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京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

12月5日付け毎日新聞「記者の目」に対する神戸市長のツイートを読んで思うこと(神戸・教員間いじめ問題関連)

2019-12-05 23:30:34 | 受験・学校

ちょっとここ数日、本業の大学の仕事や兵庫県宍粟市での学校事故防止に関する教職員研修など、することが多くてブログを書いている暇がありませんでした。

そんな状況のなかで、今までに神戸の教員間いじめ問題関連で読んだ新聞記事のなかでは、私が「いちばん、よく書けている」と思った新聞記事に出会いました。それが今日(12月4日)付けで配信された毎日新聞の下記の記事です。

神戸教諭いじめ 残念な事後対応 「制裁」より児童のケア先に=春増翔太(神戸支局) (2019年12月5日付け毎日新聞配信)

実際にリンク先をクリックして、記事を読んでいただければいいかと思いますが…。

記事の趣旨は、加害教員への給与停止等の「制裁」が優先されて、なによりも大事な当該の学校の再建や子どもたちへのケアが後回しになっていないか、というものです。また、実際に当該の小学校では、子どもや保護者からも「これから学校をどうすればいいか、話し合いたい」という趣旨の意見があることも、この記事では紹介されています。なので、私としては、これまでこのブログで訴えてきたことがきちんと記者さんに伝わったこと、ブログで書いたことの趣旨をふまえた取材が学校現場でも行われた…という印象を受けました。

ですが、こういう記事がでると「おさまりがつかなくなる」のが、今の神戸市長のようですね。

今日はこの記事に対して、次のようなつぶやきをツイッターでしていました。

今朝の毎日新聞で、春増翔太記者は、加害教員への分限休職処分が「法令の原則に反する」と。「久元市長はどこまで考えたのか」と。考えに考え抜いたのですよ。その論拠は詳しく明らかにしている。春増記者さん、法的な疑問点は、是非とことん私に訊いて下さい。次回の定例記者会見でお待ちしています。久元喜造(神戸市長) (@hisamotokizo)  https://twitter.com/hisamotokizo/status/1202384218229104642?s=20

これを読んで、私が感じたこと(=すぐにツイッターでつぶやいたことでもありますが)は、以下のとおりです。

考え抜いて取り組んだ結果が、この程度なんですね。わかりました。

○神戸市長の3つの痛いところ。1、加害教員の分限休職と給与支給停止条例の法的問題。2、当該の学校、特に子どもへのケアや支援の不足という問題。3、世論を煽り煽られするなかで1を優先し2を後回しにした市長判断の問題。これを毎日新聞の記者さんは指摘したわけですね。なるほどなるほど。

○なおかつ今朝のTwitterで神戸市長は、あらためて1の加害教員の休職処分問題で毎日新聞の記者さんに反論して世論を煽ることで、2の当該の学校や子どものケア問題と、3の世論を煽り煽られしてきた自分の判断の問題をごまかそうとしていますね。なるほどなるほど。よくわかります。

○要は神戸市長、ボクは世論も後押ししてるし、考え抜いて法的にもつじつまあうようにしたのだから、問題ないでしょと言いたいわけですね。でもね、その結果がいまの神戸・須磨の学校の状況。それをどう考えるの?というのが、毎日新聞の記者さんの指摘。問われているのは市長の一連の対応です。

○当該の学校、特にそこに通う子どもの問題は後回しで、加害教員の処分問題への対応に邁進してきた神戸市長や市教委上層部の動き方。これを指摘した毎日新聞にきちんと応答すべきなのは、市長や市教委上層部の側。あなたたちが今度は問われる番です。あなたたちも組織風土の一部ですから。

○なお、このように特定の記事や記者さんを取り上げて、首長が名指しで批判し、世論を盛り上げるやり方そのものが「いじめ」的ですね。かつて橋下流政治で大阪がやったことの二番煎じのように見えます。自省と自制を求めます。

ひとまず今日のところは、ブログに何か書くのは、このあたりでとどめておきます。なお、例の校長らのボーナス増額停止の問題へのコメントもありますし、また、阪神淡路大震災から25年目の節目を前にして、震災のことを考えるのをやめようとしているかのような動きも、神戸にはちらちらと見受けられるようになってきました。そういったことをひっくるめて、また後日、ブログでコメントをしたいと思います。


 




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