ジュゴン掲示板

ジュゴン保護キャンペーンセンター(SDCC)は日本では沖縄にのみ生息しているジュゴンを守るために活動をしています。

浅野さんのお話 「ジュゴンってどんな生きもの?」

2013年05月31日 | ジュゴン大好き
第1回ジュゴン連続講座「ジュゴンってどんな生きもの?」
浅野四郎さんのお話をまとめました(文責SDCC)。


まず、海獣類(海棲の哺乳類)について
陸上生活をしていた哺乳類の中で、海に生活の場を戻したものが海獣類です。

海獣類は4種類。
・鯨類   6500万年前に海へ 
・海牛類  5000万年前に海へ
・鰭脚類  3500万年前に海へ
・食肉類  500万年前に海へ

海に戻った時期が古いものほど、水中生活に適したからだのつくりを持っています。
鯨類と海牛類には、後ろ脚が尾びれになっていますが、
海牛類では骨盤の骨が、背骨にくっついて残っているのに対して、
鯨類では、骨盤は筋肉の中に痕跡的に埋没しています。
鰭脚類、食肉類は陸上にも上がり、前脚を器用に使うものもあります。


海牛類には、ジュゴン科とマナティー科の二つの科があり、生息域が分かれています。
マナティー科 3種
・アメリカマナティー(更にフロリダマナティーとアンディリアンマナティーに分類)
・アマゾンマナティー
  ※唯一、淡水のみに生息
・アフリカマナティー

ジュゴン科は現在ジュゴン1種のみです。


かつてジュゴン科に属していたステラーカイギュウ
肉や脂肪、毛皮をとるために乱獲され絶滅しました。
1971年の発見から絶滅まで約20年ほど。

この写真は、科学雑誌ニュートン2001年9月号に浅野さんが発表されたもので、
形態・毛皮の様子など、大変よく再現されている自信作だそうです。


ジュゴンは、メスと子どもという組み合わせで、泳いでいることが多く、
3頭の場合は、メス+上の子+下の子だそうです。
オスは基本的に、単独行動。


こんなに群れることもあります(バーレーン:ペルシャ湾の島国)。


エサは海草。これは、フィリピンのエル・ニドで撮影されたはみあとです。


鳥羽水族館では、1日に30kg(体重の1割)の海草を与えていますが、
現在は、ロメインレタスも与えているそうです。


かごに入ったウミジグサを、おいしそうに食べる鳥羽水族館のセレナ。


世界のジュゴン10万頭のうち、8万頭はオーストラリアに生息し、
特にトレス海峡諸島に多くのジュゴンがいます。
島の人々は、ジュゴンを食用にしています。


ジュゴン漁の様子。船で追いかけて、銛を打ち込みます。
背中に銛がささると、2~3cm入っただけで、抜けなくなってしまうそうです。


ジュゴン漁に使う銛。
右が使用前、左が使用後のもの。


ジュゴンとマナティーを混同されることがよくありますが、
顔や皮膚の印象だけでも、こんなに違います。
一番わかりやすいのは、尾びれの形状です。
マナティーは乾期に水量の減った川でも泳ぎやすい丸い尾びれをしています。
ジュゴンは海で泳ぎやすいように三角の尾びれです。


頭骨の形にも違いがあります。
ジュゴンの口は、海底に生える海草を食べやすいように下向きになっています。
ジュゴンのオスの成獣には牙があります。
マナティーの歯は、後ろから前へ、水平移動してどんどん生えかわります。
鳥羽水族館では、100本以上のマナティーの歯が抜けているそうです。


マナティーの歯。実物を持ってきてくださいました。


ジュゴンの牙。刻まれている筋の数で、年齢がわかります。


ジュゴンの牙。実物。


ジュゴンの顔面。
舌のように見えるのは、咀嚼板(そしゃくばん)。
ジュゴンは、咀嚼板でおろし金のようにして海草をすりつぶします。
たくさんのひげのようなものは感覚毛で、海草に触れると、その鮮度が
わかるそうで、えさ探し&えさ選びに役立っています。
背中に生える毛は、水流を感じることができます。


ジュゴンの咀嚼板を乾燥させたものです。


濁った川にも生息するマナティー。
マナティーには、ジュゴンよりたくさんのひげ(感覚毛)がはえていますが、
水族館に連れてきて、透明な水で飼いはじめると、ひげが短くなるそうです。
濁って先が見えない川の中で、網を避けたりするのに、ひげが役立って
いるのかもしれません。


今、鳥羽水族館にいるセレナは、1986年の10月、生後6カ月ごろ
フィリピンの海で母親からはぐれて泳いでいるところを保護されました。
ジュゴンの哺乳期間は約1年半。まだまだお母さんのおっぱいが必要な時期でした。
ジュゴンの哺育は、はじめてで、はじめは手探り状態。
人間の赤ちゃんの哺乳瓶からは、ミルクを飲んでくれないので、
浅野さんが、村の雑貨屋さんで購入したゴム手袋や雑貨を使って、哺乳瓶を作成。
やっと、ごくごくミルクを飲んでくれたそうです。


これが、当時の哺乳瓶(哺乳器)。
右側の空気取り入れ口に、自分も口をつけて、セレナがミルクを
飲む様子を観察したそうです。セレナへの深い愛情が感じられます

ジュゴンは、狭い水槽に入れておくと、弱ってきます。
運動しないと筋肉が弱り、消化器官の働きが悪くなるようなのです。
セレナも狭い囲いの中にいて、弱ってしまったことがあるそうです。


ジュゴンは肺呼吸なので、漁網にかかると、窒息してしまいます。
また水を飲んでしまうと、肺炎になって死んでしまうそうです。
これは、環境省(沖縄県への委託事業)のジュゴンレスキュー訓練の様子です。
サイズや大きさが本物そっくりのジュゴンのレプリカを使っています。
本物のジュゴンは、じっとしていませんし、尾びれの力が強いので、
要注意だそうです。


現在個体が確認されているジュゴンは、古宇利島周辺域の2頭 ♀(母親)+子供(♂?)
そして、嘉陽周辺域(本島東側)の1頭 ♂の合わせて3頭のみです。
かつて、生息していた八重山周辺のジュゴンは絶滅し、沖縄本島とフィリピンの個体群との
交流もなくなっています。

しかし、ジュゴンにはとても長い距離を移動した記録があります。
オーストラリア→ココス島(グアム)1000Km
パラオ→ヤップ島 400km

「ジュゴンにとっては、海草藻場がとても大切」
「生息場所(海草藻場)さえ保全されれば、フィリピンからジュゴンが
やってくるかもしれない」と浅野さんはおっしゃっています。

鳥羽水族館の水槽で、サンゴと海草の飼育をしてみたら、
サンゴは結構よく育つけれど、海草はとても難しかったそうです。
海草の移植は、やはり難しいのですね。
沖縄ジュゴンにとって、今ある海草藻場を守ることが、とても大切だということが、
よくわかります。


質問コーナーでも、色んなお話が出てきました。
ジュゴンは簡単な図形の識別ができること、
排卵は約50日周期で、決まった発情期はないらしいこと、
他の個体とからだをくっつけるのが好きなこと(特に尾びれを重ねるのが好き)など。 


(ジュゴン漁の銛を手にお話しされる浅野さん)

聞けば聞くほど、ジュゴンのことがますます大好きになるお話しでした。

ジュゴンは、伊勢湾や熊本でも発見記録がある移動性の動物です。
ひょっとしたら、石垣や西表のあたりにも、まだいるかもしれません。
辺野古の藻場を守っていれば、今いるジュゴンが繁殖する以外に
他の場所からもやってくるかもしれないと期待に胸が躍りました。

浅野さん、貴重なお話を、本当にありがとうございました。

ZAN

またまた、フラッグがいっぱい届きました☆

2012年05月09日 | ジュゴン大好き
ジュゴンフラッグが、またまた事務所に届きました。


絵本画家の坪谷令子さんから、25枚ものフラッグが届きました。
むら染めの布にかわいいジュゴンステキなフラッグです。
鎌田慧さんや、趙博さんからのメッセージもあります。







そして、「母がメーデーでもらってきたチラシを見て」と、
わざわざ、大阪・京橋の事務所までフラッグを持って来てくださった方も。



家族で1枚ずつ描いてくださったそうです。
3つのかわいいジュゴン
シャンティ(Shanti)とは、インドのサンスクリット語で、
「平和、至福、祈り」という意味だそうです。


更に、1月横浜で開催された脱原発世界会議で、出会った方からも、こんなステキな
フラッグが送られてきました。

私たちの発したメッセージをしっかり受け止め、応えてくださって
とてもうれしいです
ジュゴンを通じた出会いに感謝です。

ZAN

元気に泳いでます-琉球朝日放送

2012年05月02日 | ジュゴン大好き

(写真:琉球朝日放送)

4月28日、沖縄県名護市東海岸の天仁屋崎の沖合いで
ジュゴンが泳いでいたそうです。近くにはウミガメの姿も見えたとか。

ジュゴンの棲む海は、素晴らしい。
この海を守っていきましょう。

記事はこちら→元気に泳いでます

基地ではなくジュゴン保護区を”の署名にご協力ください

ぶどうの木保育園から、フラッグ届きました

2012年03月17日 | ジュゴン大好き

京都八幡ぶどうの木保育園は、毎年沖縄平和キャンプを実施され、
辺野古テント村も訪問されています。

年長(5歳児)の皆さんから、アクリル絵具とマジックで描いた
カラフルなジュゴン♡フラッグが届きました。

「ジュゴンを守りたい!基地はいらない!」の思いあふれる、
かわいいバナーが勢揃いしました
とってもステキです。どうぞご覧ください。












基地ではなくジュゴン保護区を!オンライン署名にご協力を

毎月15日はジュゴンの日♪ 

2012年03月15日 | ジュゴン大好き
毎月15日はジュゴンの日
本土では梅の花が遅れた満開を迎えている頃でしょうか?

 

さて、今月のジュゴンの日は宮古島でジュゴンを見た事があると噂の船長さんを訪ねました

船上でケガをされてしばらく海にでないで休養中とのお話だったので心配しましたが
あら、お元気 ケガもすっかり良くなっているそうで何よりです

 

頂いた名刺に「宮古島市深海1本釣名人」と書いてありました ワァオ
お歳は80歳・現役船長さんであります

早速ですがジュゴンを見た事はありますか?
「昔2・3回船から見たけど、あれは大変臆病な生き物だから、見えたと同時に逃げてしまうよ」

船長のお父さんが、昔は漁港で2・3回網にかかってあがったことがあると言っていたのを覚えているそうです。

 

この貝を見てごらん~ キュウリみたいでしょ
こっちのホラ貝は二重だよ~ こんな貝は見た事ないでしょ~

大きな魚は貝を丸のみして中身だけ溶かして食べて殻はおしりから出すわけさぁ
みんなが海岸で拾ってる穴の空いてる貝はおしりから出た貝殻だよ 

 

海の話なら次から次へとあふれ出てくる船長
へぇ~   おっとジュゴンの話をもうちょっと聞かなくちゃ

ジュゴンを食べたという話は聞いた事ありますか?

「お爺さんかお父さんは食べたような話を聞いたけど、あまり美味しくなかったみたいよ~、何が入れないとダメだって」
 あれ?ジュゴンて海の牛と言われでたいへん美味と噂なんだけどなぁ??

「そういえば子供の頃捕鯨漁をしていたお隣さんからイルカをもらって食べた事があるけど、ヤギみたいな臭いがして美味しかったさぁ~」

 あぁ・・味覚が、そっち好みなんですね。 ヤギ・・



1本釣り鰹漁に現役で海に出ている船長の手はとっても大きく指も太くて肉厚でした。
後ろの貝を見せようと立ちあがったら身長の小柄な事に驚きました。
奥さんもニコニコとお茶やらヤクルトやらコーラやらと次々と どうぞお構いなく

 

船長の楽しい話も次々と
大漁の日に鰹漁にバイトに来た友人が船酔いして10万円の総入れ歯を海に落として
鰹に丸呑みされてしまい その日のバイト代が11万5千円だったよ~という話

鰹も神の魚と言われていたと聞いているよ、食べなかった時代もあるみたいよ~

死んだサンゴの場所に魚は多いんだよ、生きてるサンゴにはつかない海草が2週間でつくから、などなど

 

ところでジュ・ジュゴンの話なんですけど・・

何か他に知ってる事はありませんか!!(最後にアバウト)

「とにかく臆病もので、しっぽは大きいと聞かされた。だからスピードが早いって」
「アマモ(ジュゴンが食べる海草)のことをザンのヒゲと呼んだよ」

へぇ~ ちょっとの昔までは宮古島近海にもジュゴンがいた事は確ですが、
でも、ジュゴンに関するエピソードやジュゴン情報はもうほとんどなくなっているようですね

    

帰り際に「これを持って行きなさい」と渡されたスーパーの袋 ズッシリ。
家で開けてみるとたくさんの貝殻 船長からの贈り物でした

 

そろそろデイゴの花が咲き始めています 来月のジュゴンの日には写真を撮ってきます
道に咲くブーゲンビリアが今日もキレイです

 



 


ジュゴンロック    団結祭り2011 OSAKAにて

2011年11月29日 | ジュゴン大好き
団結祭り2011 OSAKAにて「ジュゴンロック」を踊りました。

もともとはオーストラリアで、ジュゴン保護のため、「ジュゴン
ロック」をバックにした振り付けとパフォーマンスが募集されて
いました。応募の締め切りには間に合いませんでしたが、代わって
団結祭り2011 OSAKAで披露しました。

ご覧ください。




P.S オーストラリアの「ジュゴンロック」(YOUTUBEでdugong rockで
検索すると色々出てきます)

Dugong Rock


☆じゅごん

いきものスキスキ・ジュゴンバナー

2011年05月18日 | ジュゴン大好き

ハートがいっぱいの、いきものスキスキバナーが完成
ジュゴン保護区を作りましょうの思いを
このバナーとともに広げていきます。


5/22(日) 生物多様性の日
いきものスキスキごった煮パレードonみどうすじに間に合うように、
昨日、がんばって仕上げました。

22日は、皆さんぜひ一緒に歩きましょう

  =======================================  
      日時:5月22日(日) 15:00集合
      場所:新町北公園(旧厚生年金会館前)
      大阪市営地下鉄 西大橋駅下車
      15:00集合~16:00出発 
       御堂筋を南へ向けて歩きます。
      17:00ゴール 元町中公園 交流会あり
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このバナーを見かけたら、声をかけてくださいね

去年の9月5日、第2回の生物多様性パレードの様子です

いつでもジュゴン~♪

2011年02月23日 | ジュゴン大好き
いつでもジュゴン~♪


ジュゴンちゃんは、いつも元気
ジュゴンの海を守ろうと、
いつでもジュゴンになります

COP10は終わったけれど、生物多様性を守る取り組みははじまったばかり。
日本政府は2012年の会議(COP11)までは議長国です。
『海域の少なくとも10%を保護地域にする』
『絶滅危惧種の絶滅・減少の防止する』な­ど約束を果たして、
ジュゴンの海を守ってね。