神戸の教員間いじめ問題に関する12月19日(木)の毎日放送「ミント」の特集で、私のコメントが使われています。下記が番組ホームページの当該動画へのリンクなので、このブログからもアクセスできるようにしておきます。
【特集】“先生が先生にいじめ” 神戸市特有の人事方式… 「変な雰囲気」学校現場で一体何が? 教諭間いじめ問題(毎日放送「ミント」2019年12月19日放送)
https://www.mbs.jp/mint/news/2019/12/20/073985.shtml
さて、この情報番組の動画について、先に苦言を呈しておきたいことが2点あります。
1点目は、例のハラスメント問題の弁護士主体の調査チームが報告書提出を延期した一件もあって、急いで番組で動画を流し、なおかつネット配信しなければならなかったとはいえ…。「先日のインタビューは、今日の番組で使わせていただきました」と、せめて何か一言、番組スタッフか、取材に来られた記者さんから、こちらにも連絡がほしかったと思いました。私、この動画を見た方から連絡が入るまで、番組で流れたこと自体知りませんでした。
2点目は、どうしてもテレビ制作陣としては「絵が欲しい」と思うので「使いたくなる」のかもしれませんが…。私としては、やはりもう「激辛カレー」の動画は、どこの番組であっても「使ってほしくない」と思っています。でも、今回、上記の動画の冒頭部分では、また使われてしまいました。この点については、「もう、ほんとうに、動画を使うのは、これっきりにしてほしい」とだけ伝えておきます。たとえ事件を闇に葬られたくなかったから流したにせよ、あの動画を見ることで傷ついた子どもたちもいるわけですから。
その苦言を呈した上で、それでもなお、今回、この動画を配信した毎日放送の制作陣には、やはり「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えておきたいとも思います。
それは、この神戸の教員間いじめの問題を扱ったテレビの情報番組ではじめて、以下のような私のコメントが流れたということ。この点は、やはり今までの報道とは一線を画したな、と思いますので。
「とにかくあの手この手で火を消そうという感じですよね。それはわかるんだけど、では消したあと、焼け野原になったところはどうやって再建するんですかって。市長と教育委員会の上層部が本来議論すべきことは、改めて神戸市の教育界として子どもの命を守る取組み、あるいは教職員の命を守る取組みは「こういうかたちでやっていきます」「今回の事件をふまえて学校をこういう風に変えていきます」というその中身を発信することなんじゃないですかね」
これまでも私のブログを継続して見ていた方にはおわかりのとおり、私は「当該の学校と子どものこと、今後、どうするつもりなのか?」とか、「神戸市の教育界の再生のことはどうするのか?」ということを中心にして、こちらのブログで情報発信を続けてきました。加害教員への処分問題や被害にあった教員のケアは、そういう問題と同時並行的に解決していくべき課題だと思ったからです。
でも、従来の神戸の教員間いじめ問題に関する報道は、先日の毎日新聞の「記者の目」など、一部の新聞報道で当該の学校や子どもの抱えている困難にふれた記事は出ましたが、テレビの情報番組でこちらの課題を真正面から取り上げたものは、少なくとも私の知る限りありませんでした。なので、やはり画期的なのです。
実際、動画をみていただいても、あるいは文字起こしをした文章を読んでいただいてもわかりますが・・・。確かに前半部分は「くどい」くらいに教員間いじめの実態を説明しているわけですが(また、そこでは例の「激辛カレー」動画も使われていて、そこが苦言を呈さざるをえないところなのですが)、後半は「それって火消でしかない」という論調で、神戸市長や市教委の対応に釘を刺すような話になっています。
また、その教員間いじめの実態についても、たとえば神戸大学の山下さんのコメントを使って、この動画では「神戸方式」以外にも教員間の年齢構成のいびつさの問題があるなど、従来の見方を修整しようと試みています。
このような次第で、テレビの情報番組においても、先日の毎日新聞「記者の目」と同様に、少し今までの論調とはちがったかたちで、神戸で起きている問題を見ていかなければいけない雰囲気が出始めました。なので「画期的」という思いや、私のコメントをつかっていただき「ありがとうございました」という思いもあるわけです。
ただ・・・。だからこそなおさら、また「激辛カレー」の動画を使った点が、私としてはたいへん、心苦しいわけです。くり返しになりますが、どの報道機関も、もう二度とあの動画は使わないでいただきたいです。どうぞよろしくお願いします。