東京オリンピック。是か否かは置いておいて。
フランス国営放送の東京五輪CM、素晴らしいクオリティですね~
北斎の木版画の世界が動くアニメになった!ユーモラスな表現で楽しい。音楽の緩急もいい。
木版の刷りの「かすれ」や、和紙の「古びてる感」、輪郭線の「彫り」のシャープさ、そして何より世界観の大きさまで感じさせる。製作された方の日本版画芸術への理解度の高さがまず嬉しい。
北斎版画って、シンプルな線と限られた色数しかないのに、世界の大きさを感じさせるんですよね。
寺の屋根でスケボー、鳥居の上を飛び越えるって不謹慎じゃない?
という意見もありますが、私は嫌な気持ちにならない。力士の顔も相変わらず「東洋人描写にありがちなキツネ目」ですが、それさえも大目に見ちゃう。
このあいだ、有名ファッションブランドが着物の「帯」を地面に敷いて、その上をモデルが歩く、という広告を出し、日本では大きく批判されていましたが、あれは私も嫌~な気持ちになりました。
帯って着物に欠かせない大事なもので、踏んで歩くって考えられないよ。
「踏む」ってのがいけないんでしょうね。「足蹴にする」とか「踏み絵」とか。ネガティブな連想になっちゃう。
きっとあの広告を作った人は、日本文化の表面のキレイなところだけ掬い取って、深い意味まで考えてなかったと思います。「精神性」というものですね。
今回の動画はちゃんと、異文化へのリスペクトが感じられるので、作ってくれて嬉しいです。もっともフランスは次の五輪開催地なので、「東京がんばれ」なのかも。
さて「北斎でサーフィン」、私も昨年版画で作ってました
昨年の「オリンピック展」に出品する予定でしたが、結局展覧会不参加にしたので披露することもなくお蔵入り。
「オリンピックのABC」というシリーズで、アルファベットでいろんな競技を表現していく計画でしたが、途中で五輪の雲行きが怪しくなり、延期が決まって、もうモチベーションが無くなり途中で挫折。
Aから始まって「E」でやめてしまいました。この「Big wave」は一番出来が良かった(?)
波の紋様が超難しくて、北斎ってやっぱりすごい造形力だな、と思わざるを得ません★