セレンディピティ ダイアリー

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バイス

2019年04月17日 | 映画

ジョージ・W・ブッシュ大統領を陰で操り、9.11後のアメリカをイラク戦争に導いたとされるディック・チェイニー副大統領の半生を描いたコメディテイストの社会派ドラマ。「マネー・ショート 華麗なる大逆転」(The Big Short) のアダム・マッケイが監督を務め、クリスチャン・ベールがチェイニーを演じています。

バイス (Vice)

1960年代、ワイオミング。イェール大学を中退し、地元で電気工事の仕事に就いていたチェイニー(クリスチャン・ベール)は、後の妻となる恋人リン(エイミー・アダムス)の伝手でホワイトハウスのインターンに採用されます。そしてラムズフェルド(スティーヴ・カレル)のもとで働き、政治の世界で頭角を現していきます。

大統領首席補佐官、国防長官を歴任した後、一時は実業家として政治の世界から距離を置きますが、ジョージ・W・ブッシュ大統領(サム・ロックウェル)から副大統領に請われてからは、影の大統領として圧倒的な権力をふるい、9.11後は嘘の情報で周囲を欺き、アメリカをイラク戦争へと導いていきます...。

「マネー・ショート 華麗なる大逆転」(The Big Short) はぶっとびすぎて、黒い笑いに思わず引いてしまいましたが^^; マッケイ監督に免疫がついたのか?本作はとっても楽しめました。先日見た「記者たち 衝撃と畏怖の真実」(Shock and Awe)とは同じ題材ながら映画のテイストも見る角度もまるで違って、比較しながら興味深く見れました。 

トランプが現れるまでは、史上最悪の大統領といわれていたブッシュですが、彼の陰で権力を握っていたのがチェイニーでした。ぼんくらのブッシュを意のままに操り、国家を私物化し、自分の利益のために戦争と起こした男。本作では彼の悪党ぶりがブラックユーモアたっぷりに描かれます。

本作を見て、最初に頭に思い浮かんだのは「記者たち~」の冒頭に出てきた車椅子の兵士でした。愛国心に背中を押され、命がけで戦争に志願した兵士たち。命を落とし、あるいは心や体を病んだ兵士たちとその家族が、この映画を見てどう思うだろうか...笑いながらも、怒りがふつふつとわいてくるのを感じました。

映画ではチェイニーの悪徳ぶりがコミカルに描かれ、どこか憎めないのも悔しい。ブッシュを操っていたのはチェイニーですが、チェイニーを励まし、支え、ここまでの地位に押し上げたのは妻リンの才覚でした。彼女こそが真の実力者といえるかもしれません。

政治家としても、友人としても、ご免こうむりたいチェイニーですが、家では家族を誰よりも愛するよき父親であり、夫でもあります。娘が同性愛者であると知った彼が、共和党の支持層に受け入れられないからと隠すことなく、娘を丸ごと受け入れる姿に心打たれました。

映画の中で、一般的な国民の代表といった感じで、カート(ジェシー・プレモンス)という白人男性がちょこちょこ登場し、ナレーションも務めますが、彼がこの後どんな役割を果たすか。マッケイ監督の強烈なアイロニーに打ちのめされました。

クリスチャン・ベールの役作りにも度肝を抜かれました。ブッシュを演じたサム・ロックウェルもそっくり。それだけでなく、パウエルも、ライスもどことなく雰囲気をつかんでいて思わずにやりとしました。最後の良心だったパウエルが、とうとうブッシュに加担してしまうところは、「記者たち~」と重ねながら、暗澹たる気持ちになりました。

チェイニーがあのまま実業家として政界を離れたままだったら、アメリカは戦争を起こしたりはしなかっただろう。そしてブッシュがもっとしっかりしていたら...と、考えずにはいられませんでした。

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たけのこの季節

2019年04月14日 | 料理

桜の季節がやってくると、たけのこが出回るのを毎年楽しみにしています。最初は鹿児島産の小さなたけのこから始まり、京都、愛知...とたけのこ前線は少しずつ北上。やがてサイズも大きくなってきます。

うちのお鍋は一番大きいのが直径22㎝なので、あまり大きなたけのこはゆでられません。というわけで、小さいたけのこが出回っているうちが勝負なのです。今年も3月下旬から買ってきては、たけのこごはん、若竹煮、きんぴら、パスタ、青椒肉絲...せっせとたけのこ料理を楽しんでいます。

これは今年最初に買ったたけのこ。たしか鹿児島産だったと思います。長さ15㎝くらいの小さなたけのこが4本ひと山になっていました。

たわしでごしごしこすりながら、きれいに水洗いし、根元と穂先をカットして切れ込みを入れてお鍋へ。たっぷりの水と、米ぬか、赤唐辛子を入れて、1時間くらいゆでます。

姫皮を残して皮をむいて、きれいな水に入れておき、少しずつお料理に使います。

薄味に味付けしたおだしで小さく切ったたけのこを3分ほど火にかけて煮含め、たけのこはよけて、味付きしたおだしでごはんを炊き、炊き上がったら、たけのこをごはんにのせて蒸らします。真鯛とねぎの蒸し煮とともに、おいしくいただきました。

この日は、グリーンピースといっしょにたけのこごはんにしました。ごはんを蒸らす時に、下煮したたけのこと生のグリーンピースをのせ、ひと混ぜしたらできあがりです。この日はメカジキのトマト煮込みといっしょにワンプレートにしました。たけのこごはんは洋風のお料理にもよく合います。

春野菜のオリーブオイル蒸し焼きも添えました。アスパラガス、スナップえんどう、ブロッコリー、グリーンピースをルクルーゼに入れて、オリーブオイルを回しかけ、水も少々。塩をがりりと挽いて、ふたをして3~5分くらい様子を見ながら蒸し焼きにします。もりもりたっぷりいただきました。

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僕たちのラストステージ

2019年04月12日 | 映画

サイレントからトーキーの時代にかけて活躍したアメリカのお笑いコンビ、ローレル&ハーディの晩年を描いた伝記ドラマ。スティーヴ・クーガンとジョン・C・ライリーが共演しています。

僕たちのラストステージ (Stan & Ollie)

1930年代、スタン(スティーヴ・クーガン)とオリバー(ジョン・C・ライリー)のお笑いコンビは、数多くのコメディ映画に出演し、アメリカ・コメディ界の頂点にいましたが、プロデューサーのハル・ローチと決別してから、人気が下り坂になっていました。2人は心機一転、イギリスでのツアーを開始しますが...。

4月19日公開の映画ですが、試写会にお誘いいただいて見に行ってきました。映画はわりとよく見ている方だと思いますが、試写会に参加するのは実は初めて。そんなわけで、すべてが物珍しくてきょろきょろしてしまいました。予告映像や映画泥棒のCMなしに映画が始まるのがなんだか新鮮でした。^^

さて、この作品。ローレル&ハーディというお笑いコンビは、この映画で初めて知りましたが、1920年代から戦後にかけて一世を風靡したコメディ界の大スターだそうです。サイレントからトーキーの時代へ、ちょうどチャップリンと同じ時代に活躍したスターなのですね。

黒服の2人組といえば、ブルース・ブラザーズとか、メン・イン・ブラックとかありますが、私が思い出したのはドリフターズのカトちゃんと志村けんさんのひげダンス。^^ ことばのやりとりというより、コミカルな動きで笑わせます。シンプルゆえに引き込まれる、不思議な魅力がありました。

特に映画の中でもたっぷり見せてくれる、トイレと切符売り場の間を行ったり来たりするコメディ劇は、最高におかしかったです。今度こそ!と思うとすんでのところですれ違うので、やきもきしてしまいました。

かつて大スターだった2人が落ち目になって、イギリスでツアーを始めるも、小さなシアターすらお客が埋まらず、泊まるところは安宿。それでもくさらず、互いに支え合い、時にけんかをしながらステージをこなしていくうちに少しずつ人気を取り戻し、最後には大劇場を笑いで埋め尽くすことになります。

心配をかけていた妻たちをようやくロンドンに呼び寄せて、2人の晴れ舞台を見せることができたのは、何よりの妻孝行でした。しかしその後、オリバーの体に病魔が忍び寄っていることが明らかになります...。

仕事が成功している時にコンビがうまくいくのはある意味当たり前ですが、一番つらい時に支え合えるのが真の友情。夫婦以上の強い絆で結ばれた2人の姿に、胸が熱くなりました。

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記者たち 衝撃と畏怖の真実

2019年04月10日 | 映画

9.11後、イラクの大量破壊兵器保有を理由に侵攻を主張する政府の動きに疑問を抱き、真実を明らかにしようと奮闘する記者たちの姿を描いた社会派ドラマ。ロブ・ライナーが監督を手掛け、ウディ・ハレルソン、ジェームズ・マースデンが共演しています。

記者たち 衝撃と畏怖の真実 (Shock and Awe)

2002年、ブッシュ大統領は、イラクが大量破壊兵器を保有しているとして、イラク侵攻を宣言。ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなど、大手メディアが軒並みこの主張を支持する中、ナイト・リッダー社ワシントン支局のジョナサン・ランデー(ウディ・ハレルソン)とウォーレン・ストロベル(ジェームズ・マースデン)は疑問を抱きます...。

”大統領の陰謀”、”スポットライト”、最近では ”ペンタゴン・ペーパーズ” (The Post) など。ジャーナリズムを描いた硬派な作品が好きなので楽しみにしていました。イラクが ”大量破壊兵器を持っていなかった” ことは既に明らかになっている事実で、このことを題材にしたマッド・デイモンの ”グリーン・ゾーン” といった映画もありましたが

当初は、9.11後の悲しみと怒りの中で、多くのアメリカ国民がブッシュ大統領の主張を支持していました。しかもその世論を作り出していたのが、大手メディアだったという真実。本作を見て、ジャーナリズムの責任と、集団心理の恐ろしさを改めてかみしめました。

テロを起こしたのはアルカイーダなのに、標的が巧妙にフセインにすり替わったのです。中東関係は複雑で、よくわからないままにメディアに操作されてしまったということもあるでしょう。自分で考えること、よく勉強すること。フェイクニュースに踊らされないよう、意識を高めることの大切さを肝に銘じました。

ナイト・リッダー社は、カリフォルニアに本社を置き、32の新聞社に記事を配信しているアメリカ第2位の規模を誇る通信社だそうです。

ワシントン支局 (支局長をロブ・ライナー監督自ら演じています) のジョナサンとウォーレンは、政府やペンタゴンの内部通報者たちの証言をもとに裏付けを取り、次々とスクープ記事を発信しますが、大手メディアが政府を支持する中で、ナイト・リッダー社だけが孤立してしまいます。

真実を伝えても、誰も耳を傾けようとしない。そうした中で信念を曲げず、ジャーナリストとしての使命を全うする。記者たちの情熱に心を打たれました。とはいえ国民を動かす大きなうねりとなることはかなわず、結局アメリカは泥沼のイラク戦争へと突入することになります。

映画は、愛国心からイラク戦争に志願して戦地で爆撃を受け、車いす生活となった元兵士の裁判での証言からはじまります。多くの犠牲者を出して、はたしてこの戦争が必要だったのか。この少年兵士にフォーカスすることで、彼の後ろに連なる何万という兵士の姿が浮かび上がりました。

映画としては非常にオーソドックスな作りで、記者たちを精神的に支える家族や恋人のことが少し描かれ、しばし心が和みますが、全体的にはあくまでテレビの報道番組のような真摯な作り。それでも手に汗握り、引き込まれました。

ブッシュのイラク侵攻に関しては、今公開中のチェイニー副大統領を主人公とした「バイス」(Vice) が政府側の視点から描かれています。こちらはブラックユーモアで、エンタメ性もあるみたいですが、合わせて見たくなりました。

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中国料理「花梨」&アークヒルズの桜2019

2019年04月09日 | グルメ

サントリーホール オープンハウスの途中でお昼を食べることに。会場には、インターナショナル料理の屋台がいろいろ出ていましたが、人が多くて場所もなく落ち着けなかったので、しばし同じ敷地のANAインターコンチネンタルホテルに移動して、中国料理の「花梨」でいただくことにしました。

花梨も大好きなレストランです。お昼時で結構人が入っていましたが、しばし外の賑わいを離れて落ち着きました。アラカルトの麺に、点心の春巻きと杏仁豆腐がつくセットをいただきました。

ひと口かじるとパリパリッと音がするほど、サクサクの皮につつまれた熱々の春巻き。中のとろりとしたあんも極上のおいしさでした。

五目入りつゆそば。おしょうゆベースのスープに、野菜や魚介をふんだんに使ったあんがおいしい。

私は、季節野菜色々あんかけ焼きそばをいただきました。パスタ・プリマヴェーラの中華版といった感じ。ブロッコリー、パプリカ、たけのこ、きくらげ、れんこんなど。彩りが美しく、食感も楽しめました。

杏仁豆腐には大粒の完熟いちご。ジャスミンティをおかわりしながら、最後までおいしくいただきました。

***

オープンハウスを楽しんだあとは、アークヒルズの周りの桜坂、泉坂の桜並木を散策しました。

満開をちょうど過ぎたところで、そろそろ散り始めていましたが、桜吹雪の中を歩くのもまた気持ちがよかったです。

高層住宅とのコラボレーションもこの場所ならでは。

ビルに照り返した夕陽が、桜にキラキラと降り注いでいました。

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サントリーホール オープンハウス2019

2019年04月07日 | おでかけ

アークヒルズで開催された「サントリーホール オープンハウス2019」に行ってきました。毎年、桜の季節に合わせて開催されるイベントで、コンサートやガイドツアー、子供向けのアクティビティなどが用意されています。アークのカラヤン広場では、ファームマーケットやインターナショナル料理の屋台も出て、大賑わいした。

イベントがはじまる11時に合わせて訪れると、すでにたくさんの人たちでいっぱい。コンサートを聴くための長い列ができていてあせりましたが、この日開催された4つのミニコンサートも、ガイドツアーも全部参加できて、大満足の楽しい一日となりました。

最初に、大ホールで開催されるパイプオルガンのコンサートを聴きました。荒井牧子さんによる演奏で、バッハのトッカータとフーガ、R・シュトラウスのツァラトゥストラはかく語りきなど。右上のディスプレイに演奏者の手元と足元が映され、手と足の動きを興味深く見ることができました。

サントリーホールは名指揮者カラヤンの意見を取り入れて設計され、1986年にオープンしました。ステージを取り囲むように後ろ側にも席があるという作りは国内初で、当時大きな話題になりました。こういう作りをヴィンヤード(ブドウ畑)スタイルというのだそうです。パイプオルガンはオーストリアのリーガー社によって製作されました。

後でガイドツアーでうかがった話では、パイプオルガンは麦の穂を模したデザインで、垂れ下がった木の部分はブドウの房を表しているそうです。また、天井から垂れ下がった照明はシャンパンの泡を表し、壁の素材はウィスキーの樽と同じホワイトオーク...とサントリーらしく、どれもお酒と関連があるのがおもしろかったです。

この後は、引き続き大ホールでオーケストラのコンサートを聴きました。和田一樹さん指揮、横浜シンフォニエッタによる演奏で、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲、ドヴォルザークのスラブ舞曲、ブラームスのハンガリー舞曲など。ヴァイオリンのソロは14歳の天才ヴァイオリニスト、渡邉響さん。超絶技巧に圧倒されました。

お昼のあとは、小ホールにてオペラ「フィガロの結婚」のハイライトシーンが、ピアノと5人の歌手によって上演されました。歌手たちはサントリーホールのアカデミーの研究生たちで、フレッシュで透き通るような美しい歌声、演奏に魅了されました。

小ホールは室内楽用のホールで、サントリーが世界で初めて開発した青いバラにちなみ、”ブルーローズ”と名付けられています。説明はありませんでしたが、今見るとここの壁も麦の穂がモチーフになっていますね。

その後は、柳田茄那子さん(ヴァイオリン)、田辺純一さん(チェロ)、岩下真麻さん(ピアノ)によるピアノトリオのコンサート。ベートーヴェンの幽霊、マスネのタイスの瞑想曲、ショスタコーヴィッチのピアノ三重奏曲のほか、各楽器のソロの演奏もあり、心躍るひとときでした。

ガイドツアーでは、大ホールのステージの後ろ側、パイプオルガンの前の席からホールを見渡しました。ここはP席とよばれ、かっこいい指揮者を正面から見たい、演奏者の目線で聴きたいという人に人気のある席だとか。たしかに前の席とは一味違った鑑賞体験となりそうです。

最後にホール前にある謎のオブジェ。車輪のようにも見えますが、断面を見ると、サントリーホールのロゴマーク「響」の形になっているそうです。サントリーホールは好きな音楽ホールのひとつですが、こんなにたくさん秘密が隠されていたなんて驚きました。身近に感じられてますますファンになりました。

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醍醐寺のしだれ桜

2019年04月05日 | +京都

宗田さんでお昼を食べたあとは、地下鉄東西線に乗って郊外の醍醐駅へ。そこから臨時バスに乗って醍醐寺を訪れました。ここはしだれ桜の名所で、豊臣秀吉が最晩年の1598年に「醍醐の花見」を催した場所として知られています。

醍醐寺は、醍醐山に広がる大きな寺院。山裾の下醍醐と、山頂の上醍醐は、歩くと1時間くらいかかる険しい登山道によって隔てられています。今回は下醍醐にある三宝院、霊宝館、伽藍の3つのエリアを訪れました。

山種美術館が所蔵する奥村土牛の「醍醐」に魅了され、いつか醍醐寺の桜を見たいと思っていました。まずは絵の舞台となった、一番手前の三宝院に入りました。

門を入ってすぐのところに、しだれ桜の若木がありました。でも土牛のモデルとしては若すぎるかな?

そのすぐ先にみごとな古木が並ぶ場所がありました。土牛が「醍醐」を描いたのは1972年。それから40年以上経ちますから、ひょっとしたらこの大木が「醍醐」のモデルかもしれません。

三宝院では、国宝の表書院の建物を歩き、廊下からみごとな庭園を鑑賞しました。

こちらは霊宝館エリア。醍醐寺が所蔵する仏像、絵画、工芸品など、10万点以上の寺宝の中から、国宝、重文を含む一部が展示されています。

これはまた違う種類の桜。芝生の緑に白い花がよく映えます。

平成館の横にあるしだれ桜の大木。枝を横に横にと伸ばし、圧巻でした。

こちらにもたくさんのしだれ桜が植えられています。

これは桜に似ていますが、海棠(カイドウ)かしら? ピンクが愛らしい。

さらに奥の伽藍エリアへと進みました。国宝に指定されている五重塔。桜といっしょにパチリ。

さらに奥に進むと、観音堂の近くに庭園が広がっています。満開の桜が、霞か雲かの美しさでした。

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手鞠鮨と日本茶 宗田 &烏丸御池散策

2019年04月03日 | +京都

お昼は烏丸御池にある「手鞠鮨と日本茶 宗田」さんでいただきました。こちらでは、おままごとのように愛らしい、美しい手鞠鮨がいただけます。人気のお店なので早めに予約をしておきました。

写真が暗くて、手鞠鮨の美しさがうまく伝えられませんが...。この日は、手鞠鮨14貫に本日の日本茶と最中がつくお昼のセットをいただきました。食事の前に軽くビールで乾杯しました。

手鞠鮨は月毎に変わるようで、この日は弥生のメニューでした。奥左から

・鯛 + 紫蓮根 + セロリ味噌
・鰆 + 菜の花 + 柚子味噌
・鰤 + 大根 + 蕗味噌
・鮭 + チャービル + 黒魚卵(キャビア)
梭子魚(カマス) + セロリ + 桜花
・細魚(サヨリ) + 三つ葉 + 酢味噌
・煽烏賊(アオリイカ) + オクラ + 紅生姜

手前左から...

・鰹 + 木の芽 + 和辛子
・甘海老 + 菊花 + 抹茶味噌
・いくら + 海苔 + 金柑
・雲丹(ウニ) + 海苔 + 抹茶塩
・稲荷 + 黒枝豆 + 鹿尾花(ヒジキ)
・玉子 + 小麦 + 出汁醤油
・燻製鴨 + 分葱 + 粒マスタード

ネタはすべてお味がついているので、何もつけずにこのままいただきます。メニューを確認しながら、ひとつひとつ味わっていただきましたが、思いがけない素材の組み合わせにびっくりしたり、感心したり。いろいろ刺激をいただきました。

本日のお茶は、極上雁金茶(かりがねちゃ)。お寿司屋さんのお茶といえば、熱々の濃いお茶と思っていましたが、ていねいに淹れられた繊細なお茶もなかなかよいものでした。デザートはキウィとクリームチーズをはさんだ最中です。

店内は和のエッセンスを取り入れたスタイリッシュなインテリア。奥にはコの字形のカウンター、中央の大きな一枚板のテーブルが目を引きます。上には和傘をモチーフにした明かり、テーブルには桜の枝が飾ってありました。

***

お店から烏丸御池の駅に向かう道々も楽しかったです。

ガレージで西陣の端切れを置いているお家があり、ピンクの愛らしい柄に目が留まって、つい衝動買いしてしまいました。手前は振袖、奥は子どもの着物の柄だそうです。さて、何に使いましょうか。

弁柄色にステンドグラスが個性的な町家が目を引きました。よく見ると小さくHotel Okuraとあります。あとでググったところ、京都ホテルオークラが手掛けているカフェだそうです。(産経WEST) 右に見えるのは、京都で一番古い丸型ポストです。

絵になる外観。こちらはイタリアンレストランのようでした。

てぬぐいなどの布製品を扱っているお店。お店の横に案内板のようなものがあり、1615年に創業した日本最古の綿布商だそうです。こういうお店がさりげなくあるのが京都ですね。

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京都御苑のしだれ桜 &京都御所

2019年04月02日 | +京都

金~日曜日と、お花見を兼ねて京都・奈良を旅行してきました。せっかく東京の桜が満開だというのに、関西のソメイヨシノはまだ3~5分咲きほど。なんだか間抜けですが^^; 幸い、しだれ桜がちょうど見ごろを迎えていました。

京都に着いて、まずは京都御苑に向かいました。京都御所と京都御苑、どう違うの?と思いましたら... 京都御所は、平安京にはじまり明治維新まで天皇のお住まいだった場所。そして御所を含む広大な公園を、京都御苑というのだそうです。

御苑の北西部の近衛邸跡という場所に、しだれ桜の園があるというので行ってみました。

しだれ桜の大木がいくつもあって、圧巻でした。枝をくぐるようにして木の幹に近づくと、まるで桜のテントに入っているような不思議な感覚でした。

風にそよぐ愛らしい花々。

しだれ桜は糸桜ともいいます。こうしてみると、つるし雛のようですね。

日本画のような美しい風景にうっとり。

御苑のしだれ桜、堪能しました。御苑にはこの他にも山桜、里桜、八重桜など、いろいろな桜が順に咲き、4月下旬まで楽しめるようです。

桜を見た後は、御所にも入ってみました。京都御所は、昔は事前予約が必要でしたが、今は誰でもぶらりと入ることができます。入る際に、簡単な手荷物検査があります。

御所の本殿である、紫宸殿(ししんでん)の周りにある回廊に沿って歩きました。

回廊の東側にある日華門から、そっと南庭をのぞいて。掃き清められた白砂が美しく、心が洗われました。

小御所(こごしょ)の前にある御池庭(おいけにわ)。池を中心とした回遊式庭園です。中央に見える石橋は、欅橋(けやきばし)です。

御常御殿(おつねごてん)の前にある御内庭。こちらも変化に富んだ美しい庭園でした。

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ビリーブ 未来への大逆転

2019年04月01日 | 映画

フェリシティ・ジョーンズが、現役最高齢のアメリカ最高裁判事、ルース・ベイダー・ギンズバーグを演じる伝記ドラマ。ギンズバーグが弁護士として、史上初の男女平等裁判に挑む姿を描きます。

ビリーブ 未来への大逆転 (On the Basis of Sex)

狭き門をくぐってハーバード大のロースクールに入学したルース(フェリシティ・ジョーンズ)は、人一倍の努力と夫マーティン(アーミー・ハマー)の協力によって、ロースクールを首席で卒業しますが、女性であることを理由にどの法律事務所からも断られてしまいます。

やむなく大学で法学を教える道を選んだルースは、マーティンからある男性差別の訴訟の案件を聞きます。長らく性差別問題に取り組んできたルースは、この訴訟に勝つことが性差別を是正する突破口になると信じ、国を相手に法律を変えるべく、弁護を引き受けることを決意します...。

ブラック・クランズマンの翌日に見に行きましたが、こちらはもうひとつのマイノリティ、女性の人権をテーマにした作品です。女性が道を切り開く話が好きなので楽しみにしていましたが、期待通りにわくわくさせてくれる作品でした。RBG(ルース・ベイダー・ギンズバーグ)の伝記としても興味深く見れました。

清潔感があって、ゴールに向かってひたむきに突き進むルースに、フェリシティはぴったりのキャスティング。余談ですが、彼女のクラシックなファッションもとても好きです。(娘のジェーンからはダメ出しされてましたが) 勝負どころでつけるアンティークのブローチはお母さんの形見なのかな?と想像しました。

理解ある夫や、一番身近な同性の味方である娘から励まされ、家族の絆の物語になっているところもよかったです。

いくつか印象深いシーンがありました。例えば、通りがかりの工事夫たちからのセクハラ発言に、ジェーンが猛然と言い返すところ。もう20年前とは違うと知ったルースは、娘の姿に背中を押されるように、訴訟を引き受ける決意を固めます。

ルースの家での、本番前の模擬裁判の場面も心に残りました。優秀でまっすぐなゆえに正論に走り、相手のペースに飲み込まれてしまったルースに、彼女の思いを誰よりも知り、弁護士として確かな経験を積んできたマーティンが、適切なアドバイスによってルースを励ますシーンがとても好きです。

史上初の男女平等裁判が、女性の権利を認めさせるための裁判でなく、男性が不利益を被らないための裁判だったというのも興味深かったです。男性のため、女性のため、と分けて考えるのではなく、トータルで人権を考えることがよりよい社会につながる...今の多様化社会を先見するような裁判でした。

判例にとらわれていては、100年経っても社会を変えることはできない。ルースの長年の思いの丈を込めた渾身のスピーチは圧巻でした。新しい扉を開くこと、自分の信念を貫くこと、年齢にとらわれないこと。RBGの生き方は、今の私たちに勇気を与えてくれます。

5月には「RBG 最強の85才」というドキュメンタリー映画も公開されるそうで、こちらもいずれ見てみたいです。

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