サイレントからトーキーの時代にかけて活躍したアメリカのお笑いコンビ、ローレル&ハーディの晩年を描いた伝記ドラマ。スティーヴ・クーガンとジョン・C・ライリーが共演しています。
1930年代、スタン(スティーヴ・クーガン)とオリバー(ジョン・C・ライリー)のお笑いコンビは、数多くのコメディ映画に出演し、アメリカ・コメディ界の頂点にいましたが、プロデューサーのハル・ローチと決別してから、人気が下り坂になっていました。2人は心機一転、イギリスでのツアーを開始しますが...。
4月19日公開の映画ですが、試写会にお誘いいただいて見に行ってきました。映画はわりとよく見ている方だと思いますが、試写会に参加するのは実は初めて。そんなわけで、すべてが物珍しくてきょろきょろしてしまいました。予告映像や映画泥棒のCMなしに映画が始まるのがなんだか新鮮でした。^^
さて、この作品。ローレル&ハーディというお笑いコンビは、この映画で初めて知りましたが、1920年代から戦後にかけて一世を風靡したコメディ界の大スターだそうです。サイレントからトーキーの時代へ、ちょうどチャップリンと同じ時代に活躍したスターなのですね。
黒服の2人組といえば、ブルース・ブラザーズとか、メン・イン・ブラックとかありますが、私が思い出したのはドリフターズのカトちゃんと志村けんさんのひげダンス。^^ ことばのやりとりというより、コミカルな動きで笑わせます。シンプルゆえに引き込まれる、不思議な魅力がありました。
特に映画の中でもたっぷり見せてくれる、トイレと切符売り場の間を行ったり来たりするコメディ劇は、最高におかしかったです。今度こそ!と思うとすんでのところですれ違うので、やきもきしてしまいました。
かつて大スターだった2人が落ち目になって、イギリスでツアーを始めるも、小さなシアターすらお客が埋まらず、泊まるところは安宿。それでもくさらず、互いに支え合い、時にけんかをしながらステージをこなしていくうちに少しずつ人気を取り戻し、最後には大劇場を笑いで埋め尽くすことになります。
心配をかけていた妻たちをようやくロンドンに呼び寄せて、2人の晴れ舞台を見せることができたのは、何よりの妻孝行でした。しかしその後、オリバーの体に病魔が忍び寄っていることが明らかになります...。
仕事が成功している時にコンビがうまくいくのはある意味当たり前ですが、一番つらい時に支え合えるのが真の友情。夫婦以上の強い絆で結ばれた2人の姿に、胸が熱くなりました。