清運寺だより

ようこそいらっしゃいました。甲府市にある日蓮宗寺院の住職のブログです。日々の出来事、感想、行事などをご紹介します。

画材喫茶 レモン

2008-04-10 21:21:15 | Weblog

今日の山梨日日新聞のコラム「風林火山」で思いがけず懐かしい名前を発見。

梶井基次郎の「檸檬」の引用から始まる一文に、こう続けて書かれていました。(内容としては山梨学院大学に丸善がオープンしたという話ですが)

 -筆者が大学生活を送った東京の街にも丸善はあり、しばしば立ち寄った。道を挟んで「レモン」という画材喫茶があり、その街が作品の舞台だと思いこんでいた。-(山梨日日新聞平成20年4月10日より引用)

 その文章を読んで、瞬時にその街がJRお茶の水駅前のことだとわかりました。いまでこそ、お茶の水はオフィス街になっていますが、それ以前はたくさんの大学がある学生街でした。

おそらく、筆者の方は、お茶の水にある大学に通われていて学生時代、駅前にある書店の丸善や画材喫茶「レモン」を利用していたのでしょう。

 画材喫茶レモンは私の記憶では一つのフロアーが狭い縦長のビルで、下の階に画材の売り場、上の階は喫茶になっていたように思います。お茶の水界隈の大学生がよく利用する店の一つでした。

 レモンという言葉で思い浮かぶのが梶井基次郎で、画材喫茶「レモン」を知っているとなれば、おそらく筆者は昭和50年代くらいに学生だったのではないでしょうか。学生運動の嵐が去ったあとに学生時代を送った方のように思われます。(そんなことを想像してもしかたないのですが)

 その当時、お茶の水界隈の学生は苦学生も多く、裕福な学生は少なかったころですから、そのような学生にとって「レモン」はちょっと価格が高めの喫茶店だった様な記憶があります。 どちらかというと、お茶の水の坂を下った安い天ぷら屋の「いもや」や学食などもっと安い店を利用していた人の方が多かったように思います。

 また、その当時、お茶の水には今ではもう死語になっている名曲喫茶もありましたし、現在は明治大学の校舎になっているところに、ホテルがあり、その喫茶室ではいつもシャンソンが流れていて、コーヒーは深入りのフレンチローストだったとか、いろいろなことが思い出されてきます。

 今朝食べた朝食のメニューは思い出せないのに、昔のことを思い出せるのは年のせいでしょうか。

画材喫茶「レモン」という懐かしい言葉で青春のひとコマが走馬灯のように私の頭の中を駆け抜けていきます。

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椿姫~ラ トラヴィアータ

2008-04-10 10:21:22 | クラシック

清運寺境内の椿が満開です。この椿は以前、デパートの新潟物産展でいただいた雪椿です。長い間、鉢植えにしていたのを、昨年、地におろしたものです。

新潟産ですから、夏暑く、冬空っ風の吹く山梨の気候には合わないのではと思っていましたが、案外丈夫で毎年たくさんの花を咲かせてくれます。

 いつも、このように満開になった椿を見ると、ヴェルディのオペラ、椿姫のメロディーを口ずさんでしまいます。このオペラはパリの社交界の花だった高級娼婦ヴィオレッタと地方の青年貴族アルフレードの悲恋の物語です。

最後にヴィオレッタは亡くなってしまうのですが、第一幕のパーティーの場面(乾杯の歌で有名)が豪華であればあるほど、最後のヴィオレッタが亡くなる場面の悲しさが際立ってきます。

しかし、ストーリーとしては、最後にヴィオレッタの魂は救われたと解釈される内容なので、後味は悪くありません。

 満開になった椿の枝はヴィオレッタのドレスに見えないこともありません。(そう見えるのは私だけかもしれませんが)

ヴィオレッタは豪華で美しい、そんな姿から日本題名が「椿姫」となったのでしょうか。

でも、だからといって、恋人や奥さんに「君は椿姫のように美しい」などと言ってはいけません。なぜなら、椿姫の原題の「ラ トラヴィアータ」とは、道を外した女という意味ですから、決してほめ言葉にはなりません。彼女がその意味を知っていたら、喧嘩になります。どつかれてぼこぼこにされるかもしれません。

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