心療内科デー。本来ならば隔週火曜日に通院しているのだが、明日は入社式で帰れそうもないので今日にしてもらった。
待合室に5人しかいない
キタコレ。今日は早く帰れるかも!と興奮。
小説を読みながら、待てども、一向に私の名前は呼ばれず。2時間で3人ほどしか進んでいない。今日の患者さんは長い人が多いらしい。
4時間後、名前を呼ばれた。
「どうでしたか?最近」
とクマ医師。
今日のクマ医師はベストを着ていなかった。暖かくなったものね。
①残業をしていたら社長にとがめられた
②人事部女子に婚活パーティの欠席を返答したら「人数合わせですからあ」と言われた
③店舗開発室室長に「お前、ニタニタしてて気持ちが悪い」と言われた
相変わらず多忙、でも週末実家で静養した・・・激動の1週間を時系列で表にしたものをクマ医師に渡した(日付、出来事、感じたこと、その他を記載)。
口下手でうまく伝えられないので、この方法が、一番私のバックボーンを伝えられる手段だと思ったのである。クマ医師、疲れているっぽいし。前回もそうした。ちょっとしたプレゼン資料である。資料作りは大好き。エクセルもワードも。
①に関しては
「社長、なんだかがっかりですね」
と言われた。
「こんな資料を作るぐらいですもの。あなた、仕事もしっかりしているはずですよ。明確な指示もなく、手探り状態で一生懸命仕事をやっているのに怒られるって、あなたの会社はいったいどんな会社なんですか?優先順位っていいますけれどもどれも大切じゃないですか」
とも。
まじまじと資料を見ながら、
「あー、この『制服なんてなくても死にません』という社長の言葉って、ひどいですね」
と熱く語るクマ医師。
私もこの一言は酷いと思う。そんなんでは、数百名いる店舗スタッフが困るではないか。
死なないっていったら、どの仕事でもやらなくても死なないじゃんか。改めて考えると本当に酷い。
「次、残業してて怒られたら『ご心配おかけしてすいません。今、これとこれとこれをやっていて遅くなっています』と言えば彼は満足なんじゃないですか?『気に掛けてくれてありがとう』という姿勢で言ったら、きっと角が立たないと思います」
とクマ医師はアドバイスをくれた。
「わ~。その文言、いいですね。使わせていただきます。秘書検定一級試験のテキストでも載っていませんでしたよ、それ。黄金の言葉ですね」
と言ったら、クマ医師、爆笑していた。カワユス。
第三者に客観的意見を聞けて満足。
心療内科は実はコンサルなのかもしれぬ。
②に関しては、もう彼女とは極力関わらないほうがよいとのこと。
「ちょっとおかしい人なのですねー」
とクマ医師。
人事部Tさん、おかしい人確定。マジウケルー。
③はモラハラ。
「あなたの会社、モラハラ多いですよね」
と指摘された。
たしかに。ちょっとした社内伝統みたいなもの。私もそうならないように気をつけよう。
すっと立ち上がるクマ医師。
机からこちら方向にやってきて躯体を屈ませ、そして両手で私の手を握る。
思考回路停止。
「大丈夫ですから」
「あなた、頑張っていますもの」
と言い、私を見ながら私の手を両手で優しく包み込むクマ医師。
挙動不審気味で
「いつもすいません」
と変な返答をしてしまう私。
この姿勢で手を繋いだ経験がないのでどうしてもどきどきしてしまう。目とか泳いでいたかも知れぬ。恥ずかしい。
「もしその気ならばあなたでしたらどこの会社でもいけますよ」
とか言う。
転職云々は現実味がまだ希薄だが、なんだろう、さっきから続く、この心地よい感触は。
クマ医師のやわらかくあたたかい手のひらに包まれる安心感・・・筆舌しがたい。身も心もほどけていく。
「かぐや姫の物語」のサントラ「天人の音楽Ⅰ」が聞こえたような気がした。
まさに昇天。月の世界に昇ってしまうぞよ。
誰かに手を握られるってこんなにも気持ちがいいものなのか。
誰でもいいんじゃなくて、信頼している人に限ってだが。
手を離すタイミングが分からなくて、ずっと握っていた。
傍から観たらきっとシュールな光景だったかもしれない。
ずっとこのままでいたいと思った。
「あ、そういえば、明日、入社式なんです。私、講師をやるんです。で、前回いただいたドリンク剤はその直前にいただきますね」
と言ったら、クマ医師は「明日頑張ってくださいね」と微笑んだ。私の膝付近で。
「この握手で2週間分チャージできました。ありがとうございました」
と挨拶し、今日の診察はおしまい。
嗚呼、なんだか胸がいっぱいになってしまった。
まだ、夢の世界にいるかのようだ。ふわふわ。
「医は仁術」っていうけど、クマ医師ほどあの言葉が合う医師はいないのではないだろうか。
特に精神科・心療内科は医者の言動がメスになる。
今日のクマ医師は繊細で大胆で的確な刀さばきであった。お見事。
ありがとう、クマ医師。
また2週間戦って、戻ってくるよ。
処方変更なし
ゾルピデム酒石酸塩、防風通聖散、カームダン
当帰芍薬散
待合室に5人しかいない
キタコレ。今日は早く帰れるかも!と興奮。
小説を読みながら、待てども、一向に私の名前は呼ばれず。2時間で3人ほどしか進んでいない。今日の患者さんは長い人が多いらしい。
4時間後、名前を呼ばれた。
「どうでしたか?最近」
とクマ医師。
今日のクマ医師はベストを着ていなかった。暖かくなったものね。
①残業をしていたら社長にとがめられた
②人事部女子に婚活パーティの欠席を返答したら「人数合わせですからあ」と言われた
③店舗開発室室長に「お前、ニタニタしてて気持ちが悪い」と言われた
相変わらず多忙、でも週末実家で静養した・・・激動の1週間を時系列で表にしたものをクマ医師に渡した(日付、出来事、感じたこと、その他を記載)。
口下手でうまく伝えられないので、この方法が、一番私のバックボーンを伝えられる手段だと思ったのである。クマ医師、疲れているっぽいし。前回もそうした。ちょっとしたプレゼン資料である。資料作りは大好き。エクセルもワードも。
①に関しては
「社長、なんだかがっかりですね」
と言われた。
「こんな資料を作るぐらいですもの。あなた、仕事もしっかりしているはずですよ。明確な指示もなく、手探り状態で一生懸命仕事をやっているのに怒られるって、あなたの会社はいったいどんな会社なんですか?優先順位っていいますけれどもどれも大切じゃないですか」
とも。
まじまじと資料を見ながら、
「あー、この『制服なんてなくても死にません』という社長の言葉って、ひどいですね」
と熱く語るクマ医師。
私もこの一言は酷いと思う。そんなんでは、数百名いる店舗スタッフが困るではないか。
死なないっていったら、どの仕事でもやらなくても死なないじゃんか。改めて考えると本当に酷い。
「次、残業してて怒られたら『ご心配おかけしてすいません。今、これとこれとこれをやっていて遅くなっています』と言えば彼は満足なんじゃないですか?『気に掛けてくれてありがとう』という姿勢で言ったら、きっと角が立たないと思います」
とクマ医師はアドバイスをくれた。
「わ~。その文言、いいですね。使わせていただきます。秘書検定一級試験のテキストでも載っていませんでしたよ、それ。黄金の言葉ですね」
と言ったら、クマ医師、爆笑していた。カワユス。
第三者に客観的意見を聞けて満足。
心療内科は実はコンサルなのかもしれぬ。
②に関しては、もう彼女とは極力関わらないほうがよいとのこと。
「ちょっとおかしい人なのですねー」
とクマ医師。
人事部Tさん、おかしい人確定。マジウケルー。
③はモラハラ。
「あなたの会社、モラハラ多いですよね」
と指摘された。
たしかに。ちょっとした社内伝統みたいなもの。私もそうならないように気をつけよう。
すっと立ち上がるクマ医師。
机からこちら方向にやってきて躯体を屈ませ、そして両手で私の手を握る。
思考回路停止。
「大丈夫ですから」
「あなた、頑張っていますもの」
と言い、私を見ながら私の手を両手で優しく包み込むクマ医師。
挙動不審気味で
「いつもすいません」
と変な返答をしてしまう私。
この姿勢で手を繋いだ経験がないのでどうしてもどきどきしてしまう。目とか泳いでいたかも知れぬ。恥ずかしい。
「もしその気ならばあなたでしたらどこの会社でもいけますよ」
とか言う。
転職云々は現実味がまだ希薄だが、なんだろう、さっきから続く、この心地よい感触は。
クマ医師のやわらかくあたたかい手のひらに包まれる安心感・・・筆舌しがたい。身も心もほどけていく。
「かぐや姫の物語」のサントラ「天人の音楽Ⅰ」が聞こえたような気がした。
まさに昇天。月の世界に昇ってしまうぞよ。
誰かに手を握られるってこんなにも気持ちがいいものなのか。
誰でもいいんじゃなくて、信頼している人に限ってだが。
手を離すタイミングが分からなくて、ずっと握っていた。
傍から観たらきっとシュールな光景だったかもしれない。
ずっとこのままでいたいと思った。
「あ、そういえば、明日、入社式なんです。私、講師をやるんです。で、前回いただいたドリンク剤はその直前にいただきますね」
と言ったら、クマ医師は「明日頑張ってくださいね」と微笑んだ。私の膝付近で。
「この握手で2週間分チャージできました。ありがとうございました」
と挨拶し、今日の診察はおしまい。
嗚呼、なんだか胸がいっぱいになってしまった。
まだ、夢の世界にいるかのようだ。ふわふわ。
「医は仁術」っていうけど、クマ医師ほどあの言葉が合う医師はいないのではないだろうか。
特に精神科・心療内科は医者の言動がメスになる。
今日のクマ医師は繊細で大胆で的確な刀さばきであった。お見事。
ありがとう、クマ医師。
また2週間戦って、戻ってくるよ。
処方変更なし
ゾルピデム酒石酸塩、防風通聖散、カームダン
当帰芍薬散