散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

散歩

2011-08-11 14:07:55 | 思考錯誤

 

Kronprinzessin Maryは南国の果物の甘い香りがする 










街に出かけた。
本屋に材料を仕入れに出掛けた。
それから街を当てもなく歩いた。
歩くにはちょうどよい気温だった。
物を考えたり、頭の中を整理する時にはひたすら歩くといい。
すると脳味噌に出来た隙間がとんとんとんと埋まってきて
ちょうどシステムをDefragmentierenするのに似ているんじゃないかという気がする。
曲がり角の店でアイス珈琲で喉を潤した。
ちなみに、昔はこの辺りでアイス珈琲などというものは無かった。
昔昔夏のベルギーでの事、お昼ご飯を食べに入ったレストランで、アイス珈琲とはこういうものだと説明してみると親切なお店の人が陶製のポットに珈琲をいれ、ボウルに氷を入れて持って来てくれたことがあった。ちょっと違うのだけれど、忘れられないアイス珈琲だ。
持っていた本の一章を読み終えたのでまた歩く。
歩いていると、時々気になるものが現れる。
例えば道端の敷石の隙間に鮮やかに咲く花。去年どこかのプランターから飛んできて着土したのだろう。そういう植物は逞しくて輝いている。
洒落たブティックを覗いてみる。
2階のバルコニーからごっそりと枝垂れて踊る蔦。
砂色を被った工事現場に黒い洋種山牛蒡の実が艶やかに光る。(あの実の汁を服につけると取るのが大変だった)

ライン川岸に小ぶりな電話ボックスサイズのガラスのショウケースがあって、本が沢山詰まっていた。
近寄ると、気に入った本があれば家に持って帰ってもいい、そこのベンチで読んでもいい。返却してくれても、他に誰かに読ませたい本があれば持って来て棚においてくれてもよい。と書いてある。
残念ながら今回は私が読みたい本は無かったので、そのまままっすぐ岸辺を行く。

足元の砂利の踏みしめられる音を聞きながら歩く。
ザクザク、ジャッジャッという音と聞きながら頭の中が静かになってゆく。











~歪んだ情報と日本社会~
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