前日のショートプログラムで真央は失敗をした。
トリプルアクセルを飛ぶことができるのは世界で真央しかいないが、
これを成功させることがいかに難しいことなのか。
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今シーズン最後の女子フリー演技前の練習が始まった。
上位６人がそれぞれ氷の上を滑りながら調整を行うが、真央は前日の失
敗が尾を引いているのか心なしか不安顔。
色々なワザの確認に余念がないが、トリプルアクセルをどこで飛んで調
整をするのか会場は固唾をのんで見守る。
だがこの練習で真央はトリプルアクセルを飛ぶことはなかった。
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本番で飛ぶのだから、練習で失敗をしてもいいのではないかと素人の私
は単純に考えた。
しかし真央は練習で失敗をして自信を完璧になくして、本番に望むより
はぶっつけ本番で祈るような気持ちで本番に望む方を選んだ。
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『白鳥の湖』の曲が流れ、真央のフリーの演技が始まった。
そしていよいよトリプルアクセルを飛ぶときが。
両手を大きく振り上げ、膝の反動で氷を思いっきり蹴ってジャンプ。
３回転半無事回ってくれと思ったが、体は２回転半で着地した。
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トリプルアクセルを成功させるためには、心技体のどれひとつかけても
、特に心の部分に一点の曇りでもあればまずだめということだ。
真央も２２歳になりピークは過ぎた。トリプルアクセルにチャレンジす
る時期ももう過ぎたのかもしれない。こだわることで選手寿命を短くす
るよりは、少しでも長く現役で楽しんでくれる道のほうがいいのかな。
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