10月9日(日)に、第3回オンラインセミナー「ジュゴンの海とやんばるの森を守るための国際的取り組み」を開催しました。
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講師は、沖縄の米軍基地と環境の問題に「市民」の立場から取り組み、
国際社会を視野に入れた「市民社会」の実践と研究を目指して活動されている
吉川秀樹さん(SDCC国際担当、Okinawa Environmental Justice Project 代表
文化・応用人類学者、大学非常勤講師)。
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国際組織や制度に係る専門家は、科学性を重視し、環境問題への関心が高い。
専門家や米議会の議員に、軟弱地盤やジュゴンの現状についての
きちんとした情報が伝わっていないので、伝えることが重要です。
そのことを踏まえて、米国で行われたジュゴン訴訟についてや、
IUCN(国際自然保護連合)への働きかけについてなどお話しされました。
先月吉川さんの呼びかけで、米国議会上院・下院の軍事委員会に所属している議員32人に
辺野古新基地建設の中止を求める書簡を送付しました。
琉球新報の記事はこちらです。
米国の上院・下院議員に書簡送付 辺野古の新基地建設の中止求め 環境問題のOEJP
(現在賛同団体は100を超えています)
次にやんばるの森の世界自然遺産登録について
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2021年にやんばるの森は世界遺産登録されましたが、
北部訓練場での軍事訓練は続き、返還地にはいまも米軍廃棄物が残されています。
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ただ、世界遺産に登録されたことで、世界遺産条約や世界遺産ガイドラインの対象となり、
ちゃんとモニタリングをしなければいけなくなり、環境への悪影響の除去を
しなければいけなくなるなど、新たな展開が開けます。
新たな展開のひとつは、World Heritage Watchとの連携です。
今年の2月、吉川さんはオンラインでミーティングに参加、
北部訓練場の訓練や、米軍廃棄物の問題を報告しました。
また、吉川さんのほか、河村雅美さん、宮城秋乃さん、花輪伸一さんも
報告書を提出され、世界遺産会議のサイドイベントでレポートが公表される見込みです。
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米軍機の騒音や訓練の状況を市民レベルで調べ、レポートを
ユネスコやIUCNに提出しようという世界自然遺産ウォッチ(仮)の
動きも始まっています。
厳しい状態が続く辺野古の海、やんばるの森ではありますが、
希望のわくお話しになったと思います。
このオンラインセミナーは、あと1か月ほどアーカイブ配信しております。
まだ視聴されていない方はぜひお申込みの上、ご視聴ください。
申し込み方法など詳細はこちらをご覧ください。
第3回オンラインセミナー ジュゴンの海とやんばるの森を守るための国際的取り組み
ZAN