Amazon Prime Video で鑑賞しました。1998年のアメリカ映画ですが、現代を予見するかのような内容。コメディテイストですが、背筋がぞくぞくとして、考えさせられる作品でした。
トゥルーマンは保険会社の平凡なセールスマン。しかし彼は自分の生活が少し変だと思い始めた。もし自分の人生が、実は“演出された作りもの”だったら…? 鬼才ピーター・ウェアー監督のもと、才人ジム・キャリーが絶妙な名演技を見せて絶賛されたヒューマン・コメディの傑作。(Amazon Prime Videoサイトより)
トゥルーマンというのは(作家のトルーマン・カポーティと同じく)実際にある名前ですが、true man とかけているのかな?と思いました。最初はトゥルーマンと同じく、おかしい... どういうこと?と思いながらも真相がつかめず、ずっともやもやしながら見ていました。
トゥルーマンの日常が、彼が知らないうちに勝手に撮影され、放映されているらしいことは、わりと早い段階で気がつきますが、終盤になって、この恐ろしい生体実験?が私が思ってた以上にとてつもないスケールで行われていたことがわかります。
人にもよると思いますが、私にとっては、真相がわかってからの方が、もやもやがなくなっておもしろく見れました。
人権的にも倫理的にも決して許されるべきことではなく、真相を知った時には恐ろしく、怒りさえ覚えましたが、よくよく考えると、プライバシーを切り売りしている現代の YouTuber のようでもありますね。
この映画が1998年に公開されたことを考えると、すごく先見性のある映画だったんだな~と思わずにはいられませんでした。さらに、プロットはフィリップ・K・ディックの1959年の小説「時は乱れて」(Time Out of Joint) から来ていると知って、思わず唸ってしまいました。
それと私が思い出したのは、以前 WIRED で読んだこちらの記事です。
地球は「宇宙人がつくる動物園」であり、世界はシミュレーションなのかもしれない (WIRED)
私たちは知らないうちに、既にトゥルーマンになっているのかもしれませんね。