ツアー3日目の散策コースは、名護の市史編纂にもかかわられた
浦島さんの案内で、沖縄で神を祀る聖所であるウタキ(御嶽)を見て回りました。
ウタキはウタキ森と呼ばれ、森と深くかかわっていたそうです。
また、ヒヌカンという3つの石を祀っていた話など、
沖縄の文化が自然とつながった精神的世界を
持っていることがよくわかりました。
自然が身近にあり、親しみがありながらも
敬意をもって崇めていたからこそ、
自然の大切さをわかっているのかなと思いました。
次にみんなでジュゴンの見える丘に行きました。
ジュゴン見えるかな~
以前ここでジュゴンの調査もしたそうです。
SDCCのメンバーは丘から見えるアブオール島で
ジュゴンを見たことがあるんです。
いつかジュゴンの保護区ができたら、
ジュゴンの見える丘で、ジュゴンが本当に見られる日が来るのかな。
次に移動したのは安部(あぶ)です。
昨年末にオスプレイが墜落したところです。
米軍は重要なものはすぐに撤去しましたが、
機体の破片などはそのままで、地元の方々が、
今も定期的に掃除をしていて、
まだ、破片が見つかることがあるそうです。
基地があることで、こういった地元の負担もあるのだと
改めて思いました。
安部の浜で浦島さんがオリジナルで作られた
紙芝居「マカトとザン」を読んでくださいました。
マカトという沖縄の女の子とザン(ジュゴン)のお話です。
マカトが幼いころジュゴンに会い、
出稼ぎに行った両親と会えないさみしさを癒しながらも、
第2次世界大戦に巻き込まれていくというお話です。
エネルギッシュな絵に沖縄の歴史も織り交ぜたジュゴンのお話。
子どもにも大人にもわかりやすいお話です。
最後にダイビングチームすなっくスナフキンの展示室「大浦湾の生き物たち」を
見学させていただきました。
案内してくださったのはダイビングチームすなっくスナフキン代表の西平さんです。
小さな展示室ながらも、展示物がたくさんあります。
西平さんは、大浦湾の特徴は水の循環を隔てるものがなくて、
小さな違う環境がたくさんある場所だと話してくれました。
それらの小さな異質な環境が微妙なバランスの中にあるのが、
大浦湾なんだそうです。だから、多種多様な生物がいるんだとか。
大浦湾には5334種の生物がいます。
でも、名前がついていない新種はその中には入っていないので、
毎年、それに2~3種増えていっているそうです。
「国内でこれだけたくさんの種類の生き物がいると
報告されている海は大浦湾だけ。
もしかしたら、世界にだって、
これだけの多くの種類がいる海はないかもしれない」
「ちょっと歩けば、絶滅危惧種が3種ぐらいは見つかます」
と西平さんは言います。
大浦湾は生物多様な海だとは聞いていましたが、
展示を見ながら、実際に潜っている人に説明されると
さらにそれが実感できます。
私は生物の話が好きなので、
西平さんの話をずっと聞いていたくなるほど、
大浦湾の面白い話がたくさん聞けました。
研究材料も学習材料もそして、何よりすばらしい自然がある大浦湾。
聞けば聞くほど、基地なんかにしてはいけない。
とっても価値のある場所だと思いました。
特に基地が立とうとしている場所は
生物が多様な場所だそうです。
模型も見せてもらいながら、
昨日、見てきた海を思い出し、
制限区域のフロートを悔しく思いました。
基地建設計画がなくなったら、
西平さんの案内で、5匹棲んでいるという
かわいいチンアナゴの棲みかを訪れてみたいと思いました(笑)
集落と海のつながりを感じる3日目の散策ツアーでした。