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京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

今日(12月1日)のプリキュアの話です。

2019-12-01 09:43:32 | プリキュア話

おはようございます。

今日も日曜日なので、いつもどおりプリキュアを見ました。さっそくコメントをさせていただきます。

今年のスタートゥインクルプリキュアも、残すところあと数回。年明け1月末までの放送ですから、そろそろ全体の「まとめ」みたいな話がでてきますね。

また、どうもこの10月11月あたりの物語の展開を見ていますと、「異文化理解」をテーマとした今年のプリキュアの物語には、さらに伏線的に「親からの心理的自立」というテーマも隠されていたような気がします。その「親からの心理的自立」の達成の象徴が、プリキュアたちひとりひとりの「トゥインクル・イマジネーション」の目覚めということなのでしょう。

一方、その「異文化理解」と「親からの心理的自立」という二重のテーマが交錯して、複雑な様相を示しているのが、国際結婚カップルの下で生まれ育ったエレナ=キュアソレイユ。その複雑な様相ゆえに、エレナ=キュアソレイユの「親からの心理的自立」の物語を描くのには、ちょっと時間をかけているようですね。なにしろ、先週のまどか=キュアセレーネの自立話から伏線をはって、今回は問題を投げかけて、途中まででおわる。そして予告編を見る限りでは、次週に本格的にエレナ=キュアソレイユの自立が達成される…という展開のようです。

そして、ひとりひとりのプリキュアに、誰か特定の敵キャラが対応していて、それが個々のプリキュアが乗り越えるべき親の問題を示すという構図。これもこの10月11月ではっきりしてきました。今回もエレナの物語なので、テンジョウが登場。そのテンジョウがエレナの母親のため息から怪物をつくりだして、エレナ=キュアソレイユと対決させていましたね。また、次回の予告編を見ると、キュアソレイユとテンジョウの対決が描かれていました。

ということで、先に今回の物語の要点を書いておいたので、次はストーリー展開をふりかえっておきましょう。

まずは冒頭の場面。留学すべきかどうかを一から考え直すというまどか=キュアセレーネの話を聴いて、他のプリキュアたちはびっくりします。でもまどかは、自分の今の笑顔があるのは、エレナがあとおししてくれたおかげだと言います。そして、エレナ自身は自分の進路をどうしたいのか、高校進学をどうするのかと、まどかはエレナに問いかけます。

次の場面では、エレナの家が描かれます。久々に通訳をしている母親が家に居て、料理をしているのですが、急に仕事が入ってしまいます。そこから私が代わるといって、エレナは弟や妹のために料理をすることになるのですが。

ここでまた場面が変わって、中学校での三者面談の場面が描かれます。担任からエレナに「やりたいことはないのか? 家でよく話し合ってみなさい」と言われます。エレナの母は「何か、迷っていることがあるんじゃないの?」と言うのですが、エレナは大丈夫と答えます。

そんなところへララ=キュアミルキーとひかる=キュアスターがドーナツを持って現れます。エレナの母は「家のことは大丈夫だから、あなたの好きなようにしなさい」といって、エレナを送り出します。ただ、エレナは「あたしの好きなことって…」と、何か迷いがあるようです。

さて、ララの宇宙船に集まってプリキュアたちがドーナツを食べているときに、ひかるはどのドーナツから食べようかと迷います。でも、結果的には「両方食べる」ことにして「悩んだ分おいしい」と言います。これが今週、次週の物語を考える上でのキーワードですね。

また、ドーナツを食べているときにエレナはまどかに正直な気持ちを打ち明けます。エレナは「自分がこれからどうしたらいいのかわからないのが正直な気持ち」だと。ただ、エレナは「プリキュアになっていろんな星に行って、いろんな人に出会った。そういう経験を無駄にはしたくない」とも言います。そんなエレナに、まどかは「エレナの笑顔が見たい。悩むことは迷い道ではない」と言葉をかけます。

さて、買い物をして家に急いで帰ろうとするエレナの母のところへ、テンジョウが現れます。テンジョウはエレナの母のため息から、怪物ノットレイをつくりだします。エレナの母は、「エレナは家族のためにがんばりすぎている。あの笑顔は本物じゃない」と、ため息まじりにつぶやいたのです。

テンジョウが現れたので、当然、プリキュアたちも集まってきて変身します。変身後のキュアソレイユに対して、テンジョウは「お前の笑顔こそが母親を苦しめていた」「笑顔はうわべだけの仮面。そんなもので人はつながれない。くだらないものを守っている」と語りかけます。その言葉が、キュアソレイユを追いつめていきます。

そこへキュアセレーネが登場し、テンジョウに対して「私はキュアソレイユの笑顔で救われた。私たちはソレイユが守りたいものを信じている」ときっぱりと言い切ります。それに勇気を得たキュアソレイユは、「私は笑顔を守る。だから負けない!」と言って、ソレイユシュートという自分の技を怪物ノットレイ(=母からつくったもの)にぶつけます。そしてプリキュア5人と妖精フワの合体技で、ひとまずテンジョウたちを追い払います。

テンジョウたちが去って我に返った母は、家に帰っていきます。その母を追って、他のプリキュアたちと離れて、エレナも家に帰ります。ただ、エレナは玄関の前で家族の声を聴くと、落ち込んでいた自分の気持ちを奮い立たせて、無理に笑顔をつくろうとする。ここで今回の物語は終わりました。

まあ、こんな感じで、「笑顔が大事だ」と思うエレナは、母親の本心に触れて、あらためて「本当の笑顔とはなんだろう?」と思うようになりました。

どうやら次回のテンジョウとキュアソレイユの対決も、「本当の笑顔」をめぐる対決になるようですね。また、それは母親の前でこれまで見せてきた、無理を重ねてきたエレナ自身を一度、崩して、あらためてエレナが自分で輝いて、笑えるようになるという、そういうかたちで親からの心理的自立を達成する物語になるのではないか…と思います。

ということで、ひとまず今日のプリキュアの話、おわります。

 


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