羅臼平から見上げる羅臼岳山頂部
知床連山の最高峰・羅臼岳も日本百名山に選ばれている。この山に初めて登ったのは、かれこれ50年前である。職場の5人で、登山口の木下小屋から2泊3日で縦走して、ルサ川へ下りている。
次に登ったのが1996年、このときは日高山脈のカムイエクウチカウシ山に日帰りで登って、3時間しか寝ないで車で移動して、翌日に登っている。今なら考えられない暴挙である。
その後、2014年には長い羅臼コースを10時間掛けて往復している。今回は、24年ぶりの岩尾別コースから4回目の登頂である。
車中泊の車で満杯状態の知床の道の駅で朝を迎え、暗い内に登山口を目指した。この山は登山口の駐車場が狭く、遅くなると、道路のずっと下から歩かなければならないからだ。
着いたら、すでに路肩に20台以上が並んでいた。昨日の斜里岳同様、日本百名山は、道内の車より本州ナンバーやレンタカーの方が多い。下山後には70台以上が並んでいた。
山も大賑わいで、ざっと150人は登っていたような気がする。昨日斜里岳山頂で一緒だった本州のお二人とも会うことができた。
〈登り〉5:05登山口~6:20弥三吉水~7:30大沢入口~8:05羅臼平~8:55山頂(3時間50分)山頂休憩20分〈下山〉9:15山頂~12:30登山口(3時間15分)トータル7時間25分
登山口へ向かう途中から夜明け前の羅臼岳を眺める。
5:05、登山口の木下小屋をスタート。この時点で20人ほどがすでにスタートしていた。
スタート直後は、急な斜面を大きなジグを切って登って行く。やがて、斜度が緩み、淡々とした道が続く。
斜面をトラバースする道では、このようなダケカンバが並んでいた。
1時間15分で弥三吉水に到着。50年前は、午後のスタートだったので、ここに1泊目のテントを張っている。
さらに1時間ほどすると、目指す羅臼岳の山頂部が見える。
左側には三ッ峰の北西斜面が見える。
2時間半ほどで、ようやく林の中から抜けて、色付いた大沢入口へ出る。ここから羅臼平まではこの沢地形の中を登って行く。
上の方は岩場が続く。
夏場は花畑なのであろう。陽光を浴びて光るチングルマなどの草紅葉が美しい。
大沢を登りきると、ハイマツ帯の羅臼平に出る。やがて、方向を90度変えて、羅臼岳山頂部へ向かう。
少し登って振り返り、羅臼平を挟んだ双耳峰の三ッ峰を眺める。
ハイマツ帯を抜けると、険しい岩場の登りが続く。
ウラジロナナカマドの紅葉の上に山頂岩峰を見上げる。ここから先の岩場の歩きが核心部である。ペンキの矢印を探しながら、慎重に岩を伝いながら登って行く。
3時間50分で4回目の岩峰の上に立つ。6年前の羅臼コースからの時は、雲海の上に抜けて、見渡す限り雲海だけだった。頂上写真も雲上人だったので、今日の展望は24年ぶりである。
バックは、50年前に縦走した三ッ峰から硫黄岳までの連なり。
後続者たちが最後の岩場と闘っている。
昨日登った斜里岳方向の連なりを眺める。左下の湖は羅臼湖。
近くて遠い国後島。戦前までは日本人が住んでいたのに、今はこんな近くにロシア人が住んでいると思うと不思議な気がする。
狭い頂上なので、次から次と登ってくる登山者で頂上渋滞が起きない内に下山開始。
下山を始めると、案の定、次々と登ってくる登山者の姿が見える。
登りでは、陽光が届かず暗かった大沢の上からオホーツク海を見下ろす。
下山後、昨日と同じウトロ温泉の夕陽台の湯に入り、のんびりブログを打つ。泊まりも昨日に引き続き知床道の駅シリエトクに連泊するつもりだ。
明日の天候は大きく崩れそうにもなさそうだが、山は休みにして、紅葉狙いの大雪山系への移動日にするつもりだ。
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