Oさんは旅に訪れた嵯峨野で出会った光景を描かれました。
「嵯峨野 祗王寺」 日本画 P12
木々が葉を落とし冬支度を始めた晩秋。冷涼な大気は湿り気を帯び
点々と見える艶やかな苔と落葉を濡らしてさらに鮮やかに見せています。
錦の絨毯をつくりだしたモミジの木々はその緻密で幅広い明暗表現により
澄んだ秋の光の美しさを表し、画面に奥行きと広がりをもたらしています。
近づいてみました。
時間をかけて取り組み続けた光の流れの表現がじつに優美で
しっかりしたデッサンから生み出される迷いのない線とひたすら
重ねた岩絵の具の奥深い味わいとともに作品の大きな魅力と
なっています。静寂の中の煌きを前にした感動が伝わってきます。
力強さのなかに瑞々しさがあふれるOさんの作品。次作も楽しみですね。
過去の作品はHP「上郷の森 日本画教室」内の“作品集”の中の
Oさんのページに制作順に掲載されています。
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