中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

ミャオ(苗)族-8-

2006-09-02 09:58:07 | 中国のこと
 長角ミャオ族を訪ねた帰りに、四印ミャオ族と同じように、六枝特区の郊外に住む歪櫛(waizhi)ミャオ族を訪ねた。このミャオ族が住む場所もすぐには分からず、尋ねながら行ってやがて一軒の家を見つけた。この家は比較的大きく、ごく普通の作りで特に民族色があるわけではないし、村落の中と言うことでもない。果たして目的のミャオ族が住んでいるのかと思いながら入り口で案内を乞うと、1人の比較的若い女性が出てきた。ガイドの馮彦が何やら話していたが、やがて私に「歪櫛ミャオだそうです」と言った。しばらくすると60歳代と思われる婦人がやって来たので、馮彦はその婦人にも話しかけた。その婦人は若い方の女性の姑ということで、嫁が民族衣装を着て見せるのを承知してくれた。

 嫁が屋内で民族衣装に着替えて出て来ると、姑が嫁の髪を結い直し始めた。この婦人の服装も民族的なものなのかも知れないが、尋ねなかったので分からない。


 髪を梳いてから長角ミャオと同じような黒い毛糸の房を頭の上に大きく巻きつけた。毛糸の房は長角ミャオのものより小さい。巻き終わってから、その上の少し後ろの方に櫛を挿した。この櫛の挿し方が少し曲がっているので、歪櫛ミャオと言うようだ。


 正装。歪櫛は前から見たのでは分からない。



 2人に礼を言って別れた後で、馮彦は「また別な所に違う歪櫛ミャオがいるそうです」と言ったが、どれが本当の歪櫛ミャオなのかは専門家ではない私達には分からない。ミャオ族は専門家によっていくつかに区分されているが、最初は服装など外見の特徴による便宜的な区分だったのが、最近では方言を主体とした言語系統で区分されていると言う。しかし、普通には便宜的な区分の方が通用しているようだ。専門家はどう言うかは知らないが、私達が会ったのは確かに櫛を歪んで挿していたし、正統な歪櫛ミャオとしておくことにした。