4月21日、防衛省、環境省、外務省、三省と交渉しました。
まず防衛省。
防衛省まえに集合。
会議室に向かいます。
ボーリング調査開始以降に、防衛省の事後調査によって辺野古大浦湾で、ジュゴンが確認されていないこと、「個体C」が姿を消した理由について、防衛省の見解を問いました。
しかし担当の官僚が、ボーリング調査開始以降に、防衛省自身の事後調査で大浦湾でジュゴンが確認出来ていない事実すら知らない、という無責任にあぜん。事実を確認し見解を文書回答することを確認しました。
また、海草の移植などの「ジュゴン保護の施策」について環境等監視委員会で議論しているのか?問うと「今のところ予定はない」(防衛省)との回答。
埋め立て承認の条件である環境配慮事項すら全く実行する気がないのです。
安倍政権のむちゃくちゃなやり方に影響され、官僚の知的退廃が進んでいると感じました。
昼食後に、まず環境省交渉。
「ヤンバルの世界自然遺産申請に関わって、オスプレイ訓練の環境影響を考えているのか?米軍に申請を報告し訓練中止を要請する責任があるのではないか? 」「世界自然遺産の申請書に北部訓練場に言及してないのはおかしいのではないか」と問いました。
環境省は「2012年の米軍によるオスプレイの環境レビューの後だが、在日米軍司令部に申請に関して報告はした。」「申請書の冒頭で演習場についても触れている」「オスプレイの環境影響は少ないと考えている」「辺野古の埋め立て土砂の外来種混入問題は、ヤンバルの世界自然遺産申請とは関係ない」と回答。
現実問題として、オスプレイの影響,辺野古新基地建設の影響は無視できないにも関わらず、それを回避して世界自然遺産申請を進めようとする態度に終止しました。
夏にはIUCNの調査があります。これにむけ、環境省への働きかけを強めていく必要があります。
外務省交渉。
「ヤンバルの世界自然遺産申請に当たって、外務省としてオスプレイ訓練の中止、縮小など、日米地位協定の運用改善という立場から、日米合同委員会などで働きかけられないか?」「外務省として世界自然遺産条約を遵守する責任がある。環境省の世界自然遺産申請書には北部訓練場、オスプレイに関する記述がない。正しい現実をユネスコにつたえ、評価を受ける必要があるのでは」(SDCC)と問いました。
「趣旨は理解する。」(ユネスコ担当)「オスプレイは抑止力維持のため必要。」「しかし運用改善は要求していっている。」(北米課)
世界自然遺産申請をすすめるなら、外務省はオスプレイ訓練中止、大幅縮小を日米合同委員会などで、米軍に求めるべきだ、と強く要請して外務省交渉を終えました。
(感想)
2000年ヨルダンのアンマンでの世界自然保護会議で採択された沖縄ジュゴン保護勧告に
「ヤンバルを世界自然遺産に申請するよう検討するべき」と明記されています。これから17年。ようやく日本政府が重い腰を上げ、申請を行いました。ところが政府は北部演習場とオスプレイ、辺野古新基地建設問題を回避して世界自然遺産申請を進めようとしています。しかしこのような環境破壊の現実を隠ぺいした申請は国際社会に通用しません。ヤンバル世界自然遺産指定のため、政府は北部演習場・オスプレイと辺野古新基地建設の現実を世界に明らかにし、環境保全の具体的施策をしめさなければなりません。新基地建設の中止、オスプレイ訓練の中止は当然のことです。世界自然遺産申請をしたのは政府自身です。逃げることはできない。だからこそ、世界自然遺産申請と辺野古新基地中止、オスプレイ訓練中止をひとつにして、世界の世論に訴えていく必要があると思います。
☆じゅごん