できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

昨日の話の続き

2008-03-03 19:36:13 | インポート

今日は、NPO専従スタッフの雇用形態に触れた、昨日の話の続きです。

昨日も書いたとおり、これから地方自治体行政当局が「財政難」などを理由に、人件費削減等のねらいで、正規雇用された公務員を非正規雇用の職員に置き換えたり、あるいは、その業務をNPOなどに委託するということがでてくると思います。

でも、昨日も触れたとおり、NPOの専従スタッフの雇用形態というのは、きわめて不安定。たとえば、そのNPO団体がきちんとした財源を持つのであればまだしも、行政当局からの事業委託とか、助成金の獲得とかに依存した運営をしているのであれば、その団体の専従スタッフについては、「カネ(事業)の切れ目が縁の切れ目」というようなケースと思います。また、「3年契約での事業委託」ということになれば、当然、「3年たったら専従スタッフも不要」という話がそのNPOのなかで出てくるかもしれません。

NPOの専従スタッフについて、似たような活動をしている団体の間で、それこそ「渡り職人」のように自らの腕と知恵を必要とするところへ移り歩くような、そんな人の交流が行われていれば、ある団体で切られたとしても別の団体で採用されるということもあるので、またちがうのでしょう。でも、少なくとも私の身近なところでは、NPO専従スタッフの間でそういう「渡り歩き」ができているという話は、まだ聴いたことがありません。

個人的には、たとえばこうした行政からの事業委託を請け負うNPO間で、専従スタッフの交流を促進して、ある人がある団体で経験したことが別の団体で活かされるとともに、雇用もそれなりに継続していくことができるような、そんなシステムをつくることができればいいのではないか。そうすることで、「カネ(事業)の切れ目が縁の切れ目」ということで、NPO専従スタッフの生活が脅かされることが、多少は緩和されるのではないかな、と思っています。

と同時に、行政当局が事業委託費を大幅にケチって、専従スタッフなどがとても生活していけないような形でNPOに仕事を任せようとするときに、こうした「渡り職人」的にNPO間を異動している専従スタッフが核となって、NPOがお互いに連携しあいながら「そういう委託のしかたはおかしいだろ!」と声を挙げていくことができれば・・・・、とも思うのですが。

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