来年展示をする場所の下見に出かけてきた。来年早々に展示という話だったのが有難いことに9月になってとまりそうになっていた息を吹き返した。
とは言えかなり広いので、この空間をどういう風に使うかこれから計画しなければなあ、と少々途方に暮れている。
一番魅力的なのは教会の塔内だ。あまり手入れもされていない廃墟じみた雰囲気が中々良い。薔薇窓を中から見る(↑写真では薔薇窓のある部屋の床になにやら色紙がインスタレーションされていた。)というのも悪くないし、その脇には教会の時計のためであろうか機械仕掛けがあったりパイプオルガンの送風ポンプがあったりするような場所だ。塔は3階あって天辺は教会の屋根裏に繋がる。これがまた中々雰囲気があって面白い。暗がりの中、宙に架けられた足場が十字形に渡っていて、下を見るといくつも山形の起伏が見える。これは下から見ると教会の天井のアーチだ。
祭壇周辺や入り口脇のホールにはあまり興味が無いがこの搭に何か仕掛けるのは中々楽しそうだ。(今のところは笑っているけれども、後数ヶ月もすると冷や汗をかいているのだろう。)
このFriedenskirche-平和教会は1874年に建ち上がった。1870-1871年の独仏間の戦争後、平和を祈念し戦争遺産の大砲を溶かして鐘を造ったという話で、この教会の名前もそこに由来する。しかし第二次世界大戦中1943年6月21日未明に爆撃を受けて全壊し、1955年ー1957年に再建されたという歴史を持っている。
どういう経緯なのか知らないが、階段室の暗闇の中に大きな牛のぬいぐるみが佇んでいた。クリスマスの降誕劇にでも使うのだろうか?