貴州省雷山県北部、凱里市との境界近くに朗徳上寨 (Langdeshangzhai)というミャオ族の村があり、国の重要文化財保護指定を受けている。
小高い場所から村を俯瞰すると、斜面に作られた民家の黒い瓦の屋根が美しい。ミャオ族の多くは山間部に居住するためか、山の斜面に作られた村落や民家は多い。
村への入り口。村内の道路は石で舗装されていて清潔な感じがする。
正装した女性。西江型の服装が美しい。
村の広場の石碑には「朗徳上寨古建築群」と記された碑があり、この村の歴史が古いことを示している。そのあたりに尋ねる人がいなかったので、いつの時代からある村なのかは分からなかった。
この広場のそばにある一軒の民家に入り、衣裳を見せてもらった。ガイドの馮彦がその家の女性と交渉してくれて、正装の衣服を見せてもらった。その家ではその衣服を使う女性はもういないようなのでスカートを売ることを承知してくれた。上着も勧められたが少々かさ張るので持ち帰るのに苦労するだろうと思って断ったが、豪華な刺繍を施したもので、今思うと惜しいことをした。
その家の幼女に母親が正装させてくれた。
この村では私が訪れた時に国内の観光団体が来ると言うのでその準備をしていた。上の写真の正装の女性もそのために着替えていたようだ。足元にある籠には刺繍などの手作りのみやげ物が入っていた。村の広場では観光客に民族踊りを見せると言うので一緒に見物しようと思ってしばらく待っていたが、いつまでたっても始まらないので諦めて帰ることにした。村の外の道路に出ると、ちょうど2台の大型バスが到着したところで、ドカン、ドカンと大きな音が轟いた。ミャオ族の村では客を歓迎するのに、地砲と言う地面に置いた小型の大砲のようなものを撃つことがよくあるらしい。
あちこちの有名なミャオ族の村には国内からも観光客がよく訪れるようだ。しかし多くは物珍しさで来るのではないだろうか。馮彦から聞いたことだが、ある村に南京から来た団体を案内し伝統的な踊りを見せたそうだ。見終わって帰るその観光客達は口々に「こんなものは何の価値があるのか」、「時間の無駄だ」などと言ったそうだ。都会人の田舎の人達に対する優越感、漢族の少数民族の文化に対する無理解なのではないかと思った。このような少数民族に対する漢族の蔑視の例は他にも聞いたことがある。漢族の「中華思想」は同じ中国人に対しても向けられるのだろうか。村の広場にいた観光客の若い娘達はミャオ族の衣装を着てはしゃいでいたが、彼女達中国の若い世代が、自国にいる少数民族を物珍しさだけで見るのでなく、古代から続いている貴重な民族文化の継承者として、また中国文化の担い手の一部として理解するようになってほしいと思う。
小高い場所から村を俯瞰すると、斜面に作られた民家の黒い瓦の屋根が美しい。ミャオ族の多くは山間部に居住するためか、山の斜面に作られた村落や民家は多い。
村への入り口。村内の道路は石で舗装されていて清潔な感じがする。
正装した女性。西江型の服装が美しい。
村の広場の石碑には「朗徳上寨古建築群」と記された碑があり、この村の歴史が古いことを示している。そのあたりに尋ねる人がいなかったので、いつの時代からある村なのかは分からなかった。
この広場のそばにある一軒の民家に入り、衣裳を見せてもらった。ガイドの馮彦がその家の女性と交渉してくれて、正装の衣服を見せてもらった。その家ではその衣服を使う女性はもういないようなのでスカートを売ることを承知してくれた。上着も勧められたが少々かさ張るので持ち帰るのに苦労するだろうと思って断ったが、豪華な刺繍を施したもので、今思うと惜しいことをした。
その家の幼女に母親が正装させてくれた。
この村では私が訪れた時に国内の観光団体が来ると言うのでその準備をしていた。上の写真の正装の女性もそのために着替えていたようだ。足元にある籠には刺繍などの手作りのみやげ物が入っていた。村の広場では観光客に民族踊りを見せると言うので一緒に見物しようと思ってしばらく待っていたが、いつまでたっても始まらないので諦めて帰ることにした。村の外の道路に出ると、ちょうど2台の大型バスが到着したところで、ドカン、ドカンと大きな音が轟いた。ミャオ族の村では客を歓迎するのに、地砲と言う地面に置いた小型の大砲のようなものを撃つことがよくあるらしい。
あちこちの有名なミャオ族の村には国内からも観光客がよく訪れるようだ。しかし多くは物珍しさで来るのではないだろうか。馮彦から聞いたことだが、ある村に南京から来た団体を案内し伝統的な踊りを見せたそうだ。見終わって帰るその観光客達は口々に「こんなものは何の価値があるのか」、「時間の無駄だ」などと言ったそうだ。都会人の田舎の人達に対する優越感、漢族の少数民族の文化に対する無理解なのではないかと思った。このような少数民族に対する漢族の蔑視の例は他にも聞いたことがある。漢族の「中華思想」は同じ中国人に対しても向けられるのだろうか。村の広場にいた観光客の若い娘達はミャオ族の衣装を着てはしゃいでいたが、彼女達中国の若い世代が、自国にいる少数民族を物珍しさだけで見るのでなく、古代から続いている貴重な民族文化の継承者として、また中国文化の担い手の一部として理解するようになってほしいと思う。