(11月27日防衛省交渉)
11月27日午後、参議院議員会館で防衛省、環境省交渉を持ちました。
新型コロナ感染拡大の中で、
海勢頭豊共同代表をはじめ沖縄、関西スタッフの多くが参加できず、
ZOOMで参加することになりました。
同日、那覇地裁は、
「国土交通大臣が行った埋め立て承認撤回の取り消しは違法」とする沖縄県の訴えは
「審理の対象にならない」と門前払いにしました。
国家ぐるみの不当な判決です。
「辺野古抗告訴訟 県の訴え却下 法廷闘争継続へ」(琉球新報11月28日)
ジュゴン保護、新基地建設反対世論を広げることで反撃しましょう。
(防衛省を追求する伊波議員)
今回の政府交渉は、伊波洋一議員事務所に議員会館会議室をお願いし、
伊波議員とともに防衛省、環境省交渉を取り組みました。
交渉で両省が回答ができなかった項目については、
後日、伊波事務所に文書回答を頂くことになりました。
今回の政府交渉の目的は、11月9日沖縄県交渉をふまえて、
①沖縄防衛局の「公有水面埋め立て設計変更申請」の問題点を追求し、
沖縄県の内容審査を支え、不承認を実現すること。
②「防衛省が沖縄県の不承認を提訴し、不承認を取り消す」狙いを許さないために、
設計変更申請ではジュゴンをはじめ環境を保全できないことを明らかにすることでした。
沖縄県交渉(要請書の提出)
防衛省交渉の冒頭、
「要請書」とフィリピンの子どもたちから届いた「ジュゴンを守れ!大騒ぎはがき」66枚手渡しました。
以下、交渉のまとめ。(回答は赤字)
1.国防総省(米政府)に対して、軟弱地盤、ジュゴン行方不明について連絡しているか。
環境監視等委員会(第23回から25回委員会)の報告はしている。コミュニケーションはとっている。
2.沖縄防衛局が確認した「ジュゴンである可能性が高い鳴音」の録音データを公表すること。
録音データは契約書にある「成果物」ではないから、提出することにはなっていない。
ジュゴンの鳴音はジュゴンであることを確定することなので重要だが、
担当している海洋研究家が「このジュゴンの鳴音データでは個体識別ができない」と言っている。
☚追加契約をして録音データの提出を求めればよい。 後日回答を求める!
3.IUCN加盟国である日本の防衛省がIUCNに知見を求めないのですか。
環境監視等委員会で調査方法については判断できる。
委員会から問題があると指摘を受けていないので、IUCNの意見を求める必要はない。
(環境影響評価書補正 作業船の航行位置)
4.ジュゴンの鳴音が確認された2月以降も土砂運搬船が夜間も頻繁に行き来している。夜間の運搬を中止しないのか。
夜間航行は海上工事(施工海域内)に当たらない。大浦湾の施工海域には「日の出1時間後、日の入り1時間前」に入っている。
頻繁にジュゴンが現れている海域では、昼夜を問わずジュゴンへの影響を回避し、沿岸から10キロ離れて航行している。
☚ジュゴンらしき鳴音がジュゴンでないことが明らかになるまで、工事は中止すべきです。
糸満周りの海上輸送で海岸から数メートルの航行をしている事実がある。
☚ジュゴンは音に敏感です。嘉陽に定住のジュゴンAが行方不明になった原因に、作業船の水中音が影響していると考えている。
過去、数回、作業船の水中音の分析を要求してきた。海岸から10キロ離れているから影響がないとの判断は誤っている。
継続的な交渉課題であり、変更申請だからこそ作業船の水中音を分析すべきです。 後日回答を求める!
5.公有水面埋め立て法では、環境影響を予測・評価する「具体的な材料」を明示しなければなりません。
「実施設計が決まれば具体的な材料を沖縄県に提出する」としているが、設計変更申請の内容審査中に提出するか。
形式審査で書類上の不備がないと確認され、縦覧が行われている。県から具体的な材料の提示を求められたら、その質問内容を見て提出するかは判断する。
☚防衛省が変更申請を提出したのだから、変更しなければならない根拠を提出すべき。自らその努力をしないのはなぜか。
後日回答を求める!
環境省交渉の冒頭、「要請書」と署名2608筆(うちフィリピンから445筆)を提出しました。
新型コロナ感染拡大の中、フィリピンをはじめ全国各地から署名を送っていただいた皆さん、有難うございました。
(環境省交渉)
以下、交渉のまとめ(回答赤字)
1.沖縄ジュゴンは夜間に餌場へ回遊する生態があるにもかかわらず、沖縄防衛局は土砂運搬船を夜間に航行していますが。
基本的に、夜間航行はジュゴンに最大配慮して行うべきです。
2.ジュゴンAの行方不明は土砂運搬船の水中音に原因があると考えています。嘉陽沿岸に定住していたAの行方不明の原因については。
ジュゴン行方不明の原因については調査結果が出ていないので議論していない。
嘉陽に定住しているジュゴンAの行方不明の原因に外的な要因はあると思う。
ジュゴンA、Cの鳴音録音データがあれば公開します。 ☚ 後日回答を求める!
3.IUCN(国際自然保護連合)が危惧している新基地建設による海草藻場への影響やジュゴンの行方不明について日本政府が明確な態度を示すべき。
来年6月に行われる世界自然遺産委員会で沖北部訓練場問題を抱える「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の登録が
再度困難になる可能性がある。
沈黙
4.「令和元年度ジュゴン生息緊急調査業務」以降の広域調査の現状をご教授ください。
ジュゴン関連の予算規模(今年度と来年度)を教えてください。
目撃情報、混獲防止、ドローン調査と潜水調査で食み跡調査など広域調査を行っている。
ジュゴンの予算規模については、後日回答を求める!
(参考)
東京新聞11月29日「辺野古の海にジュゴン帰ってきた? 基地建設現場で200回鳴き声か」
琉球新報11月30日「ジュゴンの鳴音データ、現存すれば公開を検討 環境省」
ジュゴンの保護者より