世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

street tree

2024年09月20日 23時16分09秒 | Weblog
心療内科デー。待ち時間3時間。
金曜恒例の駅そば。

まだまだ暑いので冷たいそばにした。

今日は小説と文春を持参。



父・クマパパおすすめの「華岡青洲の妻」(有吉佐和子)、読了。
江戸時代の医師・華岡青洲。薬物を使って、世界初の全身麻酔下での外科手術に成功。
成功の裏には実験台になった医師の妻と母親のマウントを競うようなやり取りがあったこと、その様子が真剣なシーンなのにコントみたくてつい笑っちゃいそうになったこと。とても面白かった。
(青洲の妻・加恵は実験で失明)
男の成功が、女たちの「我こそは実験台にふさわしい」という熾烈な自己犠牲マウントプレゼンの末にあったことが読んでいて物悲しかった。
このような医学の進歩で私は去年、順天堂で手術を受けたのだなぁと思うと胸熱。

絹のような滑らかな文章で読みやすかった。


文春は時間切れで読めず。

23時、名前を呼ばれた。
前回の診察で「嫌な人、嫌なことは街路樹だと思って、街路樹には1シナプス、1ニューロン、そして1カロリーも使わない。時間の無駄だから」とクマ医師と約束した。この1週間もそうできていたと思う。
「街路樹が絡まってきたらどうします?」と私。
少し考えるクマ医師。
「無視するしかないでしょう。だって時間の無駄ですし。どうでもいい人なんてどうでもよくないですか?」
とシンプルな答え。

私の住む街の街路樹はかりんの実が成る。
普段、ぜんぜん気にしないそのかりんの木だけれども、実が成って道端に落ちているときがあり、その時ばかりは「すげぇ実!踏み潰したい」と思う(1シナプス1ニューロン1カロリー消費)。
しかし次の瞬間、駅へと歩みを進める私。

クマ医師と一緒に見立てる街路樹もそんなふうに思えたら良い。
どうでもいい他人なんてそんなもん。所詮、街路樹なんだよ。

たぶん私はそんなに長生きできない。病理結果を見て確信した。
なので残りの人生を考えたら街路樹に時間を使うなんて勿体無いに決まってる。1分あるならば好きな作家の文章の1行を読むことに費やしたい。


そういえば今日、上司に「全力で君を守るからね。君が安心して仕事ができるようにするのが僕の役割だから」と言われた。
そのこともクマ医師に報告した。
「良い部署に来て本当に良かったですね」とクマ医師。
「恩を仕事で返すべく、頑張ります」と言ったところで今日の診察はおしまい。

帰宅後、父に有吉佐和子の感想をLINEで送る。父にLINEるすときは200シナプスぐらい頭を使う。
明日、帰省で会うのに!!



また有吉佐和子を読みたいのだが来週は林真理子先生の講演会&ホテルビュッフェがあるからなぁ。真理子先生の本を読み返そう!!

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