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サントリーホール オープンハウス2019

2019年04月07日 | おでかけ

アークヒルズで開催された「サントリーホール オープンハウス2019」に行ってきました。毎年、桜の季節に合わせて開催されるイベントで、コンサートやガイドツアー、子供向けのアクティビティなどが用意されています。アークのカラヤン広場では、ファームマーケットやインターナショナル料理の屋台も出て、大賑わいした。

イベントがはじまる11時に合わせて訪れると、すでにたくさんの人たちでいっぱい。コンサートを聴くための長い列ができていてあせりましたが、この日開催された4つのミニコンサートも、ガイドツアーも全部参加できて、大満足の楽しい一日となりました。

最初に、大ホールで開催されるパイプオルガンのコンサートを聴きました。荒井牧子さんによる演奏で、バッハのトッカータとフーガ、R・シュトラウスのツァラトゥストラはかく語りきなど。右上のディスプレイに演奏者の手元と足元が映され、手と足の動きを興味深く見ることができました。

サントリーホールは名指揮者カラヤンの意見を取り入れて設計され、1986年にオープンしました。ステージを取り囲むように後ろ側にも席があるという作りは国内初で、当時大きな話題になりました。こういう作りをヴィンヤード(ブドウ畑)スタイルというのだそうです。パイプオルガンはオーストリアのリーガー社によって製作されました。

後でガイドツアーでうかがった話では、パイプオルガンは麦の穂を模したデザインで、垂れ下がった木の部分はブドウの房を表しているそうです。また、天井から垂れ下がった照明はシャンパンの泡を表し、壁の素材はウィスキーの樽と同じホワイトオーク...とサントリーらしく、どれもお酒と関連があるのがおもしろかったです。

この後は、引き続き大ホールでオーケストラのコンサートを聴きました。和田一樹さん指揮、横浜シンフォニエッタによる演奏で、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲、ドヴォルザークのスラブ舞曲、ブラームスのハンガリー舞曲など。ヴァイオリンのソロは14歳の天才ヴァイオリニスト、渡邉響さん。超絶技巧に圧倒されました。

お昼のあとは、小ホールにてオペラ「フィガロの結婚」のハイライトシーンが、ピアノと5人の歌手によって上演されました。歌手たちはサントリーホールのアカデミーの研究生たちで、フレッシュで透き通るような美しい歌声、演奏に魅了されました。

小ホールは室内楽用のホールで、サントリーが世界で初めて開発した青いバラにちなみ、”ブルーローズ”と名付けられています。説明はありませんでしたが、今見るとここの壁も麦の穂がモチーフになっていますね。

その後は、柳田茄那子さん(ヴァイオリン)、田辺純一さん(チェロ)、岩下真麻さん(ピアノ)によるピアノトリオのコンサート。ベートーヴェンの幽霊、マスネのタイスの瞑想曲、ショスタコーヴィッチのピアノ三重奏曲のほか、各楽器のソロの演奏もあり、心躍るひとときでした。

ガイドツアーでは、大ホールのステージの後ろ側、パイプオルガンの前の席からホールを見渡しました。ここはP席とよばれ、かっこいい指揮者を正面から見たい、演奏者の目線で聴きたいという人に人気のある席だとか。たしかに前の席とは一味違った鑑賞体験となりそうです。

最後にホール前にある謎のオブジェ。車輪のようにも見えますが、断面を見ると、サントリーホールのロゴマーク「響」の形になっているそうです。サントリーホールは好きな音楽ホールのひとつですが、こんなにたくさん秘密が隠されていたなんて驚きました。身近に感じられてますますファンになりました。

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