できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

「経費削減の取組について(素案)」への意見募集

2008-09-06 09:40:05 | ニュース

http://www.city.osaka.jp/shiseikaikakushitsu/gyokaku/iken_bosyu/keihi_sakugen.html

テレビや新聞の報道では、大阪市職員の給与削減のことがクローズアップされているような印象ですが(もちろん、そのこと自体は重要な問題なので、どんどん議論してほしいのですが)、この「経費削減の取組について(素案)」のなかで、「もと青少年会館」の今後についての提案も出されています。私にとっては、このブログの趣旨から見て、こちらの提案をどう見るかということもまた、きわめて重要な問題です。

ちなみに、上記のホームページから「もと青少年会館」の今後についての提案をみると、「資料3 受益と負担の適正化、施設・制度の効果的効率的な運営を図るもの」に次のようなことが書かれています。

・もと青少年会館 ▲329百万円【教育委員会事務局】 P42
22年度 他の施設との統廃合を視野に入れ見直しを進めるが、利用者への影響が小さくなるよう検討する。

この一文を、私たちとしてどう見るか。そこが、大阪市内各地区で「もと青少年会館」を利用しつつ、子ども会や識字教室、中学生・高校生の学習会、その他学習・文化活動を行ってきた人びとの今後の動き方を左右することになります。

私としては、まず、今の利用者が「もと青少年会館」を使って、どんな活動を行い、どんな成果をあげているのか。また、その取り組みのなかでの課題はなんなのか。大阪市の行政当局として、利用者側の意見をきちんと聴く機会を設け、今後の検討に役立てること。これが先決だと思います。

それも「話を聞く機会を持ちました」というアリバイづくりのための意見聴取ではなく、きちんと、「各地区での拠点施設をどう維持(整理)するのか?」について、原案づくりの段階から、そこに暮らす住民や利用者が参加し、検討を積み重ね、今後の施策に反映させていくような、そんな取り組みを希望します。青少年会館条例廃止・事業「解体」ということを前にして、まだ活動中の青少年会館で実施された説明会の様子を聴く限り、地元住民や利用者との信頼関係構築にあたって、「前みたいなアリバイづくりのための意見聴取はやめろよ」といわざるをえません。

ちなみに、実際に利用する側には、たとえば「あの調理室、カギ開けてくれたら、子ども会や識字教室で有効活用する」とか、「あのプール、地元住民の団体で管理することができるようにしてくれたら、夏休み中に地元の子どもたちに提供できるのに」とか、「せっかく工作室があるし、あそこには陶芸のいい釜があるのだから、あれを使わせてくれたら、子どもたちの体験活動が充実できるのに」等々、今の「もと青少年会館」を「もっと有効活用する」アイデアを持つ人もいます。そういう人びとの意見などを、もっと大阪市当局は聴いてほしいところです。

実際に今「もと青少年会館」を使って活動している人の状況から考えると、「ここを閉鎖して、他の施設と整理する」というのは、「とんでもない話だなぁ」と思います。むしろ、「もっと、もと青少年会館を自由に使わせてくれたら、自分らが有効活用するのに」「あそこの建物や部屋にカギかけて、眠らせているのはもったいない」という声すら、利用者の間から出ているのです。

また、行政当局側が「実際の各館の利用率が・・・・」というのなら、「子どももおとなも学校や会社で活動中の、平日の昼間の部屋の稼働率をカウントしてたら、そりゃ低くなるぜ」とか、「子どもや若者がふらっと立ち寄り、あそんだり、勉強したりする活動を各館で実施するなら、平日の午後~夜間の来館者はもっと増えるぜ」と言いたくなります。場合によれば、「もと青少年会館の建物の管理人くらいなら、私らがボランティアでやってもええ」という地元の団体とか、個人とかも、探せばでてくるかもしれません。そういう人に管理人をお願いしたら、人件費もある程度、浮きますよね?

要するに、数値データの取り方も含め、「もと青少年会館」について、将来的には「閉鎖する」ことや、「他の施設との統廃合」を前提にして行政サイドから取り組まれていることを、「ほんまにそれでええんか?」と問い直し、利用者や住民の側にとってほんとうにいい地区内拠点施設をつくる方向で検討しなおす。そのことができるように、利用者や住民側からきちんと声をあげ、その声を行政施策に反映させるルートをつくること。行政サイドも、利用者や住民側の意向をきちんと把握して、今までの施策の方向性がまちがっているのならそれを是正すること。その際に、今の形態でも年間、どの程度の経費がかかっているのかということを行政サイドから情報公開するとともに、経費削減に向けて、地元住民や利用者側からも協力できる案はないか、いっしょに考えてみるということ。

こういったことを、今から1~2年かけて、大阪市内の各地区で「もと青少年会館」の今後に向けて、行政と住民・利用者側とで歩み寄って、やっていくべきではないのかな、と思います。そろそろ、この2年か3年くらいの手法を転換する時期ではないのでしょうか・・・・。

<script type="text/javascript"></script> <script src="http://j1.ax.xrea.com/l.j?id=100541685" type="text/javascript"></script> <noscript> AX </noscript>

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大阪市教委「重点行動プラン... | トップ | これってほんとうにいいの? »
最新の画像もっと見る

ニュース」カテゴリの最新記事