今日の夕方、例の神戸の教員間いじめ問題に関連して、研究室であるマスコミの方からの取材を受けました。
そのときにふと「そういえば、例のハラスメント問題での弁護士らのチームの調査、どうなってるんですかね?」と記者さんに問いかけてしまいました。で、そのときに私から記者さんに伝えたのは、次の3点。
(1)もしかしたら年末年始の節目をねらって、弁護士らの調査チームの報告書を出すのかも? そうすれば、報告書を出したあと、神戸市役所・市教委などにいろんな問い合わせ、苦情の電話等々があっても、誰も対応できない。静かに年末年始を迎えることができる。
(2)もしかしたら、なにか思わぬ壁にぶちあたって、調査自体が難航しているのかもしれない。たとえば、当初予想していたよりも事実確認がしづらかったり、なかなか事実の裏付けとなる文書等が出てこなかったり、被害にあった教員側の主張と加害教員側の言い分とが異なる部分が多かったり・・・。
(3)もしかしたら、例の加害教員に対する分限休職処分や給与差し止め問題について異議申し立てがなされたことで、弁護士チームの出す報告書も、どこで出すか、タイミングを見ているのかもしれない。というのも、弁護士チームが報告書を出したあとで、加害教員からの異議申し立てが認められて分限休職処分や給与差し止めが見直されることになったら、弁護士チームの面子が丸つぶれになりかねないから。
その上で、取材を終えてツイッターで「あの弁護士チームの調査、どうなってるんですかねえ?」とつぶやいたら、「越年ですって」と教えてくださる方が居て・・・。そこで紹介されたのが、下記の産経新聞の記事です。
神戸教諭いじめ、調査報告は越年へ 資料送り忘れで(産経新聞2019年12月17日配信記事)
https://www.sankei.com/affairs/news/191217/afr1912170012-n1.html
この記事によると、神戸市教委から調査チーム(この記事のなかでは「調査委員会」と表記)に対して、被害教員からのいじめの内容等を書いたメモや手紙など10点の資料が送り忘れられていたことが判明。調査チームの報告書づくりの作業が年を越すことになったということです。
だから、上記の(2)のパターンで、作業が遅れているということになりますね。少なくとも上記(1)の可能性はなくなりました。
ただ・・・。この記事を読んでいて不思議だと思ったのは、報告書提出を前にして市教委からあらためて資料を調査チームに出して、それではじめて調査チームは「今まで見たこともない資料がある」と気付いたという点です。私は思わず「ええっ???」と思ってしまいました。
というのも、この記事を読んだときに、「この調査チームはいったい、12月のこの時期に市教委からあらためて資料をもらうまで、いったい、何を調べていたんだろう?」と思ってしまったわけです。
たとえば調査チームの弁護士は、被害にあった教員から事情を聴くことも当然あるだろうし、加害教員側からも、周囲にいた教員や市教委の担当者からも事情を聴くこともあるでしょうけど・・・。そのときに、「このことに関する記録やメモ、残ってませんか? 裏づけになるものがほしいので、もしも記録やメモがあったら、すぐに出してもらえませんか?」という話、必要になる都度、関係者にしてこなかったんですかねぇ?
あるいは、最初に市教委に資料提供を受けたときに、調査チームの弁護士は「この事案に関連する資料類は、これ以外にありませんか? あったらすぐに、追加で出してください」という話はしなかったのでしょうか?
調査チーム側に今まで資料を渡してこなかった市教委側もさることながら、関連資料がまだ残っているかもしれない可能性(恐れ)に何ら注意を払ってこなかった調査チーム側も、私から見ると「ほんとうに大丈夫?」と思ってしまうような、そんな記事の内容だったのですが・・・。ここにひっかかるのは、私くらいでしょうか?
それとやはり、この記事は上記(2)の線でまとめられた記事ではあるのですが、私としては上記(3)の線も気になっている面がありまして・・・。
今回、関連資料で市教委が調査チームに渡してなかったものがあることが発覚したことで、調査が「越年」することになった。そのことで、加害教員側からの分限処分等に対する異議申し立ての動きを見ながら、あらためて調査チームの報告書を出す機会をうかがう余裕ができた。そんな見方もできなくはないんですよね。
「な~んか、この記事、いろいろとウラ事情がありそうだなあ・・・」と、この記事を読んで、そんなことを思ってしまった次第です。せめて関連資料の送り忘れの経過くらいは、調査チーム、きっちり調べておいてほしいですねえ・・・。