街中にもどって、この日泊まるお宿に荷物を預けると、氷室神社のしだれ桜がちょうど見ごろですよ、と教えてくださったので足を運んでみました。
創建710年。平城京に氷を納めていたという由緒ある神社です。こじんまりとした神社で、境内は観光客でごったがえしていましたが、美しい桜を間近に見ることができました。
桜の木の下にいた鹿さん。神の使いといった佇まいに、思わずパチリ。
この日も奈良公園は鹿たちがそこここにいて、旅行者たちを楽しませていました。私たちも、お宿でいただいた鹿せんべいをあげて、しばし鹿と戯れました。おせんべいを見ると近づいてきて、”ちょうだい” とお辞儀をします。手を広げて ”もう、おしまい” のポーズをすると、物分かりよく、す~っと離れていきます。人間のことばがわかるなんてすごいですね。
お昼は、奈良随一の老舗料亭「菊水楼」さんでいただきました。創業明治24年。120年の歴史があり、政財界の名士が文豪に愛されてきました。昨年の秋に、興福寺貫主の多川俊映さんが日経・私の履歴書の中で触れられているのを読んで、今回是非訪れたいと思っていました。
和食・洋食・鰻の3つのレストランがあり、私たちは和食のダイニングを予約していました。
入り口には、華やかな桜のお着物と鹿の置物が飾られていました。
ダイニングは落ち着いた雰囲気の中、カジュアルにお食事が楽しめますが、私たちのような旅行者の他、お祝いで集まっているご家族も何組かいらっしゃいました。籠に入った季節のお弁当膳をいただきました。
最初に運ばれてきた玉子豆腐。上には筍と木の芽。名前は忘れましたが、奈良の冷酒も少しいただきました。
籠に入った愛らしいお弁当。焼き物、椀物、揚げ物、煮物、お造りなど。おひたしひとつとっても繊細な味付け、包丁使いで、五感に優しく響きます。
豆皿もかわいらしくて、お雛遊びのようです。伝統のお味を堪能しました。
小鹿と遊ぶ子どもたちがかわいくて、思わずパチリ。