赤い靴で 街あるき

横浜の波止場から~♪函館に。
街の散策やキッチンの片隅から。見たり聞いたりの「ひとかけら」を綴ります。

拝啓 天国の婆や殿

2009-11-10 | 日々のひとかけら

   

拝啓 天国の婆や殿。

久しぶりの婆やへのお便り。
すっかりご無沙汰してしまい、ごめんなさい。
今夜の横浜は雨。静かな雨音が聞こえます。
中谷宇吉郎氏の『雪は天からの手紙』であれば、秋の雨は、
木々の葉を色づかせる、『天からの絵の具』でしょうか?

そして、秋を深める雨は、心を落ち着かせる鎮静剤でもあり
けっして嫌いではありませんが・・・
今週の土曜日は降らないで
そう願っています。

あっ、婆やはお分かりですね。そうなんです。
毎年、11月の第2土曜に開催される高校の同期会。
1年が過ぎるのは早いものです。
もう、そんな時期になりました。
クラスを超えての、首都圏在住の同期の集いですが
今年は25人ほど集まるようです。

婆や、覚えていますか?
婆やが選んでくれた、黄八丈の着物
カジュアルな集まりなので、羽織との
あのアンサンブルにする予定です。
しゃきっとした絹の感触が、秋の一夜にふさわしいかも。

ずーっと箪笥の中なので、虫干しも兼ねて(笑)
良いアイデアでしょう?
でも、当日が雨だと足元がちょっと心配になります。

そうそう・・・婆やも知っている同じクラスの○○さん。
彼女に「着物で行こうと思っています」とメールをしたら
なんと!!偶然!
「私も着物にしようと思っていたんですよ」というお返事が。
同じことを思っていたとは・・さすが同じ屋根の下で
同じ時間を過ごした同級生!

彼女にも、他の皆さまにも会えるのが
とても楽しみです。

ただ、婆やもそうでしたが、昔話にどっぷりと浸るのは苦手。
あの頃に戻りたい・・・という振り返りモードもご遠慮したい。
「見返り美人」は日本画だけ。
振り返る女は美しくありませんものね。

「いつも今が一番良いと思っている」・・・婆やの口癖でしたが
私も、そんな年のとり方をしていきたいのです。

でも、さらりと振り返るのは好き。
そして、何気ない会話の端々に、言葉には出さないけれど
「お互い、今を明日を頑張ろうね」と・・・暗黙の笑顔が。
そんな集まりが好き。
さらに、楽しい時間を過ごした後「また来年会おうね」と、
別れるときも、好きなのです。

だから、婆やも、お天気担当の神様に
土曜日を雨にしないように
お願いしてくださいね。

写真は、晴天の日に撮ったものです。
秋は『枯れる季節』ではなく、
命が静かに『萌える季節』
木の影が、そんな命のシルエットのよう・・
ぜひ、婆やに見てもらいたくて、同封します。

あらっ、神様が絵の具の色を濃くしたのでしょうか。
外の雨音が強くなったようです。

では、婆や。またお便りいたします。
ごきげんよう