雪崩の対処法教えず=引率教諭「絶対安全と判断」-8人死亡で謝罪・栃木
(時事ドットコムニュース、2017年3月29日)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017032901047&g=soc
まずは、この雪崩事故で亡くなったみなさんのご冥福をお祈りします。
そのうえで、次のことを書かせていただきます。
まず、このケースにも、文科省「学校事故対応に関する指針」を適用して、栃木県教委及び亡くなった子どもの在籍していた当該の高校は、その趣旨どおりの事後対応を行わなければいけません。
主催が高体連であったとはいえ、それぞれの高校山岳部が教員の引率のもと、部員をつれて、この山での登山活動をしていたわけですので。
その点では、スポーツ部活動の対外試合で起きた重大事故と同じ位置づけでとらえる必要があります。
次に、その栃木県教委や当該の高校が行う事後対応のなかには、たとえば、亡くなった子どもの遺族への対応、事故原因に関する調査・検証作業、そして当該の学校の再出発に向けての作業等々、いろんなことが含まれます。
そのうち調査・検証作業に関しては、少なくとも「基本調査」といいますか、初期段階の調査として、現場に居合わせた子どもや教職員らから詳しく事情を聴くとか、レスキューに出動した消防等の情報を集めておくとか、地元気象台の観測データをとっておくとか、いろんな作業がありますね。
また、スポーツ庁が担当者を派遣したとかいう記事も、この上記の記事とは別にあります。
だとすると、そのスポーツ庁の担当者も、この「指針」のとおりに栃木県教委や当該の高校が動けるようにアシストしなくちゃいけません。
このように、まずはきっちりと、「今ある「指針」を活用して、栃木県教委や当該の学校が動けるように」という話を、誰かがするべきときかと思います(もちろん、先方から要請があれば、私、栃木まで行くつもりでもありますが・・・)。
でも、事故発生後のマスコミ報道のなかで、そういう話がほとんどでてこないところが、私としてはたいへん気がかりです。
もしかして報道関係者のみなさん、「指針」についてはご存知ないのでしょうか?
そして、そういう「指針」の趣旨にもとづく事後対応の基本的なことをきっちりやっていく上で、私の出したばかりのこの『新しい学校事故・事件学』が多少なりとも役立ってほしいのですが・・・。
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でも、そうやってこの本が役立つことが、いいことなのかどうなのか。
たいへん、気持ちがぐらぐら、ゆらぐところです。
この本が役にたつということ=誰かが学校事故で亡くなって、事後対応の必要性が生じているということですから。
ただ、昨夜、ある事故防止の研究をしている人が「訴訟でないと~」みたいなことをフェイスブックで書いているのを先ほどみました。
これについては、「あのさあ、なんのために「指針」つくったと思ってんだよ? 訴訟の前にやるべきこと、あるでしょ?」と、この場をお借りしてひとこと、言っておきます。