんな人気ぶりとかで、入場者数がうなぎ登りと言うことです。
この施設とは別に、駅ビルには手塚治虫さんの記念館もあり、
マンガ文化を京都の売り物にしようと考えているように思われます。
このあたりの慧眼ぶりには、さすが、と舌を巻く思い。
千年の都・京都、というキャッチフレーズはダテではなく、
どんどんと新しい文化を取り込んでいって、都市の魅力を際だたせているワケ。

父親もなにを隠そう、マンガ文化どっぷり少年期だったものですから、
どっちかというと、息子よりもわたしのほうがハマってしまった感じ(笑)。
収蔵されているマンガは20万点以上ということ。
やっぱり懐かしい「少年画報」も展示されておりまして、こたえられない。
あめのように伸びきった時間がほしい、と心底、思えました(笑)。

一方で、この建物は廃校になった「龍池小学校」の跡地利用でもあるのです。
また、運営もマンガ学部を持つ京都精華大学によって行われている、
というようなユニークな存在。
館長には『バカの壁』などの著書で知られる解剖学者、養老孟司が非常勤で就任。
また、近世思想史や美術史などを専攻する研究員4人が所属し、まんが文化の研究にあたっている。
目の付けどころもいいし、また永続させていく手法も考え、練られていますね。
写真のように、「コロコロ30周年イベント」などの企画展示スペースもあります。
こういうキッチュな、元気のいい文化に注目し、
こどもと大人の境のない文化施設に高めるのは、大賛成ですね。
初めて行ったので、ここまで時間を消費するものとは思いませんでした。
ようやくにして、後ろ髪引かれる思いで帰ってきたのですが、
これは確かに強烈なコンテンツを、また京都の街は獲得したな、
というような思いがいたします。参りましたね。
きっと、息子は、「いつか、また来てやる」と思ったに相違ありません。


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草木染め体験

2007年08月07日 06時09分46秒 | 出張&旅先にて


今回の京都では、嵐山のふもとで草木染めを体験いたしました。
とはいっても、ぶらりと歩いていて、誘われたので
「やってみようか」となったという、いい加減さなんですが(笑)。
染料が入れられた丸いパレットが運ばれてきて、
キャンバスとして白いハンカチを購入。
薄めるとともに、染料を定着させる働きをする液体などを使いながら、
基本的には塗り絵のようにお絵かきします。
どんな絵柄にしようか、ということで、
坊主は「この猫がいい」ということで、わたしはブドウの絵柄のものを選んでみました。
時間に追われながら、駆け足で観光するのもいいのですが、
こんなふうに時間をのんびり味わうのもいいもの。
やり方のレクチャーを簡単に受け、さっそく始めました。
途中では、ご主人とおぼしき方もコーチに来ていただき、
坊主の絵を見ていただきました。
いろいろと説明されていましたが、
恥ずかしながら、こちらは絵柄の呼び名すら知らないワケで、
「この猫、燃える男にしたいんだよ」
「猫って、・・・これは狛犬っていうの」
「え~、猫じゃないのぉ?」
なんていう間の抜けた会話で盛り上がりながら、楽しく塗り絵。
京都的世界に浸かっていれば、狛犬と猫の違いは明確でしょうが、
まぁ、北海道的なリアリズム世界からすれば、これは明らかに猫。
ご主人も、「なんでもいいよ、絵は自分の感じたことをそのまま描いていくのがいい」
と、励ましていただきまして、ごらんのようなところまでたどりついたのですが、
やはり後のスケジュールの関係でタイムアウト。
着手前には「30~40分ですから」と言われたのですが、
楽しい会話などもあったので、たっぷり1時間以上は掛かった次第。

わたしは塗り絵よろしく、線画に沿って
色を塗り分けるという、ごく常識的アプローチだったのですが、
坊主の方は、なんとも大胆に油絵のような元気の良さ。
途中では「赤の色がなくなっちゃんですけど・・・」
なんて言ってはいたのですが、さもありなん、という仕上がりです。
まぁ、一目見たときは、なんとまぁ、むちゃくちゃな、
と思ったのですが、よく見ると味があるかなぁ、などと親バカしているところ。

たまにこんなことをする機会にめぐりあって、
親子でいっしょに取り組んだのですが、
たわいなく無心になって、絵筆を持つ時間っていうのもいいですね。
しばし、外の暑さも忘れて、ひたすら没頭できて、
天地のなかで親子だけの時間のなかに浸ることが出来ました。
まぁ、仕上がりぶりは情けない次第ですが、
札幌に戻ってから、道具も揃えて、再度挑戦してみたいな、
という気持ちも沸き起こって参りました。
とくに、色を作り出すという部分では、なんとも奥が深そうだな、と思われましたね。
親子で笑い転げながら、なんとも楽しい時間を過ごせました。感謝。


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エスカレーター

2007年08月06日 05時31分14秒 | 出張&旅先にて




関西に来ると、いろいろ流儀が違うことがありますね。
今回は神戸の空港に到着したのですが、さっそく乗ったエスカレーター。
こっちは長い時間のフライトになったために疲れていたので、
なにげなく左側に立って、ゆっくり休もうと思っていたら
どうも、違和感がある。
なんだろうかなぁ、と思っていたら息子から、
「とうちゃん、関西、右に立つんだ(!)」って。
そうなんです、みんな右側に立って、しかも、ゆったりしている。
関東に行ったら、こういう場合、大体がせかされるように
後ろからみんな追い越していくのだけれど、
あんまり追い越していくような人はいない。
だからといって、そこはエチケットが確かに存在しているようで、
みんなおしなべて右側に立っている。
郷に入らば、郷に従え。すぐに考え方の修正を迫られます。

北海道は、食文化とか、輸出入の産品など昆布のルートが示すように、
関西との結びつきの方が強いようにも感じるのですが、
こういう部分では、関東風だなぁ、と感じる次第。
わたし自身は、10年近い関東居住経験があるので、
そのように感じるのかなぁ、とも思うのですが、
北海道は、こういう場合、ややゆったりはしているけれど、
どっちかというと、やはり関東流が主流なんでしょうね。

関東と同じように人が多いし、
圧倒されるように感じるけれど、どことなくやわらかい。
息子なんかは、人にものを尋ねるのを恥ずかしがる風があります。
その点、わたしはなんでもすぐに近くにいる人に聞くのですが、
親切に教えていただけるケースが多い。
今回は2度、道を尋ねて、2回とも訪ね先まで案内していただけました(!)。
ひとりは若い男性で、もうひとりは年金生活だという女性。
こういうの、信じられませんね。
北海道では、へたをすれば、言葉を交わすのも避けようとするケースも多い。
「文化」なんでしょうね、こういうあたり。

っていうような、珍道中。
さて、どんな発見がありますことやら。で、あります。


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ギオンコーナーの風景

2007年08月05日 06時45分19秒 | Weblog


坊主の夏休み、歴史好きにするために京都に来ました。
夏休み前に旅行を計画したときに
「どこ行きたい?」
「んんんん、奈良の大仏を見たい」
ということで、関西に行くことが決まったのですが、
あいにくの台風で飛行機の到着が遅れたので、奈良は後回しで京都へ。
で、前にも来たことがあるギオンコーナーに参りました。
ここは日本のいろいろな伝統芸能を観光客のみなさんに一カ所で見せよう、という施設なのですが、
いつの間にか、海外からの観光客で満員。
「お茶を振る舞ってもらいたい人、いますか?」
というアナウンスも、英語でしかやらないので、
日本の人はチャンスがありません。(笑)
ということで、坊主はお笑い吉本系らしく、
やはり「狂言」が面白かった、という感想だったのですが、
おとうさんは、どっちかというと、観客席の多彩な人種構成の方が面白かった。

観光地は、どこへいってもあまり日本語を聞くことが少ない。
むしろ、英語や中国語の方が多数派のようですね。
まぁ、アジアからのお客さんと比べても、
遠さでは、飛行機で2時間ですから、北海道も韓国・台湾・中国と
たいして変わりはないのも事実。
しかし、年間観光客入り込み数が5000万人になろうか、
という国際観光都市、さすがにすごいものだと思います。
歴史を作ってきた権力の遺産が、至る所に残っているのが京都。
本当は、1ヶ月くらい、ゆったり滞在して、
1日1カ所くらいの観光で、じっくり見て歩きたいところではあるのですが、
なかなか、スケジュールは許してはくれませんね。
父親としては、坊主とふたり旅というのは、楽しいものです。

ということで、駆け足ではありますが、短い夏休み、
すこしウオッチしたことなど、アップしたいと思います。
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学生の匠07_優秀賞2

2007年08月04日 05時58分22秒 | リプラン&事業


学生の匠、ことしの「優秀賞」2点目の作品です。
これは室蘭工業大学・笹木圭輔君を代表とするチームの作品。
ことしは室蘭工大の学生さんたち、気合いが入っていたのか、
3チームが入選しているという当たり年。

断面と平面の2つの視点から高低差を付けたり、
視線や意識を操作してあいまいに領域を分けることで、
ひとり暮らしに必要なプライベートな空間を中心に作り出しています。
断面的には、大型の収納家具とも言える30cm程度の高さを持った床を造作し、
通常の床面との高低差で、空間に無意識な差異を生まれさせます。
広さの限られたマンションに大きな収納スペースも確保させるわけ。
施主さんの身長なども考慮しています。
一方で、平面プランでは、自然木っぽい造作のルーバー装置を考案。
空間や意識の「抜け」によって、あいまいに空間が仕分けられ、
しかも全体としての広がりは残ります。
さらにロールスクリーン・可動扉などの「仕掛け」で、
プライベートとパブリックの利用変化を付けているプランです。
名付けて「アフォーダンスの森」、という作品でした。

おとといからきのうにかけて
多くのみなさんがこのブログを訪問していただけたようです。
政治ネタがすこし関心をいただいたのかも知れません。  うむむ。
ペルシャ湾での洋上作戦への自衛隊の協力延長について、
アメリカ側から小沢民主党に対して、働きかけが盛んなようです。
日本の政治状況の流動化で、2重権力的な状況が出てきているかも知れません。
歴史的には、鎌倉の武家によるクーデター権力と、
既存の王朝権力機構との2重権力状況が日本では、あったわけですが、
こういう状況では、柔軟に、しかも原則をきちんと通していくという
「戦略的対応力」が両方に問われることになると思います。
民主党にしてみれば、これまでの主張を具体的に実現するチャンスでもあります。
小沢さんは、「対等な日米関係」という主張を通せばいい。
ある意味では、冷戦終結後、もっとも大きな日米関係の節目になるかも知れない。
日本とアメリカの長い付き合いのなかで、
きちんと戦略的に話し合う機会を持つのは悪いことではない。
アメリカは極東地域について、どうしたいと基本的に考えているのか、
日本は自分自身の安全保障をどうすべきなのか、
「対等な立場」で、話し合う必要があります。
そういう胆力を持って、小沢さんは話し合いに臨んで欲しい。
どうも統治能力、直感力において疑問が大きい安倍さんよりも
本当の日米外交は、こっちの話し合いの方が重要性があると思えます。


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学生の匠07_優秀賞1

2007年08月03日 04時58分30秒 | リプラン&事業


一昨日からリプラン本社屋2階で、今回の応募作品をすべて公開しています。
応募した学生のみなさんや、教職員のみなさん、
また、父兄の方、さらには一般のみなさんと、
あまり告知はしていないのですが、けっこう見えられています。
仕事をしながら公開しているので、
土日祝祭日、13~15のお盆などは公開できないのですが、
9月28日(金)まで、毎日10時から18時まで公開していますので、
お近くにお寄りの時はご覧ください。
札幌市西区山の手3条5丁目3番5号  電話011-641-7855です。

学生の匠・優秀賞は2点受賞作がありました。
そのうちの1点がこの作品。道都大学の松本翼くんを代表とするチームの作品。
マンションのリフォームなので、間取りの変更なども難しいことから、
いろいろな素材の活用が提案されていた例が多いようです。
この作品では、水回りゾーンをガラスブロックで仕切るプランです。
こういう素材を使うことで、玄関から入ってすぐの空間に広がり感をあたえ、
採光条件もよくなってきますね。
このプランでは、お風呂も光を透過するような壁にしています。
単身生活と言うことで、より「個人的な空間」というイメージを強調させています。
ほぼオープンにすることで広がり感を演出している、
リビングとキッチンダイニングの仕分けは、軽度の段差で表現。
床の素材も変化させることで、
役割の違いを認識させてくれます。
寝室では、大型の収納家具を提案。可動式で収納量たっぷり。
さらにトイレに大きなスペースを割いています。
プライベート、ということの意味合いを優先させて、
居心地の良さを追求していると思えた作品でした。


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末期症状の開始?

2007年08月02日 06時20分12秒 | 状況・政治への発言

政治ネタはあまり取り上げたくはないのですが、
参議院選挙の直前では、「格差」についてふれた次第です。
選挙の結果は、まさに底流としてのこの問題が堰を切って噴出した感じですね。
切り捨てられてきた地方が、民主主義であるのならきちんと表現しよう、
ということで、一気に民意を鮮明に表したものと思います。
日本の民主主義はなお、健全な部分があります。
誰が見ても明らかな、この事態に対して、
どうも、ただひとりだけ、無感覚な政治家がいるようです。
政治家の出処進退って、その人間の本質をあらわし、
同時にその民族の持つ倫理感覚、正義の感覚をも表現すると思います。
そういうことこそ、「国の美しさ」の基本だと思います。

だいたいの多くの国民が、そのようにひとりの人間の進退を注目しているときに
どうも、「イバラの道ではありますが」と空虚な言葉を並べて
このひとは権力にしがみつこうとしているようです。
きのうは赤城大臣の首を宣告して更迭しました。
「え?」と思わざるを得ません。
誰の感覚からしても、この時点で赤城さんを更迭することの
政治的意味合いがわかりません。
国民の基本的な関心はすでに、安倍さんの出処進退に注目しているときに、
この時点で側近を切り捨てるというのは、
駄々っ子が、友だちに責任転嫁しようとしているとしか思われないでしょう。
さらし者になった赤城さんにとってはこのクビ宣告はあまりに手ひどい。
選挙の前にクビになるのなら、身を捨てて役に立ったことになるでしょうが、
結果が出てから「おまえのせいだ」と、切られるのなら、ただの意趣返しでしかない。
どうも、安倍さんというひとには、権力を扱う基本的センスがない。

従軍慰安婦の問題でアメリカが下院で決議を採択しました。
この問題の対処の仕方でも、かれはたいへんな国益の損失を生み出した。
この問題は、拉致問題についての日本政府の失敗を、
アメリカが指摘してきた、ということが本質だと思います。
外交的にずっと、拉致の問題を言い続けていたら、こういう戦争時点での
さまざまな日本の非人道的行為がすべて噴出しますよ、どうするの?
ということがアメリカが発していた警告だったと思うのです。
この本質を理解せず、逆に火に油を注ぐような発言を犯し、
なお、国会議員の意見広告をアメリカメディアに露出までさせてしまった。
今日の世界情勢、極東アジアの情勢の中で、
もっとも外交センスのない位置に日本が落ち込んでしまっている責任の相当大部分は、
拉致問題という、きわめてデリケートに対処すべき問題で、
ヒステリーを助長させることで「人気を上げた」この政治家にあると思います。

いずれにせよ、明確に示された民意のなかで
それでも権力にしがみつこうとするのは、
いったいどんな政治的信念に基づくことなのか。
まぁ、民主党にとっては、わかりやすい敵失が日々噴出するワケで、こたえられないでしょうね。
このような日本のトップの、「美しくない出処進退」の結果、
失われていかざるを得ない日本の国際的立場と引き替えにしてまで、
かれはいったいなにを成したいのか、成せると思っているのか?
国民は鋭く見つめ続けていると思います。
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