Iさんは早春の情景を描かれました。
「富士山麓の朝」 日本画 P8
冷たく澄んだ大気をとおして朝の光が富士をやわらかな紅色に染めて
います。微妙な変化をもたせた美しい陰影により端整な山の姿と岩肌が
表されています。山裾にたなびく朝もやが荘厳な雰囲気をかもしだし
心静かに向き合いたくなるような気高さとあたたかさが感じられます。
近づいてみました。
盛り上がるほどに岩絵の具が塗り重ねられた山は絵の具を洗って
削り、再び描き込まれたことで深みが増しました。大胆な刷毛さばきで
描かれた空、粗い粒子で端的に表現された大地、Iさんの富士への
想いがあいまってエネルギーに満ちた力強い作品となりました。
絵の具の層が一段と厚くなり味わい深さと迫力がさらに加わりました。
過去の作品は制作順にHP「上郷の森 日本画教室」内の“作品集”の
中のIさんのページにされています。ぜひこちらもご覧下さい。