大阪は天満橋のドーンセンターで開催しました。
いつものように元気に開幕
まずは、
バルセロナ報告のビデオを上映。
そして、恒例の人形劇です。
今回はじめて声優(?)にチャレンジした新人
もがんばりました。
続いて蜷川SDCC事務局長から、IUCNの三度目の勧告と
国連国際生物多様生年についてお話しました。
三度目の「勧告」と言っていますが、実は今回の会議で
ジュゴン保護について「勧告」ではなく、「決議」として
採択されました。
IUCNのサイト(英語)
Resolutions and Recommendations(決議と勧告)
決議はIUCN自らが問題の解決にあたるもので、
WWFジャパンの花輪さんによると、勧告よりも
実現可能性が高いそうです。
そしてカンジャナさんの登場。
まず、世界のジュゴン分布状況や、移動性について。
ジュゴンの行動域は結構広いようです。
そしてタイでの保護活動について。
タイのジュゴン生息数は空中目視調査などにより、約250頭
だと思われるそうです。タイでも絶滅の危機に瀕しています。
政府がジュゴン保護区を作っていますが、漁民との関係など
まだまだ課題も残されているようです。
次はボン条約(1979年)。ボン条約は、移動性の動物(渡り鳥やクジラ、
ジュゴンなど)の保全に関する条約です。条約なので、国家の
署名、批准が必要です。ジュゴンについては、2002年にふたつの
勧告が出ていますが、日本は捕鯨の関係でボン条約に加盟していません。
さまざまな理由で加盟していない国は他にも多いのです。
そこで、広くジュゴンを守るために登場したのが、
「ボン条約のジュゴン保護の覚書」(SDCCの仮訳PDF)。
英文は
こちら。
ジュゴンを守るための各国間の取り決めです。
覚え書きには法的拘束力がなく、それゆえボン条約に
加盟していない国も参加できるのです。もちろん日本もです。
現在覚書に参加しているのは12カ国です。
ジュゴン生息国には、生息地の減少、混獲など、
それぞれの国が抱えている問題があります。
沖縄では、それに加えて米軍基地建設という
大きな問題があります。しかし、「覚書に参加することで
すべての国の問題解決をはかっていくことができる」と
カンジャナさんはおっしゃっています。
バルセロナのIUCN決議は、すべてのジュゴン生息国に
この覚書への参加を要請しています。即ちこの決議の履行を
求める私たちの活動は、すべてのジュゴン生息国のジュゴン
保護活動とつながっているのです。
年間死亡率が千分の13頭以上になると、ジュゴンは個体群の
維持ができなくなるという新しいデータが出たそうです。
「沖縄のジュゴンは本当に大丈夫なんだろうか」と
心配になりますが、「その心配をするより、今は1頭も
無駄に死なせないようにすることが大切」とカンジャナさん。
一刻も早く、基地計画をとめてジュゴン保護区を作ることが
大事ですね。
大阪セミナーの参加者です。
「覚書」の重要性がとてもよくわかりましたし、
質問もたくさん出て、活発な討議ができました。
とても勇気のわくセミナーでした。
カンジャナさん、皆さんありがとうございました。
ZAN