一病息災・・・「ずっと健康でいる人よりも、かえって何か一つくらい軽い病気に罹っているいる人の方がより健康に気を使うことで、長生きするものだということ」を意味する。
自分の元気のもとは、まさにこれだと思っている。その病気とはこのブログの題名にもなっている癌ではない。これは、2回も手術をしていて、臍より右の大腸は失ってはいるが、後遺症もなく、薬の世話にならず、「罹っている」病気ではなく、すでに「治った」病気である。
自分の健康に一番役に立っている一病というのは、まだ薬等の世話にはなっていないが、糖尿病である・・・自覚症状があるわけではないが、数値的には立派な糖尿病患者で、糖尿病手帳も持っている。このことを話すと、知らない人はみなさんびっくりされる。40代後半の人間ドックで見つかった。今後は食事療法と運動療法に努めるように言われた。
亡妻が病院で摂取カロリーに即した食事の献立やカロリー計算の方法などの指導を受けて来た。その内容を見た時に、食べることが大好きな自分にとっては、人生、この先、夢も希望もなくなってしまうほど悲しかった。そこで、我慢することや耐えることが苦手な自分は不純なことを考えた。それは、「オーバーに摂取したカロリーを消費すればよいのだろう」「基礎代謝量を上げて燃費の悪い体にすればよいのだろう」ということだった。
そこで、まず始めたのが、ジョギングだった。しかし、単調でただ辛いだけだった。次に、何か楽しみながら、自分一人で、自分のペースでできることはないだろうかと考えた。それが、その後すっかりハマってしまった「一人歩きの登山」だった。
ただでさえカロリー消費の多い登山ではあるが、より大きな負荷を掛けるために速く歩くことを心がけた。これも一人歩きゆえにできることである。これが、「坂口さんの山の記録はとても参考になるが、タイムは速すぎて参考にならない」と言われ続けて来た所以である。最近は、人並みになってきてはいるが・・・。
唯一10代から続けていて、指導員歴50年になり、今もシニアクラブで現役で指導を続けているスキーは、上から下へ滑り降りるだけで、それほどカロリーは消費しない。冬はどうしても運動不足になりがちなので、50代からクロスカントリースキー(スキーマラソン)と雪山登山や山スキー登山も始めた。
退職後に時間の制約がなくなってからは、登山の延長で、四国遍路や古道や旧街道の歩き旅も始めた。毎日30~40km以上も歩き続ける歩き旅は、いくら食べても体重が減っていく・・・。
現在の趣味は、結果的にすべて糖尿病対策になっている。それらの記録は、すべて、このブログの親サイト「一人歩きの北海道山紀行」にびっしり詰まっている。
そして、30年・・・食事には特に気を付けていない。甘いものも含めて好きなものを好きなだけ食べている。ここ数年は、朝起きて計測した体重が61kgを超えたら、その一日は炭水化物を減らすようにしているだけである。結果、この糖尿病のお陰で、人並み以上の体力に恵まれ、体調を崩すこともなく、元気で過ごしている。
この病気の恐ろしいのは、合併症である。すぐ下の弟はこれが原因の心筋梗塞で61歳で亡くなっている。その下の弟妹もやはり軽いながらも同じ糖尿病を抱えている。遺伝的なものなのだろう。お互いに気を付けようと話している。
退職後は、年に2~3回は高橋清仁クリニックで定期検診を受けている。今年は新型コロナのせいで、今日、ようやく、昨年の10月以来11ヶ月ぶりに行ってきた。血圧も空腹時血糖値も正常値の範囲だった。過去1~2ヶ月前の血糖値を反映するHbA1Cは、加齢とともに少しづつ上がってきてはいるが、ここ数年は横ばい状態で、まだ薬は必要なしの段階である。いつも院長や看護師から褒められている。