できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

今日(12月22日)のプリキュアの話です。

2019-12-22 10:54:07 | プリキュア話

おはようございます。今日は日曜日ですので、いつもどおり今朝のプリキュアの話を書いておきます。

さて、どうやら今日12月22日の放送分が、年内最後になる様子。また、予告編を見る限り、年明け1月5日の放送分から、いよいよ今年のプリキュアと敵たちとの最終決戦に入るようですね。ということで、今回の放送分は「年内のうちに決着をつけておきたい話」をまとめる回になりました。

それで「年内のうちに決着をつけておきたい話」となりますと、まず1つめは、ひかる=キュアスターの「トゥインクル・イマジネーション」の力が目覚めること。前々から書いてきたとおり、「トゥインクル・イマジネーション」の力に目覚めるとは、どうやら思春期くらいの子どもが、いろんな試練に出会い、仲間にささえられるなかで「自分のほんとうにやりたいこと」に目覚めることを指している様子です。いわば「思春期の自己の再統合」が、この「トゥインクル・イマジネーション」の力に目覚めることのようです。

ただ、今回のひかる=キュアスターの場合、結果を先取りしていえば「今までどおりの自分のままでいい」ということになるのですが。でも、その「今までどおりの自分のままでいい」ことに気付くためにも、やはり、思春期の頃にいろんな試練に出会って、仲間に支えられて・・・ということが必要。今回は、そんなことに気付かせるストーリーに仕上がっていました。

もう1つの話は、「異文化理解」の話。ララ=キュアミルキーやユニ=キュアコスモのように、地球以外の星で生まれ育ったプリキュアが今年の物語には登場しています。また、国際結婚カップルのもとで生まれ育ったエレナ=キュアソレイユもいます。異なる文化のもとで生まれ育った子どもたちどうしが互いを理解し、共存していくことができるのかどうか。そのことも、今回のストーリーでは「できる!」というメッセージを発するかたちで終わっています。

では、具体的に今日の物語を見ておきましょう。

まず、冒頭ではひとり、部屋で自分のトゥインクル・イマジネーションへの目覚めが遅れていることを悩んでいるひかるの姿が描かれます。他方で、ララの宇宙船でユニが今後暮らすこと(今まではあちこちを転々としていた)、まどか=キュアセレーネが留学について未だ迷い中、エレナは留学の準備に入ったことなども語られます。

部屋で悩んでいるひかるをララが迎えに行き、一緒に宇宙船にいこうとする道中で、ふたりは学校の仲間に出会います。ララは仲間たちからサマーン星のことを聴かれたり、宇宙船に遊びに行きたいと言われたり…。ララは「隠し事なしでみんなとつきあえるのは楽しい」と言います。いままでは自分は異星人だと隠して暮らしてきましたから。

他方で、いろいろと悩んでいるひかるは、遼太郎じいさんのいる天文台へひとりで出かけます。そこで冬の星座教室の手伝いをしてほしいと頼まれます。ひかるは自分が星に興味を持ったのは、星座教室に参加したことがきっかけだったことに気付きます。その最初に星座教室に参加したとき、「星座は星と星との結び方で、いろんなかたちがつくれる。見る人の自由」と、遼太郎じいさんから聴きます。それを聴いたひかるは、星に興味をもったのでした。

遼太郎じいさんとプラネタリウムを見ながら、ひかるは自分の迷いを語りはじめます。いままではひとりでも平気だったけど、ララたちと出会って、仲間が気になること。でも、仲間がどんどん何かに目覚めているのに、自分だけが進んでいなくて、何かおかしいと思っていること、等々。遼太郎じいさんはひかるに「友達ができるのはそういうこと。時には比べてしまう」「環境が変わっても、白鳥座のデネブは輝く」と語ります。その言葉を聴いて、ひかるは仲間のところへ戻ろうとします。

このとき、遼太郎じいさんの若いときの姿が描かれているのが、またなんともいえない味を出していましたね。ひかるの祖父母と遼太郎じいさんは幼なじみのようですが、ひかるの祖父母たちが先に結婚してしまって、ちょっと自分が置いていかれた感じがしたような、そんな場面が描かれていました。今年のプリキュアは、こういう「このおとなや敵がこんなことを語るのは、過去にこんな出来事があったからだよ」という場面を音声なくさりげなく挿入するような、そんな演出が多い気がします。

さて、仲間のもとにもどろうとするひかるのところへ、カッパードが出撃してきます。カッパードは、異星人に自分の星が奪われたことへの怒りと悲しみからゆがんだイマジネーションを創り出し、それを攻撃のエネルギーにしています。ひかるには「ぬくぬくと生きてきたお前には、この悲しみがわからない」「異星人が理解しあえるなんて、きれいごとだ」と語りながら、今まで以上のパワーで攻撃をしてきます。

ひかるはキュアスターに変身して応戦しますが、カッパードに追いつめられます。また、キュアスターを助けるために他のプリキュアもやってきますが、倒されていきます。その姿を見て、キュアスターはトゥインクル・イマジネーションを見付けられない自分を責めます。

ただ、そのなかでもララ=キュアミルキーだけは、カッパードに対して「2年3組のみんなと自分は仲良くなれた(だから、異星人どうしでもわかりあえる)。私らしくしていても、みんなが受け入れてくれた、理解しあえる」と反論します。そしてキュアミルキーが「ひかるは、ひかる」と語ったときに、キュアスターは遼太郎じいさんのデネブの話を思い出します。

「私は私、かがやいていたい」「私はみんなのことを、もっと知りたい。カッパードのことも」とキュアスターが気付いたときに、キュアスターにもトゥインクル・イマジネーションの力が芽生えます。結果的に「自分は何も変わらなくていいんだ」ということに気付いたわけですが、そこにたどりつくためには、キュアスターには迷うこと・悩むことが必要。また、「自分は何も変わらなくていいんだ」ということに気付くためには、キュアスターにはキュアミルキーや他のプリキュアといった仲間と、そして、遼太郎じいさんのような家族以外のおとなが必要だった…ということですね。

そして「あなたのことがわかったから、こわくない。みんなのことを分かってほしい」と語りかけて、5人のプリキュアの力を集めてカッパードを倒します。ただ、倒されたカッパードにキュアスターが手を差し出して握手しようとするのですが、その前にカッパードが敵のボス・ダークネストに連れ戻されます。

ということで、今回のプリキュアの話はおわりです。いよいよ年明けからは最終決戦ですね。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする