野毛山動物園には現在3頭のレッサーパンダがいます。
新人のケンケン。
古参のキンタ(左)とウミ(右)。
キンタはシッポに毛がありませんから、それでわかります。
えー、なんどもいうようですが、ウミが男の子で、キンタが女の子。
女の子なのになぜキンタかというと、レッサーパンダは子どもの時は雌雄の区別が付き難いらしく、はじめオスだと思われて野毛山動物園にやってきました。で、男の子の名前を付けたのですが、途中で女の子である事が判明。
名前はキンタのまま、愛称キンちゃんとなったのです。
で、このキンちゃんとウミくんは、とーーってもなかよし。
なんですが、なかなか子どもに恵まれず。
パンダの繁殖期(1月~3月)にあわせて、今年1月、山口県の徳山動物園からもう一頭男の子を借りまして、何とか婚活を成功させよう!となったわけであります。
抜擢されたのが、ケンケンです。
動物園がレッサーパンダの繁殖というか、キンちゃんの出産に力を入れている理由は2つあります。
ひとつは、キンちゃんが高齢出産の最上限にちかくなっていること。
もう一つは、キンちゃんは上海出身、日本国内にいるレッサーパンダとは一切血縁関係のない希少種なのです。
つまり子どもが産まれれば、また無限に繁殖の機会が増えると期待されているからなのです。
えーそんな、ひどい!キンちゃんの気持も考えないで~っという意見もありそうですが、
動物園の使命は、保護と繁殖、そして研究とそれらの広報活動を通じて人間と相互理解と共存をすすめること。です。
レッサーパンダは実は絶滅危惧種。かれらの存続を考えると、ベストではないかも知れないけlど、ベターな手段です。
とはいえ、これも最後は相性。
いくらなんでもいやがるキンちゃん無理に…という手段はとらず、
ケンケンを環境に慣らせながら、3頭のバランスを考えていろいろ試していました。
で、結果は…
ウミとキンちゃんの絆は強く、2月19日に交尾を確認。結局ケンケンの入りむ余地がなかった!!!…らしい。
「エーイ、自棄だ!!(ケンケン談)」…っていうわけじゃない…。
でもこのケンケンくん、なかなか活発な男の子で、繁殖期に入って室内にいる事が多くなったキンちゃんにかわって、
ずいぶんみんなを楽しませてくれました。ありがとう。
レッサーパンダの展示場に一頭だけで遊んでいる子がいたら、それはケンケン。
来園の際はぜひ会っていってください。
ケンケンはまもなく、徳山動物園に帰ります。
山口県周南市徳山動物園の公式ホームページは、こちら。 http://www.tokuyamazoo.jp