できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

「私たちの学校、公教育を、この手でもう一度創り直す」ためにも「あきらめない、まけない」

2019-12-23 20:40:17 | 受験・学校

昨日も西宮勤労会館での講演会に、私のブログを見ておられる方が来ていました。それも地元西宮の方だけでなくお隣の芦屋や、大阪市内や神戸、明石・・・と、いろんな街から来ていましたね。

今日も午後から神戸市内で現職教員のみなさんの学習会に顔を出しましたが、そこに来ておられたみなさんも、私のブログを見ておられるとのこと。

そして、いろいろとまだ論調や情報発信の方法には課題がありますが、テレビや新聞といったマスコミ関係者のなかにも、私の書いたブログを見ている方がいるようです。

ほんとうに、みなさん、ありがとうございます。

今の私には日々の大学での仕事+すでに引き受けている学外の仕事等々だけで手一杯で、なかなかみなさんの今、活動しておられるところまで出向くことはできません。

でも、日々、今の子どもや学校の様子を見ていて、「これはなんか、おかしいやろ~」と思うこと。あるいは、その「おかしいやろ~」と思うことに対して、「ほんとうはこういう道筋で考えたほうがいいんじゃないか?」と思うこと、等々。自分の気付いたこと、思うことを発信することだけは、このブログ経由でできます。

いつも私の書いた本、『新しい学校事故・事件学』(子どもの風出版会、2017年)にサインを求められたとき、「あきらめない、まけない」ということばをそえています。もともとはプリキュアの劇場版映画のなかで、プリキュアたちの歌のなかででてきたことばなんですけどね、これ。

でも、今はほんとうに、これから先、なにがあっても「あきらめない、まけない」でいることは大事だなあって思っています。特に「私たちの学校を、私たちの手に取り戻す」ためには。

それこそ、あの教員間いじめの件で大きな社会問題になり、バッシング等々の渦中にある神戸の学校関係者や教委関係者にしてみれば、毎日「いまをしのぐ」だけで精一杯かもしれませんね。この教員間いじめの問題で学校がバッシングにさらされて、つらい思いをしている子どもたちや保護者、地域住民の方々もいると思います。

あるいは大阪の学校関係者や保護者、地域住民のみなさん、そして子どもたちのなかには、チャレンジテストだの、教員業績給だの、あの手この手で既存の公教育、特に学校を解体する動きにさらされて、連日、つらい思いをされている方もいるのではないかと思います。

ほんとうに連日、荒れていく・こわれていくばかりの公教育、特に学校なのですが・・・。

また、いますぐ私に、その動きを食い止める策も術もありません。

でも、今日はツイッターで、こんなことをつぶやきました。

この気持ちは、どちらも、正直な今の私の思いです。

「荒れた大地は自分の身近なところにもある。外国に出かけて砂漠に井戸を掘るような仕事は自分にはできないけど、身近なところにある荒れた大地を少しずつ耕し直すことは、自分にもできそう。私は教育や子育ての領域で、京阪神というか近畿圏で、まずはそれをやろうと思う。」

「誰かに攻撃され抑圧された人々が、別の誰かを攻撃したり抑圧したりする。そんな「負の連鎖・循環」を断ち切る。これに対して、誰かに助けられ励まされた人々が、別の誰かを助けたり励ましたりする。そういう「いいことの連鎖・循環」を創り出す。神戸の学校の再建にはこれが必要。」

この後者のつぶやきは、たぶん神戸だけでなく、阪神間、大阪、京都・・・等々。いろんな場所でいま、求められていることのようにも思います。

もう一度、壊れてしまった学校、公教育のかけらやがれきを整理して、そこから「まだ使えそうなもの」や「これからも大事にしたいこと」を拾い集めて、それを手がかりにして「私たちの学校、公教育」を取り戻していく。「私たちの学校、公教育をこの手でもう一度、創り直す」ためにも、やはり「あきらめない、まけない」という気持ちだけはなくしてはいけないな、と思います。プリキュアを見習って・・・。



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おかげさまで無事に西宮勤労会館での講演会を終えました(お礼)

2019-12-23 09:32:35 | 受験・学校

12月22日(日)午後、西宮勤労会館で講演をします。

おかげさまで昨日、無事に西宮勤労会館での講演会を終えることができました。年内の講演会や研修講師の仕事は、昨日の分で終了です。

今回は日頃、私のフェイスブックを見ておられる主催者の方から「どうしても…」という話があって、この講演会をお引き受けしました。日頃の「おぶ~ちゃん」ネタがそんなに面白かったのかな~とか思うのですが…。

また、西宮市教委の後援がついた関係で、西宮市内の公立小中学校で講演会の案内が配布され、娘がその案内を持ち帰って「こんなんやるんや~。「教授の娘」っておちょくられるわ~」と嫌そうな顔をされ、妻には「あんた、またこんなことやって…。近所の他のお母さんに何言われるか…」とキツイこと言われたり…。

開始前にはそんなこともありましたが、でも、ふたをあけてみれば地元の西宮の方々だけでなく、神戸や明石の方から来た方、大阪のほうから来た方々など、40~50人くらいはいたのかな? いい感じで人が集まったように思いました。フェイスブックやツイッター、自分のブログ等々、いろんなところで告知しましたので…。「言うてみるもんやな~」と思いました。

特にテーマが「いじめ・不登校」だったので、西宮市内の不登校のお子さんと暮らしている保護者の方が何人か、参加しておられました。また、主催者からのリクエストで、西宮市内の義務教育学校開設に関する話を織り交ぜてほしいということだったので、その開設に疑問をもっておられる地元の方も参加してましたね。

まあ、いじめや不登校の話に加えて、義務教育学校の話等々も…というリクエストがあったものですから、「個別具体の話から制度改善へ」という、子どもオンブズの話をどうしてもすることになりまして。また、子どもオンブズの話をすると、これもまた、自治体の子ども施策や教育施策の話をすることになり…。

さらに、今は自治体が子ども施策や教育施策を「売り物」にして、人口増や税収増を狙って競争する環境になっていること。学力テストで競わせるだけが競争ではなくて、他の施策でも競争していること。

そんな競争的環境のなかでで開設される義務教育学校の説明会で行政当局が話す内容は、住民の呼び込みのためにええことばかりいうから「マンションポエム」みたいになること。そして、そういう「マンションポエム」にあうような実態をつくるために現場教職員が酷使され、職員室はぎすぎすするし、子どもがそこに巻き込まれて不機嫌になる…。

でも、首長は教委を巻き込みながら、まるで自分が「ブラック企業の経営者」のように、公務員(教員を含む)に「学力テストの点数をあげろ」「住民サービスをあれもやれ、これもやれ」と号令をかけ続けている…と。

また、「言う事きかない職員には辞めてもらう、出て行ってもらう」とまで首長が言いかねない環境では、「上から言われていることだけやっていればいい」という指示待ちや、上意下達の関係ばかりができてしまう。

これが結局、校内での教職員間のパワハラを助長する環境をつくっているのではないか。教職員から子どもへの暴力・暴言を助長する雰囲気をつくっているのではないか、と。不登校やいじめの問題も、こういう学校環境が生み出しているのではないか…。

あと、「子どもがしあわせを感じる学校」っていう講演テーマに関連して、「子どもの権利擁護」の観点から考えると、「肝心の子どもの話を聴かないとわからないよね」とか。「おとなが考えている子どものしあわせと、子ども自身が願うしあわせってズレているよね」とか。あと、「でも、おとなが子どもによかれと思って余計なことをしてしまう構造自体を問題にしないと、個々の保護者や教職員をひどい人だと攻めてばかりいても、何も変わらない」「だからこそ、理念や評論をするだけでなく、その次に来る話、現実を変える実務の話が大事なんだ」と。

だいたい、こんな感じの話をしておりました。

そうそう、顔見知りの方も何人か参加しておられまして…。またまた、おぶ~ちゃんをもっとおぶたにするような差し入れを届けていただきました。ありがたいことです。

最後に、おかげさまで『新しい学校事故・事件学』も12冊売れました。ありがたいことです。今後もがんばって売り続けます。


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