つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

Strange 津幡町⑤。

2013年01月20日 12時22分12秒 | 不可思議な光景
驚くほどではないが奇妙。
一風変わった微妙な珍妙。
散歩中に出逢った不可思議な光景を記す不定期連載…
第五回は「消えた文字」。

撮影場所は、津幡町・庄。
往来へ向けてお店の営業日時を報せる看板である。
『営業時間 午後1時より』
どうやら、アイドルタイムから扉を開け、喫茶営業をするらしい。
終了時間は明示されていないが、開店時間から推測するに、
夜はスナック業態へ移行するのだろうから、敢えて書かいていないのだろう。
…問題はその下だ。

『火曜日~土曜日(定休日は月曜日)』
ご存じのとおり1週間に「曜日」は7つある。
火曜日から土曜日までは計「5つ」。
定休に充てる月曜日を加え「6つ」。
一つ足りない。
日曜日がぽっかりと抜け落ちている。
単なる書き忘れか? あるいは何かが邪魔をしたのか?
謎である。
…そして、もう1つ。

   

撮影場所は、津幡町・津幡。
とある古い納屋の板壁に掛けられた看板である。

『バースデーケーキ・高級洋菓子・喫茶
 ●御進物・お見舞いに長崎カステーラを』
取扱品目とアピール内容は分かるのに、肝心の店名が抜け落ちている。
看板としては意味をなしていない。
文字が薄くなったり消えたりしたのは経年劣化だと思うが、
何故、店名だけが消去されたのだろう?
謎である。
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津幡町より追悼、昭和の映画人逝く。

2013年01月19日 07時18分58秒 | これは昭和と言えるだろう。
「今日の一枚」は、津幡小学校・新校舎前で舞い散る八重桜の花びら。
サクラチル。
先日「大島渚」氏の訃報の訃報に接し、僕の心に桜吹雪の映像が浮かんだ。

故人がメガホンを取った「戦場のメリークリスマス」は、私的ランキングで5本の指に入る。

僕がこの映画について初めて知ったのは、
トランジスタラジオのスピーカーから流れる「オールナイトニッポン」だった。
パーソナリティは、漫才ブームから「オレたちひょうきん族」で
大ブレイクしたお茶の間の人気者「ビートたけし」。
お笑いの中心人物である彼が役者として起用され、
映画ロケに参加した体験談を語ったのである。

大島カントクが現場で怒った様子。
撮影中の食事やスタッフとのやり取り。
やはり別の畠からキャスティングされた「YMO」の坂本龍一と、
“ロックスター”デヴィッド・ボウイの素顔。
…等々、嘘と真を織り交ぜ面白可笑しく披露し、
僕は興味を掻き立てられた。
しかもタイトルは「戦場のメリークリスマス」である。
「戦場」と「クリスマス」およそ結び付きにくい言葉の序列に、
得体の知れぬ興味を覚えたのである。

果たして、スクリーンに映されたのは…。
熱帯のジャングル、戦時下、俘虜収容所。
日常とはかけ離れた、まさに「映画的」な舞台設定は、秀逸だった。
そこで繰り広げられる男達の友情と愛と憎悪と狂気。
デヴィッド・ボウイが、牢獄での待遇に抗議した“エア髭剃り”や、
断食に抗議して花を食べるシーンも良かった。
「教授」は滑舌悪かったけど、あの素晴らしい音楽には脱帽した。
そして、忘れられないラストシーン。
全てを司った「大島監督」の力量とセンスに痺れた。

1983年公開からちょうど30年。
映画人は黄泉の国へと旅立っていった。
『虎は死んで皮を残し、人は死んで名を残す』というが、
故人は『名作』を遺した。

合掌。
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(今のところ)積雪少ない津幡町。

2013年01月16日 20時52分08秒 | 日記
「今日の一枚」は「Benry(ベンリー)津幡店」横に立つ幟。
右端に「雪かき」の文字が風に揺れているが、今シーズンの需要はまだ少ないだろう。
石川県内、今シーズンは加賀山間部を除いて、それ程の積雪を記録していないからだ。
対して、先週末から関東・甲信越では「大雪」。
“滑らない歩き方指南”“横断歩道の塗装面は凍りやすい”などの諸注意を繰り返し報道。
またヘリを飛ばして、雪の薄化粧を施した町並みを見下ろし、
『まるで、北欧のストックホルムのようだ』などとレポート。
…10㎝程度の量とはいえ、雪に対する備えも心構えもない地域にとっては
文字通りの「大事」なのだなと実感する。

さて、雪と言えば、こんな言葉をご存じだろうか?

『雪は天から送られた手紙である』

石川県・加賀市出身の科学者で、雪研究の第一人者「中谷宇吉郎 博士」の名言だ。

空は高いほど気温が低く、ある程度の高度では氷点下。
大気を浮遊する物質の周りに水蒸気が付着して凍ったり、
凍った水蒸気が付着して雪ができる。
さらに落下しながら、周囲の水蒸気や凍った水蒸気を纏い、
結晶は大きく個性的な形に成長してゆく。

上空から落下しながら成長する雪は、上空の気温や水蒸気の供給量を表す。
つまり、地上にいながらにして空の気象状態を推測することが出来るから、
まさに『天から送られた手紙』という訳なのである。
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津幡町・井上地区の遺構。

2013年01月15日 07時11分25秒 | 日記
きのうの夕方、晴れ間を突いて散歩に出かけた。
行き先は、津幡町の井上地区。
平成に入って造成された「ニュータウン井上の荘」には
整然とした町並みが広がっているが、
旧市街は街路が狭く、立派な卯建や鬼瓦を備えた農家が迫り歴史を感じる。
その中をプラプラと歩いていると、高札を発見。

撮影場所は「医師(くすし)神社」の鳥居横。
社については、2010年8月10日の投稿、
または津幡町観光ガイドHPを参照してもらいたい。
今日の眼目は、鳥居横の足元に転がる「バンブチ石」だ。
高札の内容を紹介しよう。

『バンブチ石(力石)
 バンブチ石は力くらべに用いた石である。
 バンブチは全国各地の集落で盛んに行われていた娯楽の一つであるが、
 戦前までは五斗俵(七五kg)を担ぐと一人前の男性に認められ、
 大人の仲間入りができたという。
 川尻区あるバンブチ石はイバラ石やコロコロ石、カメ石などと呼ばれ、
 重さは九三kg~一五八kgをはかる。
 かつて若衆が力くらべや鍛錬に用いたもので、
 郷土の娯楽文化を物語る歴史資料である。
                              平成二十四年 井上地区』
(※看板原文ママ)

バンブチは「盤持ち」あるいは「番持ち」の字を充てるらしい。
記述にあるとおり、農作業における鍛練と、集団内の通過儀礼を兼ねていたようだ。
往時には、祭事の折などに近隣の若衆達が境内に集まり、
男衆からは厳しい視線を、女衆からは艶っぽい視線を浴びつつ、
石を持ち上げていたのだろうか?…などと想像を膨らませること暫し。

やがて歩を進めるうち、別の高札に行き当たる。
津幡町立井上小学校、井上保育園など公共施設の近く「真田蓮成居士碑」である。

     

こちらも高札の内容を紹介しよう。

『蓮成翁は天保十年(一八三九)、川尻村に生まれる。
 十歳頃より津幡村清水の神職加藤氏に書を習い、
 洞庭善教氏より書経を学ぶ。十五歳ごろより子供たちに書を教え、
 自らも金沢へ出かけて前田家の書家橘氏につき書の修練に励んだ。
 平生から慈悲心が篤く、その善行は村氏から大いに敬慕された。
 なお傍らに建つ追憶碑は生前蓮成翁と親しかった文士たちが翁を偲び、
 詠んだ歌である。
                             平成二十四年 井上地区』
(※看板原文ママ)

翁の存命中は、寺子屋・指南所の類でもあったのだろうか?
行間から人徳の高さがうかがえる。
残念ながら追悼歌は掲載されていない。
また、石碑に目を向けても迫る夕闇のため判読できなかった。
またの機会に探ってみようと思う。
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津幡町で、畏怖と旅情を誘う。

2013年01月14日 19時29分53秒 | 日記
「今日の一枚」は「熊出没注意ステッカー」。
自動車にステッカーを貼る行為が、今よりも盛んだった十年ほど前までは、
本州でもよく見かけたが、最近は目にする機会が減ったように思う。
先日、散歩中に久しぶりに見かけ、つい嬉しくなった。

…というのも、僕が何度か北海道に足を運んだ1980年代当時。
土産物屋の店頭には同じデザインの金属プレートやTシャツ、灰皿、マグカップ、
帽子、ハンカチ、タオル等々、複数のアイテムが並んでいたものだ。
膨張色であるイエローのベースに、墨一色で描かれた咆哮する羆(ひぐま)は、
僕にとって、懐かしさと共に旅情を掻き立てるビジュアルなのである。
一方、少年時代には、その存在感に怖れ慄いた記憶もある。

あれは確か、子供向けの「読み物」だったと思う。
羆について紹介する件で、こんな内容が掲載されていた。

『ヒグマは、日本最大の陸上哺乳類である。
 現在は、北海道にのみ生息地し、人里離れた山深い森の中に限られているが、
 古来は、北海道の全域に生息していた。
 本州から沢山の人々が入植し開拓を進めていた明治期は、
 食料の少なくなる冬など、度々人里へ近づき、
 稀に人が襲われる事もあったのだ!』

…などと、読者をセンセーショナルに煽り、
そこに添えられたイラストが、また怖ろしかった。
鋭い爪で人家の壁を壊して侵入し、牙をむく羆。
松明と村田銃を手にし、必死の形相で対峙する人間。
圧倒的な野生との戦いが描かれていた。

     

羆って怖ぇぇぇ~!\(゜ロ\)(/ロ゜)/
肝を冷やした。

…さて「熊出没注意シリーズ」だが、
ネットで調べてみると、ラーメンやキャラメルにも手を広げているらしい。
相変わらず人気が高いようで安心した。
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