最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

連帯保証人の主債務者への債権の時効について

2015-12-14 08:52:38 | 日記
平成25年(受)第2001号 求償金等請求事件
平成27年11月19日 第一小法廷判決

ある人がAさんを連帯保証人にして、B銀行から借金をしました。この人は払えず、Aさんが代わりに払うことになりました。
しかし、納得いかないAさんはこの借金をした人に借金の肩代わり分を払えと請求したところ、もう時効が成立しているから払わないと訴えた事件です。


ここでの争点は、時効は成立しているか否かです。訴えた側は、民法457条1項の類推適用により,共同保証人間の求償権についても消滅時効の中断の効力が生ずると解すべきと主張しました。民法457条には、「主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の中断は、保証人に対しても、その効力を生ずる」とあります。これだけを読むと訴えはだとのように思えます。
これについて、裁判官は

民法465条に規定する共同保証人間の求償権は,主たる債務者の資力が不十分な場合に,弁済をした保証人のみが損失を負担しなければならないとすると共同保証人間の公平に反することから,共同保証人間の負担を最終的に調整するためのものであり,保証人が主たる債務者に対して取得した求償権を担保するためのものではないと解される。


第四百六十五条  第四百四十二条から第四百四十四条までの規定は、数人の保証人がある場合において、そのうちの一人の保証人が、主たる債務が不可分であるため又は各保証人が全額を弁済すべき旨の特約があるため、その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。

とあることから、裁判官全員一致で

保証人が主たる債務者に対して取得した求償権の消滅時効の中断事由がある場合であっても,共同保証人間の求償権について消滅時効の中断の効力は生じないものと解するのが相当である。

これは当然でしょう。
仮にこういう規定がなくても、保証人になってくれた人に迷惑をかけているわけですから、喩え時効があったとしても金は返すのが人として当然なのではないかという気がします。

今回の裁判官
第一小法廷判決
裁判長裁判官 山浦善樹
裁判官 櫻井龍子
裁判官 池上政幸
裁判官 大谷直人
裁判官 小池 裕